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俺だけ持ってるゴースト特攻!? 〜最強退魔師(自称)はゲームでもゴーストから逃れられない〜  作者: 氷見野仁
クエスト3 イベントでもらえる物やその質、プレイヤーのレベルに左右されがち たぶん前編
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上級者からもらえる装備って、最高じゃない?

「……なるほどね。俺を誘った理由がわかったよ」


「理解してくれて助かるよ」


「うわ、これアラタ狙い撃ちじゃない?」


「でもまだ実際にオバケが出てくるとは決まったわけじゃないですよね? ただキャッチフレーズとしてつけただけの可能性も」


 ユイナがただの文言(もんごん)である可能性を言及する。しかし、それをオーガ9が否定する。


「場所も海の洞窟だし、わざわざ遊びでこんなサブタイトルを入れるとは思えないんだよね。だからゴースト属性が、どんな形かはわからないけど出てくる可能性が高い」


「通常モンスターはアラタくん以外で倒して、ゴースト属性はアラタくんに任せれば、他の参加者よりも一歩リードできるって考えですよね?」


「そう。ユイナさん、わかってるね。それに、僕たちのパーティはバランスいいと思うんだ。僕がタンク、ユイナさんが物理アタッカー。武器を持ってないエリスちゃんとユキちゃんは多分魔法アタッカーだよね? ホリィが回復や支援をしてくれる。そして、アラタがオバケ」


 アラタが、オバケ。


 俺、置物じゃない? 泣いちゃうよ?


「俺だってオバケ意外も相手にできるっつーの!!」


「無理でしょ、アラタスキル生えないじゃん」


「グゥ」


 エリスにそんなことを言われぐぅの音が出た。くっそーわからんだろ! まだエルダーリッチ戦のあとステータス確認してないからな! スキルの一個や二個……!


 俺はステータスをスクロールしスキル欄を表示する。するとそこには。


「あ、スキル生えてる」


「「うそ!?」」


「本当ですか!? すごい!」


 うちの3人が驚く。そんなに珍しいか?


「でも攻撃技とかじゃないわ。【HP(ヒットポイント)スワップ】だってよ。HPをMPに変換するらしい」


 そういえばエルダーリッチに組み伏せられた時いやにHPの減りが早いと思ったら、これか。


「それでも継戦能力あがったね、お兄ちゃん」


「ああ、いいことだと思う」


「それはなにより。より長くゴースト属性を相手にできるようになったのは、いいことだよ」


 でも俺以上にエリスとユキはスキルが生えてんだろうなぁ……いいなぁ。俺も聖獣になったらスキルもらえるかな。


「とにかく、イベントに関してはそんな感じだ。ダンジョンはパーティーごとに作られるインスタンスダンジョンだから、他のパーティーを気にする必要もない。なにより重要なのは、インスタンスダンジョンだと聖獣でも死なずにリスポーンできること。気にせず戦っても大丈夫」


「本当か、そりゃいいや」


 エリスとユキが死なないってわかってるだけでだいぶ気が楽だ。ためらっていた心が幾分か楽になる。


「さて、そうと決まれば早速準備だ。まずは、4人に最低限の装備をしてもらわないとね」


 えっ、装備?


 ☆


「なんですか、ここ……?」


 ユイナが驚いている。エリスとユキは、開いた口が塞がっていない。そりゃそうだ。今、俺たちはオーガ9に案内され彼の家の地下室に来ているわけだが……。なにここ宝物庫?


「これは僕が一ヶ月の間に集めた装備とか、アイテムとか、そういうのを全部置いてあるんだけど、役職とかが違って装備できなくても、もったいなくて売れなくてね。気にせず選んで持って行って欲しい。遠慮はしないで。イベントで勝つためさ。僕は本気だよ」


 まあ、ここに連れてこられて好きなものをなんでも選ばせてやる、って言われたらさすがに本気を出さざるをえない。すごい気合の入りようだ。入賞ボーナスがよっぽどいいと見える。


「4人のレベルが35を超えてたのは嬉しい誤算だ。35から装備できる武器防具となると……あのあたりだね」


 そう、少し奥の方を指差した。確かに、装備しやすそうなものがいくつか並んでいる。


「では、大雅様、私は家の仕事がありますので一旦ログアウトします。イベント前には戻りますので」


「了解、あとでね」


「それでは、皆様も。遠慮なさらずに。では、失礼します」


 カツカツカツと、ホリィさんが階段を上っていった。それを合図にしたのか、エリスとユキがタタタタと装備の方へ走ってゆく。気に入るものがあるといいがな。


「私たちも、探しにいきましょうか……?」


「そうだな、行くか」


 ユイナと一緒にゆっくりとエリスとユキと合流し、装備を漁り始めた。


 ☆


「まさか装備の方から降って湧いてくるとは、これは嬉しい誤算だったな」


「ほんとほんと」


 装備を選び終わった俺たちはホクホク顔だ。


「皆、決まったみたいだね。どんな武器と防具にしたの?」


「俺は無難にガントレットだな。赤色のアクセントもあってかっこいいし。防具は動きやすい方がいいからフレアサーペントの皮鎧と、あとは適当に」


 今の俺の装備はこうなっている。


 頭:なし

 服:フレアサーペントの皮鎧

 手袋:赤血鋼のガントレット(武器兼用)

 靴:つむじ風の靴(赤)

 武器:赤血鋼のガントレット(武器兼用)


 指輪とかのアクセサリー関係は今はいいかなとつけてない。どれがどんな効果あるかとかいちいち確認するの面倒だし。武器も防具も全体的に炎耐性がついてる。エリスに誤射されても安心だ。靴はなるべくスピードが上がるものを選んだ。


「僕はこれ」


 エリスはそう言って、怪しく光るオーブを差し出してくる。エルダーリッチを復活させる時に使った水晶玉を思い出すからやめてほしいんだが?


「うお、宙に浮いとる。というか、防具はどうした防具は」


「お兄ちゃん、聖獣の防具は聖獣の成長と一緒に育つ成長型装備だよ。だから今でもこれが一番強いの」


 なんだと!? そんなの全然知らないぞ、ずるい! それはそうとして、ユキは武器に小さな脇差を指していた。似合ってるな。


「でも、防具が勝手に育つなんて楽で良さそうですね」


 ユイナは俺と同じく一新していたが、選んだ装備がまた一癖も二癖もありそうなものでくすっと笑ってしまった。


 頭:十字架の羽飾り

 服(上):バトルシスターのトップス

 服(下):バトルシスターのフレアスカート

 手袋:バトルシスターのグローブ

 靴:バトルシスターの靴

 武器:聖十字の片手剣


「ばとるしすたー?」


「は、はぃ、一式揃ってたので……。相性も良さそうですし……」


 少し恥ずかしそうにもじもじする姿はかわいい。しかし、たしかにこの装備を着用するのは勇気いるかもしれない。


 別に露出とかがあるわけではないが、白を基調としたシスター服を改造したものらしく、たしかに少し恥ずかしいかも。でも、じき慣れるだろう。


 オーガ9なんてガチガチの全身鎧、威圧感まみれの巨体だからな。それに比べれば。


「アラタなにか失礼なこと考えたよね?」


 ギクッ 相変わらず鋭いな。


「全身鎧の鬼仮面は威圧感の塊で、それだけで敵モンスターは逃げ出すだろうなと考えていました」


「装備取り上げるよ」


「勘弁してください。申し訳ありません」


 俺は、オーガ9には一生頭があがらないのかもしれない。


________________

 イベントNo. 1/IIO


  海の洞窟 ダンジョン攻略

 難易度:★★★★★☆☆☆☆☆

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