魔物-3
勝利の鍵は、最初のうちにどれだけ点差をつけられるか。すべて倒すことができれば、12点と大きく有利がとれる。
——これは佐山さんと、山田さんに勝つ絶好のチャンスだ!
モルックを握る右手に、力が入る。
並ぶスキットルに狙いを定め、腕を振る。
頭の中でモルックが、放物線を描いで飛んでいく。そして、花が咲くように倒れていく。
何度目かの揺れで、右手から実物のモルックが流れるように飛んでいく。
——なかなか、いいのでは!!
好感触に気分が上がる。
飛んでいくモルックは、想像の通り放物線を描いた。描いたんだけど。思った以上に力が入ってしまったのか、先ほどの佐山さんと同様に想定より飛んでいく。
——当たれ! 頼む!!
俺の願いが通じたのか、カコンっ!と音が響く。
「あ!」
「おっ」
「!!」
8と書かれたスキットルに、モルックが当たる。ぐらぐら揺れるスキットルに、俺たちは叫ぶ。
「倒れろ! 倒れろ!」
「この悪い流れを断ち切ってくれ!」
「っ!! っ!!」
——倒れる!!!
8のスキットルは大きく揺れ、後ろに倒れ――――なかった。
大きな揺れで半回転し、そっぽを向いて止まったスキットル。
俺たち三人の間に、気まずい空気が流れる。
「………一投目には、ま、魔物が、いた、ね……………」
山田さんの言葉が、寂しく公園に響いた。




