君は私を、嫌いと言う
【初小説です】超短編です。何を言っているのか分からないとなるかもしれませんが、よく読んでいただけると幸いです。それと誤字等あれば報告していただけるとありがたいです。
高校高校1年の春、新しい学校と見知らぬ人たちが出会う季節。クラスのみんなが楽しくお互いの仲を深め合っている中、僕は一人教室で本を読んでいた。
「ねぇ、何読んでるの?」
すると突然知らない女子生徒に話しかけられた。
「あー、20年前に完結した小説だよ。本屋でたまたま見つけて気になったんだ」
「ふぅーん…」と、彼女は意味深な感じで本をのぞき込んでいた。
すると彼女は、「あなた、嫌いだわ」そう一言告げると何処かへ去っていった。
ある休日、1人で買い物をしていると偶然あの時の彼女に会った。
「偶然だね、何してたの?」
「夕飯の材料を買っていたんだ、今日は母さんが居ないから僕が作るんだ」
「男なのに家庭的なんだね、やっぱあなた嫌いだわ」
そう告げるとまた彼女はそそくさと何処かへ去っていった。
梅雨明け、僕は彼女と一緒に映画を見に行った。よくある恋愛ものの映画だったが、彼女は隣で泣きながら見ていた。映画を見終わた後、カフェで話していると彼女がこんな事を聞いてきた。
「あなたは、ああいうのに憧れたりするの?」
「まぁ、いつか出来たらいいなーとは思っているよ。」
彼女は短く「そう…」と言い、その後に「あなた、嫌いだわ」と言った。
夏の日の夕方、ふとケータイを見ると彼女から連絡があった。
「一緒にお祭りに行かない?」その一言だった。
「行こう」と返信して、僕は準備をしていつもの集合場所へ向かう。
集合場所に着くと、彼女は浴衣の格好をして待っていた。
「可愛いね」と僕が褒めると、彼女はそっぽを向き髪を弄りながら小声で「嫌いだわ…」と言った。
祝いの日、彼女が家に来た。手に紙袋と小さな箱を持ち、出会い頭に笑顔で一言こういった。
「お誕生日おめでとう、祝いに来たわよ」
そして返事を待たずに家に入ると、準備中の両親の手伝いに行った。
初詣、彼女と神社へ行く。おみくじを引き、そして二人で願い事をする。
彼女はどんな事を願ったのか聞いてくるが、言うのは恥ずかしかった僕は「君のことかな」と、一言答える。すると彼女は驚いたような顔をしながら「やっぱり、嫌いだわ」と言った。
高校3年生、結果発表の日。彼女と待ち合わせをして、公園へ向かう。お互いの結果を伝えあい、そして喜びあった。
僕は「これからもよろしく」と言い、彼女も「こちらこそよろしくね」と言った。
祝福の日、白いベールに身を包んだ彼女と向かい合う。牧師が誓いの言葉を読み上げ、指輪を交換する。彼女のベールを上げ彼女と目が合う、そしてーーー
ある年の春、私は病院へ彼のお見舞いに来ていた。病室に行くと、彼はベッドの上で静かに小説を読んでいた。彼は私に気づくと、しわだらけの顔をさらにしわくちゃにして笑った。私は持ってきた花を花瓶に飾り、暫く世間話をしていた。すると彼がこんなことを言い出した。
「僕は君と一緒に居れてとても幸せだった。君はいつも僕のことを嫌いと言うけど、そのたびに色々な君が見れた。僕にとってはそれが愛おしくてたまらなかったし、今でも鮮明に覚えている。だから、僕は君が嫌いだよ」
そう言った翌日、彼は息を引き取った。まだ読みかけの小説を残して…
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。もしよろしければアドバイス等をいただければ嬉しいです。




