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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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41億 標的 田主社長 4

仕手株でぶち上げる予定の、その頃のクラリオンの株価の動きを書いておく。


当初1000円位で買いを入れていき、順調に1400円位まで買い上がっていったのであるが、その後株価はどんどん下がっていって700円位になっていた。


先ほども書いたが株価が下がっていくこと自体は悪くはない。


むしろ「安いところで株が仕込めていいなぁ」とぐらい思っていたからだ。


しかし1400円のところから見れば半分ぐらいになっていたこともまた事実である。


○○画廊の人間が善意の人であると仮定したら、ピークの半分ぐらいに下がってる株価を悲観して言ってきたのであろう。


それはわかる。

騙されたという気持ちになるだろう。


なぜ俺が株価を覚えてるかと言うと、俺自身も5倍になるというこの仕手に便乗した格好で1000万円くらいクラリオン株を買っていたからである。




翌週もう一度弁護士と会うことになった。


彼らの主張は株価がピークの半分以下になっているので「とりあえず最初に払い込んだ2億円をすぐさま戻してくれ」と言う要求であった。


これを素直に飲めば今、株価は半分ぐらいなので約1億円の損をこちらが生じることになる。


「すぐに払ってもらったら提訴するのは差し控える」と言う話であった。


期日は1週間以内という。


さらに彼らは、もし1週間以内に振り込みを履行しないなら、大阪の高級料亭と言う名前のもとに信用した「振り込み詐欺」にあった慰謝料としてさらに1億円払えと言う要求をしてきた。


もしこれが飲めないのであれば新聞沙汰にすると言う穏やかでないセリフを加えた。


田主社長は名門料亭なのでこの手の「脅し」にからっきし弱い。


「ちょっと待ってください。私は毎朝○○画廊の女性から株式の売買の指示を受けて株を買っていた。つまりお宅の会社が相場を形成していた。これはどう説明するんですか?」


弁護士

「そんなバカな話は全く知らない。そもそもわれわれは絵を売ることが商売の画廊なので、株の知識は全くないし、そんな仕手株を指示をするようなブレインは揃っていない」


「するとあの女性は一体何者だったんだ?」


弁護士

「そもそも我が社には若い女性社員はいない」


この弁護士の言ってることは本当なのか?○○画廊は本当に被害者なのだろうか?


それとも詐欺師の一味なのか、まだ俺は区別がつかない。


「あなたの言葉どおりなら俺が毎日注文を受けていた、若い女性も奥田の一味なんですね」


弁護士

「そんなことは関知しない。とにかく我々は2億円を早急に返して欲しい。それだけだ」


田主社長

「しかし相場は下がってるから、我々もあなた方と同じ被害者なんですよ」


弁護士

「それも関知しません。とにかく1週間待ちますから誠意のある回答を願います」


そう言って帰って行った。

かなり強硬である。


「社長、どうします?私は奴らも含めて詐欺グループだと思いますが?」


田主社長

「奴らが、詐欺師の一味かどうかは後で考えましょうや。優先順位はうちの店が提訴されることを防ぐことが第一や」


「つまりすぐに2億円を支払うと?」


田主社長

「そうです。長い間かけて築いた店の信用を考えたら2億は安いもんですわ」


完全に奴らの思うツボである。

脇が甘い。


「こちらも弁護士を立ててもう一度戦いませんか?うちの証券会社に株式に詳しい顧問弁護士がいますから」


田主社長

「いやモタモタしていたら提訴されます。時間がおまへん」


「しかし今回のカラクリを知る必要があると思いますが?」


田主社長

「いや!わしは決めた。ややこしい話は早急に消すに限りますからな」


「わかりました。社長がそう言うのならば、お任せします」


結論から言うと田主社長は次の日に2億円を支払って全てが終わった。


手元には半額になったクラリオン株だけが残った。



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