38/46
血液循環操作
悠介は後方へ吹っ飛んだ。
「大丈夫!?」
「海月さんは逃げて!」
「でも
「早く!!」
「わ、わかった!」
海月さんは逃げ出していった。
他の客は既に避難し、悠介達の様子を見ていた。
悠介は魔龍石を握り締め、一気に間合いを詰める。
「…!なかなかやるな。」
「いっけェェッ!」
修行を積んだ、正拳突き。
敵は後方へ吹っ飛んだ。
だが悠介も、消耗が激しい。
フラッとして、倒れかける。
すると…
「『血液循環操作』!『一撃冥府槍』!!」
まずい、と思った、その矢先だった。
「何をグズグズしとるッ!早よ殺せェっ!」
キィィィィン…
血でできた細長い槍が、田沼の刀と競り合う。
「お主…まさか!!」
「…ふん。お前か。田沼総司。
だが僕は今、準備運動中…
邪魔はしないでくれるか?」
「フン、ならお主が、我らの邪魔をやめることだな。」
「それはどういう意味だい?」
「我等は、お主等より先に、倒さねばならん敵がおるということじゃ。」
「残念。僕は僕の実力を確かめるために殺っているだけ。
君等の敵など、関係無いッ!」
敵が出力を高めようとした、そのとき…
「お止めください、衛さん。」




