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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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葉山さん 1

その顧客で葉山さんという人がいた。


彼は大阪市内に鉄工所を営んでいる非常に紳士な経営者であった。


最初彼は3000万円の債券を持ってきて「これを担保で信用取引をしたい」と言うことで信用口座を開けた。


俺にとっては、はじめての信用客だったので取り引きの内容はよく覚えている。


たしか近電工と東京電力を買ったはずだ。


さらに彼は俺のことを息子のように非常に可愛いがってくれて、ミナミのクラブやいろんな高級レストランに連れて行ってくれた。


そして自分の経験談を話してくれたので、そういう意味では人生の師匠である。


俺も「出来るならこういう紳士になりたいな」と思うような理想像であった。


しかしこの紳士がある日、豹変したのである。


人間と言うものは「普段起こらない人が怒ったら怖いものだ」ということを目の当たりにした。


ご存知のように「政府所有のNTT株の放出」というイベントがこの年にあった。


我々営業マンは普段待ってる顧客からNTTの株の予約注文をもらっていたときのことである。


葉山さんも彼自身と家族5名で合計6名のNTT株の申し込みを行った。


予約受け付け書にサインと印鑑をいただき受け付け終了。


ここまではいい。


しかしである、最終的に大蔵省から「外国人のNTT株の購入は禁止」と通達されたのである。


まぁ普通に考えて「通信や放送」の大事な株を外国人に委ねると言う事はしないのであるが、この通達が予約受け付けの後になってしまったのだ。


俺は葉山さんをずっと日本人とばかり思っていた。



しかし実は彼は在日韓国人だったのである。


「葉山さん。すいません、NTT株に参加するためにパスポートなどの日本人を証明できる書類が必要なんです。よろしくお願いします」


葉山

「あ、私は在日韓国人ですよ」


「あ・・・誠に言いにくいんですが、それでは入札に参加できないルールなんです」


葉山

「太田さん、そんなバカな話があるかな?すでに書類にサインして受理されたのじゃあないのかな?」

口調はゆっくりだが押してくる。


「はい。そうなんですが、大蔵省の指示で在日韓国人を含めて海外国籍の方は買えないとの通達がありましたので・・・」


「がちゃん」

と突然に電話が切られた。

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