選ばれた理由
「では次!
北野君が猛烈に知りたがっていた、
『選ばれた理由』を教えましょう。」
「はい!御願い致します!」
「うるさい!」
「はい!」
はぁ…
「あなた達を選んだ理由…それは!
学園長と橘先生の、強い希望にあります!」
えええええええええええええええええ!
「た…橘!?」
「あら、やはりお知り合いでしたか。」
「誰ですか、それ。」
「誰でもいいです。雷田君のお知り合い、
とだけ言っておきましょう。」
「ちなみに学園長って…」
ま…まさか!
「田沼総司先生ですよ。」
ま、まじかーーーーーーーーーーーー!
やっぱりな…そんな気がしてたんだよ。
だって、笹塚学園の初等部に
海外から入れたの、親父だし。
海外から手続きするには、
コネがありゃそりゃやりやすいわな!
─勿論試験には受かったけど。
「その顔。学園長先生とも
お知り合いでしたか。」
「いーいなぁ…学園長と知り合いだなんて。」
ま…まあな。全部、魔龍石のお陰だけど。
ん!?
待てよ。理由は分かった。じゃあ言おう。
「2~4人ってことは、
他に二人選んでいいってことですよね。
先生が決めるんですか?」
「いえ。本命は雷田君ですから。
北野君を呼んだのは、
雷田君が呼ぶでしょうし、
呼ぶ口実として自然だったからです。
ごめんなさい北野くん。」
─この女、悪魔だ。
そんなことを本人の前で、
しかもサラっと言ってのけるなんて。
「そういうわけですからお二人とも、
好きなように防衛委員をお決めになって
ください!」
俺の隣で、透也がめちゃめちゃ凹んでいた。




