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挑戦したいこと-1

「さて、二人は初めましてだったな」


 佐山さんの言葉に、俺と、山田さんは首を縦に動かした。


「春、こっちの男は話していた田中だ」

「よ、ろ、よろしく、お、お願いし、ますぅ」

「それで、田中。こっちの女の子が山田春深だ」

「えっと、こちらこそよろしくお願いします」


 俺と山田さんを見て、佐山さんは嬉しそうに笑っている。


「さて、今日は私たち3人でモルックをする!なにか質問はあるか?」

「俺はないよ」

「わ、私も!ない、よ。あきちゃん」

「ん、わかった。だけど、質問とか、なにか聞きたいことがあれば、我慢せずに聞くんだぞ!いいな、二人とも!」

「わかったよ」

「う、うん」


 こういう気配りができる佐山さんは、きっと学校でも山田さんのようなファンがたくさんいるのだろうなと感じた。

 というか山田さんはずっとオドオドしているけど、学校では大丈夫なのだろうか……?

 俺の心配とは裏腹に佐山さんと山田さんは、二人で楽しそうにスキットルを立てている。そんな微笑ましい光景に、佐山さんがいるし大丈夫なんだろうな。と勝手に心配して、勝手に安堵した。


「田中!何をしている!準備を手伝え!」

「ごめん!佐山さん、山田さん」


佐山さんの叫びに俺は反射的に謝れば、驚いた山田さんは「は、はい!あ、い、いいえ!」と手と首を横に振った。

 佐山さんは、山田さんの動きに慣れているのか反応を見せることはない。そして俺にモルッカーリと紐の端っこを俺に渡した。


「佐山さん、この紐はなに?」

「これかれは、ちゃんとした距離でやろうと思ってな」

「ちゃんとした距離?」

「そうだ!とりあえず、この紐を持って向こうまでいってくれ」

「わかったよ」


 俺は佐山さんに言われた通り紐を持って、紐が伸びきるまで歩いた。


「そこにモルッカーリを置いてくれ!」

「わかったよ、佐山さん」


 俺は佐山さんに支持をされた通りに、紐の端っこに合わせてモルッカーリを地面に置いた。


「そ、れで、ちゃんとした距離って?」

「今までは、だいたい3、4mぐらい離れた場所にモルッカーリを置いていたんだ」

「あーーー、確かにそうだね」

「でも大会では3.5mなんだ」

「へぇー……」

「そ、そうなんだ」


 俺と山田さんは今日初めて会ったけど、考えが似ているのか佐山さんの発言に喉を鳴らした。


「田中、春。私はな」


 佐山さんの話す声は大きくないはずなに、嫌に大きく聞こえた。


「二人さえよければ、大会に出てみたいと思っているんだ!」


 佐山さんの言葉に、俺と山田さんの口から出たのは、


「えっ?」

「は、はひぃ」


 そんな間の抜けた音だった


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