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魔龍石(いし)  作者: 雷田十字郎
29/46

選ばれた理由

「では次!

北野君が猛烈に知りたがっていた、

『選ばれた理由』を教えましょう。」

「はい!御願い致します!」

「うるさい!」

「はい!」

はぁ…

「あなた達を選んだ理由…それは!

学園長と橘先生の、強い希望にあります!」

えええええええええええええええええ!

「た…橘!?」

「あら、やはりお知り合いでしたか。」

「誰ですか、それ。」

「誰でもいいです。雷田君のお知り合い、

とだけ言っておきましょう。」

「ちなみに学園長って…」

ま…まさか!

「田沼総司先生ですよ。」

ま、まじかーーーーーーーーーーーー!

やっぱりな…そんな気がしてたんだよ。

だって、笹塚学園ここの初等部に

海外むこうから入れたの、親父だし。

海外から手続きするには、

コネがありゃそりゃやりやすいわな!

─勿論試験には受かったけど。

「その顔。学園長先生とも

お知り合いでしたか。」

「いーいなぁ…学園長おえらいさんと知り合いだなんて。」

ま…まあな。全部、魔龍石いしのお陰だけど。

ん!?

待てよ。理由は分かった。じゃあ言おう。

「2~4人ってことは、

他に二人選んでいいってことですよね。

先生が決めるんですか?」

「いえ。本命は雷田君ですから。

北野君を呼んだのは、

雷田君が呼ぶでしょうし、

呼ぶ口実として自然だったからです。

ごめんなさい北野くん。」

─この女、悪魔だ。

そんなことを本人の前で、

しかもサラっと言ってのけるなんて。

「そういうわけですからお二人とも、

好きなように防衛委員をお決めになって

ください!」

俺の隣で、透也がめちゃめちゃ凹んでいた。

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