心変わりの早い私とそんな私に振り回される菅野君。
私は、直ぐに男性を好きになってあっという間に
冷めてしまう、どうしようもない女なの。
___それでもね?
菅野君だけは、ずっと私の傍に居てくれたわ。
___彼は、高校生から一緒で。
別にクラスや部活が一緒だった訳でもないのに、、、。
何故か? 菅野君は私の傍に居てくれたのよ。
▽
私の名前は、『八木 真寿美』22歳、食品関係の事務の仕事をしているわ。
菅野君は、フリーターでね! 仕事が続かなくなると直ぐに辞めてまた違う
バイト先を探すみたいで、正社員になる気がないみたい。
・・・それでも、私達は別れてはまたくっついての繰り返しだったの!
『ねえ? また仕事が続かなくてバイト辞めたんだって! いい加減にしてよ!
正社員になる気はないの?』
『・・・ないね! 俺は正社員とか、そんなのに興味がないんだよ!』
『___じゃあ、もういい! 別れるから。』
『___あぁ、分かった! どうせ? また好きな男でもデキたんだろう?』
『まあね! 今度の男性は、ちゃんと仕事している人よ! 菅野君なん
かより大人の男性なんだから!』
『・・・あぁ、そう!』
『___じゃあ、またね!』
『___あぁ!』
___これで! 菅野君と別れたのは?
100回目! 将来性がない人より大人の考え方で将来設計が出来ている
人の方がいいわ! 菅野君よりステキな男性は、いっぱいいるんだから!
*
・・・ある時。
___私は、そんな大人の男性と食事に行ったの。
『今日は、真寿美ちゃんの為に有名なお店を予約しておいたよ。 キミに
相応しい場所に、キミを連れて行ってあげたいんだ!』
『___私に、“相応しい場所?”』
『___まあ、そのうち、真寿美ちゃんにも分かるよ。』
『・・・えぇ、』
___彼は高級車で、私の家の前まで迎えに来てくれて。
そこから、彼が予約をしていたお店に行って美味しいフレンチコースを
食べた後、、、彼とドライブがてらに海を見に港に、、、。
___私と彼は、車の中で夜景を見ながら話をしたの。
『僕はね! キミとならずっと一緒に居たいと思うんだ!』
『尭彦さん! 私も、、、。』
【プルルルル プルルルル】
___彼の携帯電話が突然、鳴ったわ!
『・・・真寿美ちゃん! ごめんね、母さんから電話みたいで。出ても
いいかな?』
『___えぇ! 勿論、いいわよ!』
___彼は、そういう私に訊くと? お母様の電話に出たの!
『もしもし? ママ! どうしたの、こんな時間に、、、!?』
『尭彦さん! 今日は、誰と会っているの?』
『___えぇ!? 今日は、真寿美ちゃんとデートだって言ったじゃん!』
『・・・その子は幾つの女性なの? ママが尭彦さんに似合う女性
を探してあげると言ったでしょ! どこの馬の骨か分からない、あばずれ女
なんかやめなさい!』
『・・・ママ! 全部、彼女に聞こえてるよ。』
『別にいいのよ! 尭彦さんは、ママの言う通りにしていたら間違いない
のよ! いいわね!』
『___ううん、』
『___じゃあ、もう時間も遅いからお家に帰ってらっしゃい!』
『・・・あぁ、分かったよママ。』
*
___私は彼の横で、何もかも聞いていて。
心の中で、思ったわ! “大人の男性”と言った事を訂正しようと。
___見た目は、大人の男性に見えたのに、、、。
中身は、ただの幼稚なマザコン男だったなんてね!
___私は、そのまま助手席から降りて一人で歩いてタクシーが捕まる場所
まで行こうとすると?
『・・・えぇ!? ちょっと待って、真寿美ちゃん! どうしちゃったの?』
『___ごめんなさいね! 私はあなたにどうやら? 相応しくないみたい!』
『___いやいや? そんな事ないよ! 僕には、キミが、、、。』
『私が無理なのよ! あなたじゃ私の相応しい場所なんて作れやしないわ! 』
『・・・・・・真寿美ちゃん、』
【ガチャン】
___車から降りて、私の記憶が一時的に消えているわ!
あまりにも、腹が立ったのと自分の男を見る目がない事にショックを受けて。
___ふと、記憶がはっきりしてきた時には?
菅野君が私を乗せて、家に帰っている途中だったのよ。
『・・・えぇ!? どうして、、、私?』
『___やっぱり、記憶がなかったのか? 俺が真寿美に何度話しかけても
返事もしないから? おかしいなって思ってたんだよな? もしかして...?
フラれたの? “その大人の男性に?”』
『・・・違うわよ! 私がフッタのよ!』
『・・・そう、真寿美って? 男見る目ないしな、俺も含めてだけど、、、!
だけど、俺はお前がずっと好きだから。』
『___なによ! いきなり!!!』
『___言いたかっただけだよ! 忘れてくれ!』
『・・・忘れられる訳ないじゃん! 私が好きなのは菅野君だって分かった
から! もう一度、私と付き合って!』
『___あぁ! いいよ。』
*
___こうして! また元鞘に、、、。
同じ人と100回別れて。101回目にまたヨリを戻したのよ。
私に振り回されっぱなしの菅野君だけど。
私は、やっぱり彼と居る時が一番落ち着く。
___菅野君の横にいる事が、私の“相応しい場所”なのかもしれないな!
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