呼ばれた理由
朝会後。
我らが担任、清水幸子は、
透也と俺を呼び、話し出した。
「あなた達を、
笹塚学園正式防衛委員に任命します!」
はい?
「ええええええええええええええ!?」
唖然とした。驚きすぎて、一瞬、
透也より反応が遅れた。
3つ、驚いた。
1、『笹塚学園正式防衛委員』とは!?
2、何で俺等は、
笹塚学園正式防衛委員に!?
3、喋ってたのを咎めたんじゃないの!?
多分、質問の優先順位は、
1>2>3だ。3に至っては、正直もうどうでもいい。逆にちょっとラッキー。
1が一番重要なのは、
拒否権の関係である。拒否権があれば、
内容によっては拒否る。
逆に、1が既に分かっていれば、
2が一番重要だろう。
「な…何で我々を?」
と、透也…こいつ、
笹塚学園正式防衛委員のこと、
知ってるな。後でこっそり訊こーっと。
「それより君達、笹塚学園正式防衛委員
について、知りたいのでは?」
あ、ラッキー。
「はい、そうです!」
「いいえ、違います!」
「では教えてあげましょう。」
「いえ、いいです!」
「うるさい!」
「はい!」
本当うるせーよ。透也。
そんなに知りたいのかよ。
笹塚学園正式防衛委員に
選ばれた理由。
「では教えてあげましょう。
─笹塚学園正式防衛委員とは、
その名の通り、笹塚学園を守る組織です。
各クラス2~4人で構成され、
その2~4人が自分のクラスの防衛の
中核たる存在となります。
また週に一度の報告会参加も必須で、
防衛に関する報告をし、
今後の方針について話し合います。
各クラスに代表がいて、
報告会には最低でもその人が参加すれば
そのクラスは出席と見なされます。
代表が報告をし、
クラスごとに話し合って意見をまとめ、
代表として発表します。
決め方は自由です。そして重要なのは
ここからです。
各クラス代表は第一回報告会にて集まり、
何かしらの決め方で学園の防衛代表を、
決定します!」
何!?
多分、拒否する必要はない。だが、
最後の部分は、やはり重要だ。
学園の防衛代表か。たぶん俺だ。
魔龍石持ってる分強いし、
なにしろヒーローの噂が。
一週間寝てた分、噂は止める間もなく
広がっているであろう。
そうなると俺にとって、
笹塚学園正式防衛委員に入るには、
笹塚学園正式防衛代表になる覚悟も、
必須条件の一つと言えるだろう。
まぁ、ならなかったらそれはそれで、
めちゃめちゃラッキーなんだけどなぁ…




