表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
KNOCK || KNOCK ~ジオの少年物語~  作者: キツネキューブ
3/6

「12時間と12時間」   選択2<状態の扉> 

<状態の扉>

「”状態”だな……状態を利用する!!……時間と共に変化する、状態変化を利用するッ!!」

 少年はそう言いうと、トンボ等に向かって全力で走り出した。



 トンボと少年の距離--約20m

状態を利用するとは一体どうゆうことなのか……


6m程走ると、少年は足を止めた。ズズザザッ!と砂煙を上げたため、靴に砂が入ってしまう。

足を止めると、ぐぅぅううんと少年の左に浮遊していた巨大な刃が動き出す。



「ぶっ壊す!!!……ぶち壊す!!」

刃はゆっくり動き出し……


=ボッォゴュォオオン!!=

 さっきまで登っていたバスを……横から殴るようにぶっ壊した。

バスは砂埃をあげる……バスの側面は刃の衝撃を受けて、

無数の欠片となりトンボの群れを包む程に散漫する。

バスを砕き、破片をトンボに命中させようとしたのか……しかし、威力が足りずコツコツと当たった程度であった。

--のーだめーじ。


「これでいい…………このバスは砕け散った……今!!破壊され鉄となった。バスから鉄への状態変化。」

少年はそう告げる。



 砂煙が収まると、不可思議な模様が露わになる。


 …………少年の真横に謎の模様が浮き出ていた…………

半径6センチ程の時計の上に、横三角形という模様が「▷」、

どうやらホログラムの様だ…………それが、バスのぐりッと抉られた場所に浮き出ているのだ。



 逃げるトンボを見つめ、少年は言うのだ。

「12秒前の状態へ、バスをぶっ壊す前の……元の姿へ……」


「今だッ!!……二倍速で戻り始めろッ……!!!」


 少年が指を指してそう叫ぶと、少年の真横にあった模様が変化した。

縦二重線が変化したのだ、その形は左三角形が二つ。「◁◁」



 すると、空中にまい落下している石がグググッ……っとその場で留まったかと思うと。


 =!!ノオオウヨゴウトボド=



 逆再生のような音が鳴り、石が弾丸のように元あった岩の元に戻っていく。

まるで、吸引力の強い物に引っ張られるかのように……



 3秒もたたないうちに、石は一点に集まった。

欠片と欠片がぴったりとくっつき、最終的に壊す前のバスとなった。



 トンボ等の頭や羽、体を貫く。……一瞬の出来事だった。


=ヴヴウウヴ ヴウヴヴヴ ウヴヴウヴ…………=

=ヴウヴウ ヴウヴヴ ウウ ヴウヴヴウ

                 ウヴウウウ…………=



 2匹は運よく逃げてしまったが……5匹、その場にボトボト落下した。



 「やったぁあああ!!…………大成功ッ!!」

思い描いた通りの結果となって、少年は大きく喜び、跳ねまわった。

ダッシュで、トンボの回収に向かう。

……暗かった少年の顔は、一点の曇りのない笑顔に変わっていた。




 少年が自由自在に動かしていた「ガジェット」とは……一体何なのか。

生まれつきの力なのか、何かのきっかけで身についたのか、修行し手に入れた産物なのか……

はたまた、誰かから与えられたものなのか。


 この世界は何処なのか……地球のどこかにあるのか、異次元の世界なのか、誰かの夢の世界なのか、

はたまた、誰かが創り出した世界なのか。


そもそも、この少年は何者なのか。あの母親らしき人は……? 




真相を知ることが出来るのは、もう少し後の事。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ