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続編 バブル時代へGO!  作者: 相場昇
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34億 会社辞めるぜ 3

俺が証券会社を退職する際の風景を描いておく。


一生のメモリアルデーなのでこれはよく覚えている。


そもそも俺は、三代目の土井支店長とは最初からウマが合わなかった。


このころは大手客のみが儲かる「利益の付け替え」(トバシとも言う)が平然と行われていた。


午前9時

支店長室内にて


「支店長、こんなことばっかりやってたら、いつか全員の手が後ろに回りますよ」


「うるさい!余計なお世話だ!それより仕事をしろ。ノルマ終わったのか?」


「今やってることに、一体何の意味があるのですか?自分の信念を裏切ってまでする仕事と思いません」


「じゃぁ嫌なら会社をやめろよ!」


「わかりました。やめます!」


以上が3代目の支店長との最後のやりとりだった。


シンプルである。


連日続く、募集モノ(投資信託や債券)と当時に流行っていた「新発CB」のはめ込み作業の続く中で、たまりかねた俺は支店長室に朝1番に直訴に行った。


直訴は思ったよりすんなり通過して、その月の終わり付で退職届が受理された。


そもそも経済活動っていうのは、汗をかいて働いて所得をもらうものであるが、証券会社は本当に「手数料稼ぎ」と言うカスリ商売である。(それは冷や汗はたくさん書いたが・・・)


そのこと自体を否定するつもりもないし、それはそれで立派な仕事だと思うが需要のないところに人工的に需要を起こしてモノを売る行為の連続に俺はくだらないと判断した。


ましてや、それに非現実的なノルマをかけてできない人間には罵倒したり、人間性を否定するようなことがこの近代日本で行われていることに疑問を抱かざるを得なかったのだ。


人間と言うものはもちろん「食べる」と言う側面からお金は必要であるがそのために己のポリシーを曲げることに限界を常に感じていたと思う。


しかしそれまで我慢できていたのは、お金をもらうと言う面とは別に「勉強になる」と言う側面があったからだ。


しかしこの頃はもうすでに「勉強することがない」と判断し、それどころか手が後ろに回ると言う危機感すらあった。


何はともあれ、退職届が受理され最後の出社日が来た。


店内全員の羨望の眼差しを、一身に集めて机に着いた俺は

「今日は太田は最後の日だから、仕事は引き継ぎだけで他のことはしなくてもいいぞ」

入社以来初めて、人間らしい優しい言葉を課長の口から聞いた。


しかしそう言われても、10時、11時となるといつもの拷問が同僚を襲っているので知らん顔もできず、最後の最後の瞬間まで課の仕切りを全部1人でやってあげた。


これも置き土産だ。


最後の複雑な心境

1 はー、よかった。

2 ごめんね。(みんな後はがんばって)

3 アホアホアホ。(はよ気付けよ、知らんぞわしは)

4 いつまでもやっとれ(手が後ろに回るぞ!)


事実俺が会社を辞めた後、このトバシが発覚して国会で社長が証人喚問されたことは周知の事実だ。


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