能力使用者と非能力使用者
「ところで、お主。」
「はい?」
正直、この人の喋り方、変だ。
まるで新撰組みたい。名前も。(笑)
「学校は、いいのか?」
「あ!」
忘れていた。それも完全に。
♪♩♪♩~
雄大からだ。
「もしもし。」
「ずる休みする気かボケェ!
早よ来いや!」
「な…何でお前、関西弁なんだ?」
「いや、なんとなく。」
おい。何となくはアカンやろ。
こっちはビビったぞ。
「すぐ行くから、ちょっと待ってろ。」
「待ってられねーよ。」
「もう校庭には、誰もいねーぞ。」
おし!それなら好都合!
「分かった。先教室行ってろ。」
「遅刻すんなよ!」
「わあってるって。」
えーっと校庭は…よし、行ける!!
「じゃあ、また。」
「おう、達者でな!瞬間移動、
容易く使うなよ。非能力使用者に見られると、
なにかと困るからの。」
そうなのだ。魔龍石所有者や、
〔唱〕を使える人の事を、
能力使用者と呼ぶ。
また、能力使用者からして、
使えない人の事を
非能力使用者と呼ぶ。
能力使用者は非能力使用者に対し、
能力が存在ることを
常に隠し通さなければならない。
何故だかは知らんが、橘が
そんなことを言っていた。
「大丈夫です。校庭にはもう誰も、
いないみたいですから。」
「うむ。では行ってこい。」
「はい。それでは。」
瞬間移動理論其の1。
もうとっくに覚えた。
ひゅん!
次の瞬間、総司の前から、
悠介の姿が消えていた。




