素敵な悪夢:寝苦しい夜
寝苦しい夜。
ピチャピチャと音がした。
「何なの……」
キッチンに向かうも、蛇口はちゃんとしまっていた。
じゃぁ、洗面所かしらと向かってはみたものの、こちらも蛇口は閉まっている。
「えー……。トイレが詰まってるのかな」
トイレへ向かう。
「うーん、なんの問題もないなぁ」
ベッドへ戻る。
いつもゴミ箱で転びそうになるので、手に持っていたスマホのライトをつけ、寝室に入った。
ピチャピチャ。
音がする。
「ええ……。な、何なの一体……」
音のする方へと近寄ってみる。
クローゼットだ。
恐る恐る開き、確認した。
「なんだぁ。もう、ちゃんとくるんでおいたのになぁ」
ピチャピチャ。
布がめくれ、彼の口から滴る血がこぼれていただけだった。