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魔龍石(いし)  作者: 雷田十字郎
25/46

田沼総司

田沼総司場に着いたときには、

もうその〔何か〕は終わっていた。

そして、〔誰か〕がいた。

「誰ですか?あなたは。」

「名を乗らせるのであれば、

まず自分から名乗るのが、礼儀であろう。」

「あ、はい。俺、雷田悠介っていいます。」

「『雷田』!?まさかお前、十字郎の?

あの十字郎のせがれか!?」

「あ、はい。そうですが。」

「『そうですが。』か。

十字郎あいつとは反対に、誠実そうだな。

十字郎のせがれよ。」

─正直、十字郎おやじがいい人なのか、

悪い人なのか、分からない。

ししょうは誉めるし、

こいつは暗に

「誠実じゃない」

と言ってるし。

ま、人それぞれってことだろ。多分。

「儂は田沼総司。儂の武器は、

魔龍石いしで鋳られたこの刀。

見てみい。これぞまさしく魔龍石いし

魔龍石いしの輝きであろう!」

確かにきれいだった。

しかもよく斬れそうだ。

この爺さんだけは敵に回さないでおこう。

「実は十字郎は儂の友人でのう。」

十字郎やつが外国に行ってからでも、

時々文通をしておる。」

文通!?古いな。

「ふっ、今、古いと思ったじゃろう。

でも十字郎やつは忙しくてのう。

電話をかけても、専ら繋がらんのじゃ。

だから届けばいつでも読める、という

手紙にしておる。こっちも忙しくての。

分かったかな?」

「は…はい。」

俺は子供ガキか!

『分かったかな?』はいらん!

全く変な爺さんだ。

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