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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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40億 標的 田主社長 3

その後2ヵ月間ほど、毎朝のように広島の○○画廊のお姉さんの電話を取り次いで俺は株の買い注文を出していった。


しかしクラリオン株の相場のほうは意に反してドンドン下降している。


この事実は「ほんとに仕手をやるのかな?」と言う不安とともに、一方では「まだ仕込みの段階だから落ち着いて安い売り物を拾っていっているんだな」と言う二通りの意味に取れた。


この辺りの判断は正直言って難しい。


そもそも仕手戦と言うのは、2年から3年をかけてゆっくりとその株の安いところを拾っていき、大量にため込んでから提灯買いを誘って、一気に5倍から10倍まで打ち上げるのが常だ。


「提灯買い」とは大手証券会社の大量の買いのことで、これに売りをぶつけて逃げてしまうと言うのが上手い仕手筋のやり方である。


彼らはプロであるので、あまり無茶なことをせず2年に一回の周期で大相場を作っては、自分たちの資金を何倍にも増やしてさっさとハワイがどこかでのバカンスを楽しむのである。


要はそんなにあくせくしない連中である。


俺は以上のことをよく知っていたので、この3ヵ月間何も動きがなくても、そんなに悲観する事はなかった。


何よりも、他人の口座にすんなり2億円を振り込んでくるような連中であるから安心していたと言う点もある。



しかしある日、事態は一変した。


3億円分のクラリオン株を全て使い切った後て、ただ単にあとは「値段が上がるのを待つ」と言う状態の時であった。


当然もう買い資金は無いので、広島からの毎朝の電話は途絶えていた頃の話である。


いきなり田主社長から電話が入った。


「太田さんえらいことが起こりました。助けてくれなはれ」


「社長どうしたんですか?一体」


「どうもこうもおまへん。広島の○○画廊が弁護士を寄越してきて、ワシを詐欺罪で訴えると言ってきたんですわ」


「え?詐欺罪って、何か社長したんですか?」


「いや太田はんも知ってるように、別に何もしてません」


「そうですよね。向こうから振り込んだ金で向こうからの指示で株を買っている。ただそれだけの事ですよね」


「そうなんやけど、弁護士が言うには私が『○○画廊から2億円の詐欺をした』と言う訴状が出すと言うことなんです」


「すでに訴えられてるんですか」


「まだ提訴はしてないらしいけど、何かそういうことでんねん」


このやりとりを聞いていても俺は当初、何が起こったのかさっぱりわからなかった


俺はすぐに仲介した奥田と連絡を取ったのであるが連絡が取れなかった。


翌日、弁護士がもう一度来ると言うことで俺はこの案件ね「担当証券マン」と言うことで話し合いに立ち会った。


すると弁護士が言うには

「そもそも『1か月ほどですぐ上がる株を一緒に買わないか?』と言うことで2億円を口座に振り込んだのに、全く株のほうは上昇しない。これはどういうことですか?」


「ちょっと待ってください。今の話だと我々があなた方を株の儲け話で騙したって言う話ですよね」

俺が話しに加わった。


「そうです。実際にあなたたちの口座に2億円という大金を振り込んでますから被害者は我々です。当たり前でしょう?」


「いや、それは奥田と言う人間があなたが言った全く逆のことを我々に提案してきたのです。つまり我々が1億円出すと、あなた方が2億円出してくるので合計3億円で相場を貼ろうと言う提案でした」


「ではその話を信用するとして、何かその時に書いた契約書はありますか?」と弁護士らしく言ってきた。


「いや契約書なんかありません。ただ単に奥田という人物が仲介して、お互いを信用してやった取引です」


「ですよね。契約書がないと言う事はそれを証明できませんよね」


今だったらスマホがあるので、かつてのやりとりをレコーディングすることが可能であるが、俺はこの時ほど録音しておけば良かったと思った事は無い。


「いずれにしても2億円と言う大金を実際振り込んだのは我々の方ですので、言った通りに株価が上がっていない以上は提訴に踏み切るつもりです」と弁護士は強引に言ってきた。


「うーん」

俺は腕を組んで、頭の中で今起こっている出来事を冷静に判断しようとしたがまだ実態がつかめないというのが正直なところであった。


○○画廊は被害者なのか?

詐欺師の一味なのか?

どっちだ?


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