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アイドルに会いたかっただけなのに、本人になっちゃったよ!!

ただただアイドルに会いたくて亡きお母さんにお願いしてたら、お母さん!何を間違えたか、アイドル本人になっちゃってるよ!どうゆうことよ??

ふりまわされて、考えさせられて、それでも、アイドルが好き!って気持ちは変わらなくて・・

ドタバタギャグあり、ちょとBLあり、ハートフルだけど切なくもあり。

アイドルって何?にせまっちゃいます!

 「・・いつか、愛しのヨン君に会えますように!」


ちーん


 お母さんの遺影に手を合わせて、私は毎日唱える。唱える。唱える。


 私、三枝静香さえぐさしずかは、今年から晴れて大学一年生。

三年前に最愛の母を亡くし失意のどん底にいたが、その時にたまたま聞いたK-POPに心を鷲掴みにされ、その時からずーーっとK-popをこよなく愛している。

その中でも特にヨン君率いる「FXF」の5人グループはイチオシ!母が亡くなった時に聞いたバラードもこのグループの中のヨン君が作った曲で。澄んだ声を聴いて、本当に心が洗われる気がした。

それからは辛い時も嬉しい時も、いつもヨン君と「FXF」に支えてもらった。

すぐにファンクラブにも入り、日本公演にも何度も出かけた。

母が亡くなった寂しさを一番忘れさせてくれたのはヨン君たちだ。

最近は、「FXF」もここ日本でだいぶ人気が出てきて、チケットも取りにくくなってきたけど。

それでも、私の愛は変わらない。


 いつか、会いたいな。


 会えるかな。


 会えないよな。


 でも、会いたいな。


 会って、お礼が言いたい。「ありがとう」って一言いいたいんだ。だから、毎日お母さんにお願いしている。

 

 今日はちょうど、3年目の命日。


 夜、私は久しぶりにゆっくりお母さんの事を考えながら眠りにつく。


お母さん、聞いてくれてるかな。

私の願い、届いているかな。

お母さんがいなくなってすごく寂しかったけど、ヨン君たちに助けられたんだよ。


 ヨン君は、私の命の恩人なんだよ・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




  とても気持ち良く眠れた気がする。フワフワして気持ちいい。そして、何だか温かい光が降り注いでいる。

 

 ・・お母さん??


 誰かのシルエットが見える。手を伸ばすけど、つかむ事はできない。

何だかとっても気持ち良いよ。


 夢が叶った気分


 お母さん・・・


 お母さん・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 「・・ヨン・・ヨン・・ヨン」


 誰かが、私を揺り動かしている。優しい手つき。

もう、朝?

私、静香だけど。ヨン君を呼んでる?寝ぼけてるのかな。


 チュッ


 明らかにリップ音。おでこに生暖かいものがあたった。

お父さん・・にしては気持ち悪い起こし方。

お姉ちゃんは家にいないし。

だ・・誰?


 少し怖くなって、とりあえず薄目を開けてみる。


 「おはよ。おねぼうなヨン」


 

 




 ・・・えっと・・・


 ・・・なに、この状況・・・



 私の目の前に、ベッドに寝ころびながら嬉しそうにほほ笑んだジョン君のドアップがあった。


 ゆ、ゆめだよね???


 とりあえず、私はも一回しっかり目をつぶった。

そ、そしたら今度はギューってされた。どうでもいいけど、ものすごい力!

思わず目を開けたら、さっきよりもっと至近距離に満面の笑みのジョン君がいた。


 「ーーっ!?!」


 思わず相手を蹴り飛ばす。お?いつもより力がだいぶ強いぞ。なんだこりゃ?


 「いってえ!なんだよ、ヨン!せっかく起こしてやったのに!!」


 急激に機嫌の悪くなったジョン君をぼーっと見る。

あ、ジョン君と言うのは、ヨン君と同じ「FXF」のグループの一人。ヨン君と同じ年で、センターを務める一番人気の男の子だ。


 「・・昨日の事、まだ怒ってんの?」


 き、昨日のこと?・・昨日は母の命日で・・


 「・・そんなヨンも可愛いよ」


 と、とにかく表情のよく変わる人だ。機嫌悪くなったり、今度はいきなり艶やか路線。

また、にじにじと私によってくる。明らかにハンターの目だ。獲物を捕らえる目つきだ!

私はとにかく下がる、下がる、下がる。


 ドサッ!!!


 ベッドから落ちた。


 「アハハ。何やってんだよ、ヨン」


 本当に楽しそうに笑うジョン君。


 「あ、もうこんな時間だ。今日も撮影だよ。早くシャワー浴びて着替えなよ」

ジョン君はそう言うと投げキッスをして、部屋を出ていった。



 えええと。


 確認しますけど。


 わたし、さえぐさしずかですよね?合ってますよね。


 ベッドの脇にあった大きな鏡の方を静かに見る。



 そこには、


 


 綺麗な顔をした、れっきとした、私の憧れの、「FXF」のヨン君が、驚いた顔でこちらを見ていた。




 







 






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