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十字郎の弟子・衛
「さあ、行きますよ、衛さん。」
「まだだ、あそこの高校生を破壊するポイントをッ!!」
「無駄には使いません。それに…」
「何だ!?」
「少し、兄さんに…似ている気がしますから…」
「…フッ、まぁいい。行くぞ。」
「分かりました。出発致します。」
フッ…と、二人は消えていった。
「何だったんですかね、あの二人。」
「男の方は、知った顔だったんだが…」
「え?誰です?」
「衛という男。あいつは…橘を越える唱能力の持ち主。お前の親父の、弟子の中でもな。」
「親父の弟子!?」
「最早唱えずとも能力を使うとは…恐ろしい男だ。」
「じゃあ、『弱点合図』ってのも…」
「いや、そんな能力はない。少なくとも、この刀を粉にするほどの威力はない。」
「じゃあ、知識とか?」
「恐らくはな。」
突然、
『お前らァ、一遍死ねェッ!!!』
刀の粉から、声が聞こえた。




