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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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協力預金

 この話はバブルがはじけて、下り坂になった頃の話である。


 1989年12月に日経平均株価が最高値をつけた後、湾岸戦争が始まり銀行を始めとする金融機関に影がさしだした時の話題である。


 今回の登場人物は俺の大切な顧客であった坂本さんと言う若い不動産屋の社長である。


 ある日、彼から俺に電話が入った。


 坂本

「太田さん、昨日私が預金をしている和歌山県内の信用金庫からいい話が来ました」


 俺

「え、なんでしょうか?いい話とは?」


 坂本

「実は和歌山の信用金庫が協力預金を求めています」


 俺

「協力預金ですか?金額と条件を教えてください」


 坂本

「金額は、20億円を一年以上預けていただいたら表面金利プラス10%をつけると言う話なんです」


 ここでちょっと説明をする。銀行の金融商品で「協力預金」なんてものはもちろんない。

 あるのは

「普通預金」

「定期預金」

 だ。


 表にはない金融商品、要するに「裏技」である。


 パンフレットなどがないためと金額がデカいので、一般の庶民にはまずお目にかかれないものである。


 大体の「協力預金」はワンロット10億円単位でオーダーが来るのであるが、月末に銀行が必要な金が足らなくなって、本来の預金を獲得する方法では間に合わない場合に、要するに従来の金利に「付録」をつけるわけである。


 この場合はプラス10%と言う大きな付録だ。


 ちなみに当時の一年定期金利は5%ほどであったから都合15%をつけようという話だ。


 金持ちは益々金持ちになるわけだ。


 しかし、その「付録」の度合いによってその銀行がいかにせっぱつまってるかわかる物差しとなる。


 今回の10%のプラスはかなりテンパってる状態であると俺は察した。


 当時の協力預金金利の平均は5-8%であっからだ。


 俺

「わかりました。何軒か、あてがありますからすぐに連絡しますのでしばらくお待ちください」


 電話を切った俺は一方で「鈴木さん」と言う人間の顔が頭に浮かんだ。


 彼から「自分の顧客の中で協力預金だけを好んでやっている金持ち客がいる」と言う情報を以前もらったことがあるからだ。


 急いで鈴木さんに電話をかけると

「10%の裏金利はいいですね。先方には8%と言って2%は我々参加者で分けましょう」と言う事だ。


 彼は即断する人間である。

 しかも商売上手。


 俺

「相手は誰ですか?」


 鈴木

「大阪の畜産会社だ」

 と彼は有名な会社の名前を言った。


 もちろん我々大阪の金融マンは誰でもよく知ってる大会社であった。


「これならすんなり話がまとまるな」

 と俺は思った。

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