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俺だけ持ってるゴースト特攻!? 〜最強退魔師(自称)はゲームでもゴーストから逃れられない〜  作者: 氷見野仁
クエスト3 イベントでもらえる物やその質、プレイヤーのレベルに左右されがち たぶん前編
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ダンジョン1層、基本出るのはゴブリンかスライム

『よーし! みんな揃ってるね! それじゃあルールを説明しちゃうよー! ちなみに、このイベントは一週間続くから、今時間ないって人は退出しても、アーカイブでルール説明見られるから安心してね!』


 その発言を聞いたからか、数人がログアウトしていった。ログアウト光が綺麗だ。しかし時間がないのに参加しにくるとは、とんでもない人気だな、IIO。


『……うんうん、あとは今すぐ参加する人たちだね! じゃ、はじめるよー! このイベントマップは、イベントの要であるダンジョン、海の洞窟へ行くための休憩所、ロビーになるよ! みんな、浜辺にある海の家を見て!』


 そうワカシに促され、浜辺に設置されていた海の家を見る。


『その海の家は、焼きそばとかの海で楽しめるフードを売ってるのは使った人はわかってると思うんだけど、今から店員が一人増えます! その人は、イベントで使える便利アイテムを売ってくれるよ! 次は、海の家の横を見て!』


 全員ワカシの視線の先、海の家の右隣、『建設中 ご迷惑をおかけします』との文言とワカシ作業員の絵が描かれた看板と、移動を制限していた区画ロープが消え、ドン! とコンビニエンスストアのような建物が建った。


『ダンジョンで倒したモンスターからは、ドロップのほかにポイントが得られるよ! そのポイントは、武器とか、防具とか、スキルオーブとかのアイテムとか、いろいろなものと交換できるよ! 交換にはそのお店を使ってね!』


 スキルオーブ!? 初耳だぞ! まさか、スキルが得られる!? これは気合を入れなくてはなるまい。


『最後に、上位入賞ボーナスだけど、これは公平にするために、ダンジョン攻略1回での総モンスターキル数にします! 出現モンスターの分布とか、属性とか、トラップの位置と数とかは完全ランダムだから、ガンガン挑戦してよ! 運がいいと、1回の攻略で上位入賞もあるかもね!』


 うおおおおおおお! すごい熱気だ。 真夏の青い海、燦々(さんさん)と照りつける太陽、ヤシの木、ワカシ、そして、海の洞窟。初イベントとしては、上々ではないだろうか。


 いや、やっぱりワカシはいらないか。


『それでは、スタート! あの岩場の先に入り口があるから、どんどん挑戦してね! じゃ、次は結果発表で会いましょう! ばいばーい!』


 そうワカシは言い放ち、フッとホログラム投影が消え、沖でバシャっと水が跳ねた。その水の跳ねを合図に、浜にいた人間は、ドドドドドドド!!! と地響きを起こすほどの膂力で、岩場の方へと走って行ってしまった。


「しまった、出遅れた……!」


「ははは、焦ってもしょうがないよ。上位入賞するには運も必要みたいだし、ゆっくり行こう」


「「装備ほしーい!」」


 君たち、さっきもらったでしょ。


「頑張りましょうね、アラタくん!」


「おう、がんばろうな」


 皆、気合十分だ。


「オーガ様」


「うん、そうだね。じゃあ、行こう」


 そう軽く会話しながら、静かになってしまった浜を背に、6人で洞窟へと向かうのであった。


 ☆


 浜から少し離れた岩向こうについた俺たちは、圧倒されていた。


 ぱっくりと大穴が口を開け、俺たちを待っていたからだ。


「これが、海の洞窟? これは、思ったよりも……」


「広そ……」


「実際かなり広いみたいだね……もう攻略をスタートさせてるチームが掲示板に書き込んでるけど、どうやら一筋縄ではいかないみたいだ」


「少なくとも、1層で終わるような簡単なダンジョンではないようですよ、オーガ様」


 オーガ9とホリィさんがウインドウを開いて情報収集をしているが、始まったばかりだからかとくにめぼしいものはないようだ。


「イベントなので危険はないですし、1回行ってみませんか?」


「いこいこー!」


 ユイナとユキがスタートを促す。エリスほど表には出していないが、かなりワクワクしているようだ。ユイナに関してはもともとゲーマーらしいからなぁ、ワクワクが抑えられてない。


「うし、とりあえず情報収集はそれくらいにして、行ってみよう!」


「ごーごー!」


 そして俺たちは、海の洞窟入り口に設置されたポータルへと吸い込まれていった。


 ☆


 洞窟内に転送された俺たちの目に飛び込んできたのは、スライムだ。


「お、スライム」


「スライムは属性魔法攻撃しか効きませんし、エリスちゃんの火属性魔法がいいと思います」


 ユイナにそう促されたエリスは、ドヤ顔をしながら攻撃魔法を唱えた。


「【狐火(きつねび)(じゃく)】!」


 どうやらこの間の暴力的な鬼火で学んだのか、使ったのは狐火、しかも弱威力。


 火の玉はそこそこのスピードでスライムに吸い込まれ、その命を散らした。


「やった!」


 エリスは喜び、倒したスライムのドロップアイテムへと近づき、ツンツンしだした。


「うぇーねちょねちょしてる、気持ち悪〜」


「スライムの粘液だね。ドロップアイテムだからインベントリに収納できるよ。アラタ」


「はいよ」


 俺はインベントリを開きスライムの粘液を回収する。エリスがつんつんしていた粘液は地面から消え、俺の中に『スライム粘液(緑)』として保管されることとなった。使い道は、わからん。


 そんなことを繰り返しながら、俺たちはダンジョンを攻略していくのであった。

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