2 ◇ ウィリアム・アルガイズ
全7話執筆済。基本毎日投稿予定です。
【ラスティーナ・ハイツェンベルン】。
彼女の名前と顔を覚えたのは、俺が11歳のときだった。
◇◇◇◇◇◇
「なあなあ、ウィル!もう親父から聞いたか?
今年の祭典の武闘大会にあのラスティーナ嬢が参加するらしいぜ!」
「…………あの、とは?」
王城の俺の私室。
部屋に入ってくるなり雑談を振ってきたのは、現・騎士団長の一人息子であり、俺の幼馴染かつ護衛でもある【ガイル・バートラッド】だ。
「え?覚えてねえの?!あんなに大勢の前で熱烈な告白されてたのに!」
「いつの話だ?」
「は?うっそだろ?
ウィルお前、もう少し人間という生物に興味持ってもいいんじゃねえの?」
ガイルは大袈裟に驚いたような仕草をしてみせると、何かを思い出すように天井を見上げながら、指を折り数えはじめた。
「えーっと……たしか、1、2、……ああ、5年前か。
ちょうど5年前の王都の祭典のときにお前を一目見るなりいきなり『運命の人ー!結婚するー!!』って叫んでさ、そのままぶっ倒れて救護班に連れてかれてた強烈なご令嬢がいただろ。縦ロールの金髪の。」
「…………。」
「でさぁ、後から父親のハイツェンベルン侯爵が謝罪に城まで来たじゃん。覚えてねえ?
なのに侯爵が、謝るはずが途中から『うちの可愛い娘がもう婚約だなんて耐えられませぬ!どうか聞かなかったことに!』とか言って泣きはじめてさ。
そしたらお前がまた無表情で『わかった。それでは、無かったことに。』とか言うからさぁ、オレ笑っちゃったよ。無かったことにって、何だそれ無理だろ!って。
……あっ!もしかしてウィルお前、それ有言実行して今まで綺麗さっぱり忘れ去ってたのか?だとしたらすげえな!」
話を聞いて、何となく朧げにそのようなことがあった記憶が蘇ってきた。
しかし同時に、そのときの判断も思い出した。
「当時、ハイツェンベルン侯爵家を一通り調査したが怪しい点はなかった。その令嬢本人の突発的な発言だという結論で片付いただろう。」
俺の言葉に、ガイルは目を丸くした。
「『だから忘れることにした』って言いたいのか?
はぁ……まぁお前らしいけど。
てかさ、侯爵家の策略じゃなかったんだとしたらさ、あのときのラスティーナ嬢の告白の真意は『純粋な恋心だった』ってことだろ?
お前が人間不信なのは知ってるけど、敵意に敏感になるだけじゃなくてさ、たまには自分に向けられた好意も素直に受け取っとけよ。」
「…………。」
「ま、お前が覚えてるかどうかはどうでもいいや!
で、そのラスティーナ嬢の話なんだけどさ、どうやら噂によるとすんげぇ強いらしくて──」
ろくに相槌も打たない俺のことなど気にも留めずに、ガイルは勝手に話を進めていく。
俺はいつものようにそれを聞き流しながら、頭の中でひとつの疑問を浮かべていた。
──たしかに、武闘大会に貴族令嬢が参加するというのはかなり珍しいな。何か目的があるのか?
年に一度の王都の祭典で行われている王国直属の騎士団主催の武闘大会。
優勝者には国王から直々に特別称号が授与される。国民であれば誰でも参加可能だが、実際のところはこれは「騎士団の実力を国民に披露する」ための場。大抵は騎士団員が上位を占め、一般参加者は記念参加レベルで一回戦で終わっていくことが多い。
とはいえ、ごく稀にではあるがこの大会をきっかけに一般参加者が騎士団にスカウトされる例もあるため、それを狙った参加希望者は多く、毎回一般の参加倍率は10倍近くになる。
祭典内のイベントではあるがれっきとした世界基準の武闘大会であるから、もちろん一定以上の身体能力が参加条件であり、怪我の危険もある。
貴族令嬢たちはよく「見物」には来ているが……わざわざ「参加」するとは。令嬢自ら身体に傷をつけに来るというのか。
……ああ。敢えて怪我をして対戦相手の騎士団員に対し訴訟を匂わせ、金銭や婚約などの要求を通すという手法は過去にあったらしいな。それを件の令嬢が実行しようとしている可能性も一応あるか。
その程度の企みならばまだ良いが……騎士団は王国の武力が集約する重要機関。騎士団に属する重要人物や国家機密が狙いであった場合は大問題になる。もちろん、簡単に狙って崩せるようなものでもないが、万が一ということもある。
国内有力貴族の不自然かつ不可解な行動。再調査の必要が生じるかもしれないな。
「──ってことで、せっかくだからお前も久しぶりに見に来いよ!第一王子も観覧するとなれば盛り上がるだろうし、オレたち騎士団員の士気も上がるし!何よりお前のいい気分転換になるだろ?」
思考を巡らせていたところに、話をまとめに入ったガイルの声が入り込んできた。
「そうだな。」
たまにはそういった場に顔を出して、国民と騎士団の様子を間近で見るのも悪くない。
その令嬢に関しても、間者を送るよりも直接観察した方が不審な点をすぐ把握し対処できるだろう。
そう結論付けた俺は、そのまま彼の提案に素直に頷いた。
◇◇◇◇◇◇
「──勝者!ラスティーナ!!」
迎えた王都の祭典の武闘大会当日。
そこでは目を疑うような光景が繰り広げられていた。
「おいおい、まじかよ!?王国の騎士団員相手だってのに……今ので準決勝進出だぜ?」
俺の隣に控えるガイルも、まさかここまでとは予想していなかったようで、口をぽかんと開けたまま固まっていた。
ラスティーナ・ハイツェンベルン。11歳。
藍色の瞳の吊り目に長い睫毛、真っ直ぐに通った鼻筋に薄い唇。肌は白いが体を動かしているためか頬はほんのり紅くなっており、うっすらとそばかすが見える。長い金髪は縦に巻き、大きな青いリボンで結んでいる。
同年齢女性に比べると背は高い方なのかもしれないが、特に体格が良いという訳ではない。服装も動きやすそうではあるが、膝丈のボリュームのあるドレスに洒落たブーツ。外見だけでいえば、武芸には縁のなさそうな令嬢だ。
「おいおい!相手が貴族のお嬢様だからって手を抜く必要はないぞ!?」
「そうよ!私は騎士様たちの本気の試合を見にきたのよ!なんなのよあの子!賄賂でも渡したっていうの?!忖度はやめて!!」
「あーあ、私の推しのケイン様が今日は遠征でいらっしゃらないからいけないのよ。ケイン様なら絶対に負けないのに……。」
「この国の騎士団ってのは、まだガキの女の前でみっともなくズッコケる練習ばっかりしてるのか?!精鋭が聞いて呆れる!!」
まだ若い令嬢相手に次々と不自然に倒れていく騎士団員たち。最初は何かの間違いかと戸惑っていた観客たちだったが、彼女が準決勝進出を達成した今、その声は彼女と騎士団への不満と不正を疑う野次へと変わっていた。
「いやー……毎試合ラスティーナ嬢が最初の攻撃を受け流しながらカウンターの一撃で的確に相手を沈めてるんだけど……まぁ、たしかに『手抜き』して『ズッコケてる』ようにも見えるか。
それにしてもまずいことになったな。」
ガイルは見物席の方をちらりと見ながら顔を顰めた。
「ラスティーナ嬢を止めないと騎士団の信用はガタ落ち。かといってこのまま決勝で親父や隊長副隊長クラスと当たるのは……勝ったら一般人を一方的になぶったように見えるし、負けようもんならいよいよヤラセを疑われるよな。
……どうすんだこれ。」
「…………。」
「うわ、見ろよ親父の顔。鬼の騎士団長様とは思えない狼狽えっぷりだぜ。戦場でももっとマシな顔してるぞ。」
ガイルの言葉はいまいち緊迫感に欠けるが、彼の言う通り、かなり深刻な事態になり得る状況だ。
「たしかに、国民に事実と異なる印象を与えるのは本意ではない。王族としても騎士団の威信は守る必要がある。
……俺が行こう。」
同世代であり、彼女に勝てる可能性のある者。
この場では俺かガイルだが、ガイルの場合は仮に彼女に勝ったとしてもその後の事態の収束は難しいだろう。
そうなると俺しかいない。
周囲の視線を感じながら、真っ直ぐ騎士団長の元へ行き、突発的ではあるが対戦相手に立候補する。
ガイルの父親でもある彼は、真っ青な顔をしながらも俺の意図を察したようで「お手を煩わせてしまい大変申し訳ありません。よろしくお願いいたします。」と頭を下げた。
俺は模擬刀を受け取り試合場に立ち、まず見物席の方へと身体を向けた。
「突然の乱入、失礼する。
──私は、第一王子ウィリアム・アルガイズ。
さて……今日、我が国の騎士団のために集ってくれた皆に、まずは感謝の意を。
国防と治安の要である騎士団に関心をこのように持ってもらえていることを、私はとても嬉しく思う。」
いきなり試合場に現れた俺の言葉に、見物席だけでなく騎士団員や警備の者たちもどよめいた。
「そして私がここに立った理由だが……そうだな。まず、王都騎士団諸君。」
俺の声に、騎士団全員がザッと音を立てて敬礼を行う。
「先ほどまでの一連の試合は、日頃からの団員の研鑽が見える良いものであった。」
言いながら軽く騎士団員たちを見渡し、先ほどラスティーナ嬢との試合に出て敗北した5人が並んでいる闘技場の隅へと視線を移す。
「試合は予想外の結果だったのだろうが、これまでの己の努力と培ってきた強さまで否定する必要はない。
ただこの敗北を受け止め、これを糧にさらに心身の強化に励むとよい。」
彼らは恐らくまだ騎士団の中でも若手なのだろう。
まだ子どものような令嬢に一瞬で負けたショックと、国民からの騎士団への信頼を失墜させてしまったかもしれない恐怖……といったところか。5人とも生気のない顔になっていたが、俺の言葉を聞いてハッと目を見開いた。
正直、その反応が除隊などの厳罰を免れそうだという安堵からくるものなのか、矜持と向上心を取り戻したことからくるものなのかはこちらからは分からない。しかし、どちらにしろ彼らは目に光を取り戻したようだった。
ひとまずはそれで良い。今後の指導やサポートは俺の仕事ではなく、騎士団長の役目だ。
騎士団にフォローを入れたところで、次にまた見物席へと視線を戻して続ける。
「……今回の武闘大会の様子で、騎士団に不安を抱く者、不満を持つ者も出たことだろう。当然のことだ。どのような相手であっても敗北は本来あるまじき事態。
彼らには更なる成長を私からも求める。」
──さて、それにしても……どう言えば伝わるのか。
頭の中で一瞬思案し、また口を開く。
「しかし一点だけ、弁明をさせてもらいたい。
先ほどの騎士団員たちの敗北は、決して忖度や意図的な手抜きではない。だが同時に、彼らが諸外国の平均的な戦闘部隊に劣っているという訳でもない。
純粋に、そちらのラスティーナ嬢の強さが今日この結果をもたらしただけだ。」
「ラスティーナ嬢の強さ」という言葉に、見学者たちが少しざわつく。困惑と不信感を滲ませているのが感じ取れる。
「俄かには信じがたいだろう。
そこで……彼女の強さを理解してもらうためにも、ラスティーナ嬢の6戦目は私が相手になろうと思うのだが、よいだろうか。
語るよりも示す方が早く、確実に皆の疑念を払拭できると考えてのことだ。もちろん『突発的な模範試合』以外の意味は決して待たせない。」
俺の剣の腕が国内随一であることは、国民の間でも広く噂されているらしい。実際、10歳を過ぎた頃には騎士団長をやや上回る程度にはなっていたから事実ではある。今回はその評判を説得の材料として利用することにした。
ラスティーナ嬢の実力は未知ではあるが、先の5人への一撃から予測するに、彼女の強さは隊長クラスと互角かそれよりもやや上といったところだろう。
──彼女に合わせて多少の加減をしつつ戦い、その強さが皆に理解されたところで俺が勝つ。
これが俺の今からすべきこと。
「うそ!ウィリアム様の試合?!」
「え?王子って『国内最強』って噂じゃなかった?」
「……よくわかんねぇけど、つまり、王子様の剣を見れるってことか?」
「それってすごく貴重じゃない?そもそも第一王子のお姿自体、なかなかお目にかかる機会もないもの!」
「ラッキー!今日来てよかった!!」
見物席が湧き立つ。
彼らの声は、先ほどまでの不満から徐々に俺への好奇心へと塗り替えられていっているようだった。
──国民たちはなんとか収拾がつけられそうだな。
あと必要なのは、相手のラスティーナ嬢の了承を取ること。
彼女の武闘大会参加の真の目的は未だ不明。そのため、イレギュラーな俺との試合を彼女が受け入れるかどうかがまったく読めない。
そして受け入れられたとしても、勝負の内容によってはハイツェンベルン侯爵家との何かしらのトラブルに発展する可能性も大いにある。
……例えば、令嬢の負傷を交渉材料に婚約に持っていかれるなど。
だからこそ、彼女からの了承という名の言質を取るのは最低でもクリアしなければならない。
ついでに、ここで読めるのであれば、表情から彼女の「真の狙い」も読み取っておきたい。
そう思いながら俺は「ラスティーナ・ハイツェンベルン嬢。突然の申し出で大変申し訳ないのだが、私との手合わせを引き受けていただきたい。」と言い、彼女の方へと目をやった。
そして、初めて正面から見た彼女のあの顔は、表情は──
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
「……あの日、初めて彼女と手合わせしてからもう8年ほど経ったか。
俺も彼女も、随分と遠くまで来たものだな。」
俺にとって、二度目のロード・オブ・ファイター。
目の前の重い扉が開けば、その先には初戦の相手と観客たちがいる戦いの場がある。
そろそろ始まるだろう。
手持ち無沙汰な待機時間に軽くイメージトレーニングでもしようかと思っていたのだが、うっかり回想に浸ってしまった。
もし今この場にガイルがいたら「命が懸かった場で、なんて適当な奴。もう少し真面目にやれよ。」とでも言われそうだ。
──いや、違うか。
それだけ俺が、彼女のことが気掛かりで落ち着きを失っているということか。
一度目の大会のときとは違い、俺自身の実力に不安はない。今の俺は、驕りではなく客観的事実として、恐らく他の優勝候補者たちと比べても頭ひとつは抜けているはずだ。
それ故に、試合に対する緊張や恐怖は一切ない。
今、付き纏う不安はこの大会に同じく参戦している彼女のことだ。
表裏すべての世界の思惑が集うロード・オブ・ファイター。
ここで俺が果たすべき「責務」は『我が国家の転覆を目論む裏切り者の情報を掴む』こと。
しかし、俺が今回参戦する「目的」は違う。
殺意と悪意が渦巻くこの大会。俺はここですべての魔の手から『ラスティーナ・ハイツェンベルン嬢を守り抜く』。
「………できるだろうか。そんなことが、この俺に。」
誰もいない空間に、ぽつりと弱音を吐く。
自分の試合などどうでもいい。むしろ危険人物や優勝候補は全員こちらに回してもらいたいくらいだ。そのためにこの4年間、全力で己を鍛えてきた。
しかし、もし彼女の対戦相手にそれらがきてしまったら……?
そして彼女が敗北してしまったら……?
いや、敗北せずとも、場外で恐ろしい人物に接触してしまうこともある。
今この瞬間も、彼女は安全ではない。
握る手に汗が滲む。
もし彼女に死が迫ったら、試合に乱入してでも止める。
組織Zxの定めた大会規定を破ろうと構わない。
対戦相手を、会場を、Zxを、すべてを敵に回してもいい。
ただ、すべてを敵に回してしまったら……どれだけ俺一人が強かろうと、彼女を守りきることは……
「俺は、弱いな。」
彼女に出会わなければ、俺はここまで強くなれなかっただろう。
しかし同時に、彼女に出会わなければ、俺はここまで弱気になることもなっただろう。
……感情とは、難儀なものだ。
会うたびに裏表なく俺への好意を真っ直ぐ示してくる彼女は、数少ない信頼できる相手であり、切磋琢磨できる唯一無二の戦友であり、予想を超える言動に心乱される厄介な存在でもある。
彼女のお陰で、随分と自分にも感情の起伏ができたように思う。
それは一体何なのか。
彼女への感情をどう名付けるべきなのか。
気付かないほど間抜けではないが、今はまだ自覚する必要はない。
王子としての「責務」を果たすまでは雑音にしかならない。敢えて問題を増やす必要はない。
憂いがすべて取り払えたら、そのときに己の内面に向きあえばいい話だ。
「──と、考えている時点で、答えは出ているようなものだな。」
自嘲するのと同時に、定刻になったのか、コロシアムへの扉が音を立てながらゆっくりと開きはじめた。
さて、精神統一の真逆をいくこの思考の渦を一度閉まっておかなければ。
戦う瞬間まで気を散らすのはさすがに愚かだ。
俺と手合わせをする前に彼女がいつもやっているように、目を閉じて鼻で深く吸った息を口から長く吐き出す。
そして、静かに目を開き前を見据える。
「行くか。」
集中力を高めながら入場したコロシアム。
位置につき、対戦相手の姿を確認し、それから4年振りとなるこの空間の感覚を把握しようとざっと全体を見渡そうとして──
──意識をしたつもりはなかったが、たまたまあっさりと、俺はラスティーナ嬢の姿を観客席の中に見つけてしまった。
……これは偶然だと思いたい。
もし無意識に探してしまっていたのだとしたら、もう手遅れとしか言いようがない。
彼女がこちらを向いたまま動きを止めたのを見て、目があったことを確信する。
対戦に向けて切り替えたはずの気がまた散り始めていく。
俺は今、彼女の姿を見て安堵し喜んでいるのだろうか。それとも、この殺伐とした大会の場に彼女がいるという現実を実際に目にして苛ついているのだろうか。まさか、見られていることに今更気恥ずかしくなっているというのか。
自分自身の感情なのに、分からない。
コントロールが効かない。
己の未熟さを痛感し、新たに生まれた戸惑いに思わず苦い顔をする。
一つでも多くの情報を得るためには、対戦相手を観察し、見極め、立ち回り、慎重に対話していく必要がある……はずなのだが、もう仕方ない。
初戦の相手である総合格闘家の彼は、恐らく我が国の問題には一切関与していないだろうから、とりあえずさっさと勝ってしまおう。
俺自身の仕切り直しは、目の前の対戦を終わらせてから落ち着いてすればいい。
さすがに今度こそガイルに「いくらなんでも適当すぎんだろ!真面目にやれよ!」と突っ込まれそうだ。
俺は過去最低に近い集中力のまま試合開始のゴングを迎えた。




