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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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39億 標的 田主社長 2

俺は会社に帰り、田主社長のこの取り引き用に専用の口座を作った。


田主社長とはすでに、本線の別口座があったから入出金を区別するためである。


田主社長に新しい口座番号を知らせて明日の1億円の入金を再確認した後、俺はソファーに座って少し考えた。


もしこれが詐欺だとした場合、彼らにはどんなメリットがあるのであろうか?


普通詐欺をやる場合と言うのは、自分の口座に1億円を振り込ませてそのままドロンするパターンである。


しかし田主社長の口座に2億円を振り込むと言う事は、ある意味彼らの方がリスクを負うのではないか?


いろいろ考えたが、結論から言えば「社会的に信用ある人に対して同じような提案をして2の力を3にしてからクラリオン株をぶち上げる」と言うことであろうと思った。


何度考えても、そう考えるしかなかった。



翌日、早朝田主社長の新しい口座に1億円が振り込まれてきた。


その残高をコピーしてファックスで奥田のところに送りつけた。


電話で

「奥田さん、先ほど田主社長から1億円入金がありましたので確認よろしくお願いします」と伝えた。


「了解です、確認しましたから2億送金します」と返事。


正直「ホントかな?」と思っていた。


すると、午後には驚いたことにちゃんと2億円が入金されていたのである。


何の契約もなく、ただ単に口約束だけで他人の口座に2億円が入ってきたのである。


この辺がまさにバブルの話であり、今言っても誰も信じてもらえないと思うが事実である。


そして田主社長に電話した。

「社長、ちゃんと2億円が入りましたよ!驚きですよね」


「そうでんなー、ほんまにええ話でんな」

呑気な返事が返ってきた。


俺は奥田に電話をした。

「奥田さん、ちゃんと2億円入金を確認しました。ありがとうございます。明日からの売り買いの指示はよろしくお願いします」

と伝えた。


「了解しました。毎朝、広島の〇〇画廊から電話が入ると思いますので、その指示通り買いの指値を市場に入れてください」


「わかりました」


「しかし太田さん、1つだけ約束があります。今からこの株をブチ上げますが、決して信用取引では買わないようにしてください」


「はい、つまり現物買いのみですね」


「そうです。理由は勝手に信用で買われたら準備期間中に長い間かけて築いた『信用取引の取り組み』が崩れるからです」


俺はプロの証券マンだ。

彼のこの理由は納得するところがあった。


この「信用取引の取り組み」と言うのは、相場の形成上非常に重要であって、長期間かけて築いたこれを大切にするのはよくわかる。


この一言でも俺は「この取引はマジで今から本気で仕手戦に入る」と言うことを直感した。




次の朝、早速広島から電話がはいってきた。


「これからクラリオン株の売り買いの指示をする〇〇といいます。よろしくお願いします」以外に若いお姉さんであった。


おそらく彼女も誰かから指示を受けているのであろう。


「今から買い注文を伝えます。クラリオン買う1200円で5万株、1190円で6万株、1180円で8万株と言う形で、安い金額に行くほど多い株数が発注されていた。


この段階で注文の仕方そのものを見ても、ただ単に「成行」で全株を乱暴に買い上がると言うようなことをせずに、「丁寧に一つ一つの売り物を拾っていく」と言うやり方が見て取れたので、プロの証券マンの俺から見ても合格と判断した。


続く

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