待ってましたとばかりの襲撃
どぉん!
教室内に衝撃が走った。
悠介が委員選出を終えた翌日、
先生が笹塚学園正式防衛委員を紹介した、
その直後だった。何処からか爆音がして、
振り返ると、
この前のよりちょっと強そうな、
怪物が現れた。
─教室に来る。
「みんな逃げろ!」
雄大が大声で指示した。
透也は動かない。動けないのだろうが、
防衛委員だし。いいだろう。
「どうする、代表。」
そうなのだ。例の噂 (ホントだけど)
のせいで、速攻で代表に選ばれたのだ。
「お前ら見とけよ。
これからお前らにも、
訓練らせっからな!」
そう言い放つと俺は、
ひゅん!という音と共に消えた。
!?
透也は棒立ち。雄大が唖然としていると、
悠介がまた、二人の視界に入ってきた。
ただし、窓の外にいたが。
ひゅん!ひゅんひゅん!ひゅひゅん!
瞬間移動しまくって、
常に敵の死角から攻撃。
橘との訓練により、
足を使う代わりに、〔唱〕との会わせ技
─すなわち、小声で瞬間移動を
唱えることで補う、というやり方だ。
魔龍石の特性、
〔筋力強化〕により、攻撃の威力が
確実に上がっている。
─ただ、ひとつだけ明確な欠点がある。
瞬間移動は、
〔唱〕でやると長い。
だから死角をとらなくてはならないのだ。
─唱える時間を稼ぐために。
あと少し!あと少しだ!
ボコッ!
パリーン!
シャ~
殴る音。
割れる音。
消える音。
順番に聞こえ、
怪物は消滅した。
勝った。
この瞬間、雷田悠介は、
怪物に対し2勝目をもぎ取った!




