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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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協力預金 6


 鈴木

「あう、あう」

 日本語になっていない。


 俺

「鈴木さん、紹介します。彼が坂本社長です。この信用金庫を紹介していただいた私の大切なお客様です」


 坂本

「坂本です。太田さんにはいつもお世話になってます」

 いつもと違うドスが効いた声でゆっくり挨拶する。ちょっと怖い。

 


 俺と坂本社長の顔を交互に見て、おびえきった鈴木。


 俺

「はやくこの事態を坂本社長に説明してください!」


 鈴木は観念して言った。

「全て見ての通りです。まとまったお金が必要だったからやってしまいました。すみませんでした」


 その声を聞いて俺はひざまずいて、坂本社長にゆっくり土下座をした。


「すいません、坂本社長。この鈴木を紹介した私が悪かったです。申し訳ありませんでした」

 歳上だが鈴木と呼び捨てにした。


 土下座はまあ、先ほど「太田さんは悪くないよ」と言ってくれていたのでゼスチャーである。


 鈴木はまだ突っ立っている。


 俺は土下座しながら怒鳴った。

「おい、鈴木!俺がこうやってワビ入れているんだ。張本人のお前が土下座しなくてどうするんだ。早くしろ!」


 鈴木は素直に俺の横に並んで土下座をした。

 当たり前だ。


 急に2人の大の大人が土下座するものだから、銀行員たちは、何が起こってるのか分からないから小動物のようにオタオタしている。


 まあ、こいつらはこんな修羅場経験がないから当然の反応であろう。


 俺

「鈴木、もう一度謝れ!」


 鈴木

「本当にすみませんでした」

 その声を聞いた坂本社長は、ゆっくりとしゃがんで土下座している鈴木に顔を近づけて言った。


 坂本

「鈴木さん・・・太田さんは最後まであなたのことを信用していましたよ。そういう清い心を裏切ってていいんでしょうか?」


 鈴木

「すいません。つい出来心で申し訳ありませんでした」

 もう一度謝る鈴木。


 坂本

「私へ謝るより、最後まで信じた太田さんに謝ってください」


 鈴木

「太田さん、このとおりです。勘弁してください!」

 俺に向き直り土下座する鈴木。


 涙目だ。


 俺

「カタギの世界でなかったら命はなかったですよ。とうてい納得できませんが、わかりました」


 俺は立ち上がってテーブルに向かう。


「しかしルール通り手数料は全部没収します。後の采配は坂本さんに全てお任せします」

 と言ってテーブルの上の4000万円を坂本社長に手渡した。


 坂本

「まぁ、ルールを破ったとは言え鈴木さんがいなかったらこのディールが成立しなかったわけだから、無一文と言うわけにはいかないだろう」

 と言ってその中から500万円の札束を俺にさんに差し出した坂本社長。


 坂本

「太田さん、これはあなたに渡す分です。それをどう配分しようが私は関知しません」


 俺

「わかりました、ありがとうございます」

 とお礼を言って半分を土下座している鈴木の前に置いた。


 俺

「金額は減ったがいくらかでも貰えるだけありがたいと思え」


 少し甘かったかな?


 坂本

「鈴木さん、太田さんに感謝するべきだな。目障りだからお金を受け取ったらサッサと帰って下さい」


 鈴木は針のムシロから開放されたと思って、金を掴んで脱兎のごとく部屋から出て行った。


 鈴木がいなくなって坂本社長はさらに500万を俺にくれた。


 坂本

「これは太田くんの土下座代だ」

 とニッコリ笑ってくれた。

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