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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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44億 ニセ株券 2

断っておくが俺は外資系証券会社に入って全く仕事らしい仕事をしてないように見えるがそうでは無い。


そう、「田主社長のお守り」がメインの仕事なのだ。


朝会社に行くと、田主社長からの株の売買をやったらもう30分で退社である。


自分の給料以上の手数料は全てこの売買で達成できていたから楽勝である。


退社をすれば後は田主社長と飯を食っておしまいと言う毎日であった。


まあ有り難い存在だ。



さて次の日である。


朝1番に田主社長から電話があった。


「太田さん、ワシ一緒に銀行に行って欲しいんですわ、昨日預かった株券を担保に金を借りる算段をします」


「分かりました。すぐ参ります」

俺の会社と田主社長の事務所は淀屋橋付近なので歩いて10分もかからない。


そして彼のメインバンクである銀行も歩いて5分位の間で、お互いの中間地点の三○銀行淀屋橋支店で待ち合わせをした。


田主

「いつもお世話なってます。スンマへんけどもこの株券担保で八掛けでお金を融資お願いします」


銀行員は慣れない株券を受け取って10分ほど精査している。


銀行員

「分りました。小野薬品株3億円分ですね。社長にはいつもお世話になっておりますので八掛けの2億4000万円分をすぐにご用立ていたしますのでお待ちください」


社長

「え、そんな簡単に出るんですか。この株券の審査はないんですか」


銀行員

「それはもう、社長の会社にはいつもお世話になっておりますので、信頼しておりますから審査等はありません。株券も今見ましたが取り立てて不審な点はありませんでした」


社長

「そうでっか、やっぱり銀行さんが見ても本物でっか?」


「社長ちょっと待ってください。一旦その株券を俺に預からしてください。うちの証券会社の本券部でもう一度審査させます」


社長

「しかし銀行さんは大丈夫や言うて、簡単に貸してくれそうですやんか」


「それはその株券を信用してるわけじゃないんですよ。社長の今までの取引と信頼に対して『貸す』と言ってるだけです。もしこの株券が偽物だったら取り返しのつかないことになります」


社長

「心配性でんな。銀行がええと言ってますやんか」


「いいですか?銀行さんには申し訳ないのですが本券の真偽はすぐにわかりません」


社長

「そうでっか」


「奥田が持ってきた案件ですから、信用できません。ここは念には念を入れましょう」


社長

「そうでっか。銀行さんには悪いけどもう一回来ますさかいお金の準備だけはしといておくれな」


銀行員

「わかりました。社長の言うことならもうなんでもお役にたつようにしますのでぜひ当社をご利用ください」


こうして俺は社長から小野薬品の株券6万株を預かって会社に戻り、本券部に本物かどうかとの真偽を確かめてくれと依頼した。


翌日

本券部の人間から電話があった。


「太田さんこれは完全に偽物ですよ。非常によくできていますが精査しなければわからないレベルです。ただ1000株の1と言う漢数字が『壱』ではなくさらに昔の時代の『壹』になっていましたので発覚しました」


「やっぱり奥田のやつ、完全に騙すつもりだったんだな。しかし何で、プロがそんな単純なミスをするんだ?」


部長

「違います。プロほど『自分の作品』がわかるようにワザと一ヶ所だけミスをするといいます」


「なるほど」


俺は急ぎ社長に電話をかけて小野薬品株かわ「ニセ株券」だったことを告げた。


「すぐに奥田に連絡をつけてクレームを言ってください」と付け加えた。


しばらくすると社長から電話があった


社長

「奥田に怒りました。ニセ株券なんか掴ませて、どういうつもりや!と怒ったらいきなり電話を切られました」


「で、その後は?」


社長

「それが向こうは電源を切っているようで、それ以降何回かけても電話に出まへんねん。ほんまに危ないとこでしたわ」


「でしょう?こいつはとても精巧に作られた株券でした。本券部長も『これは間違いなくプロの仕事だ』と言ってました」


社長

「今回はホンマありがとうございます」


「やっぱり言った通りでしょ?これからは気をつけてくださいよ」


際どいところで2億円を守り切った。

さて次はどう攻める?

まさかこれで終わりではないよな奥田よ!

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