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千年帝国略史

作者: 阿武実

どうも、つい書きたくなっちゃってなんか書き始めてしまいました。

壮大な、だけど腐敗した世界観を描きたかった。

 帝国を守る最後の砦にして、高貴なる御盾、近衛騎士団。

 その麾下(きか)にある、近衛歩兵隊や近衛弓兵隊。


 これらを総称して近衛隊と呼称し、近衛騎士団長が兼務する近衛長官によって指揮統率された。



 千年の昔、帝国建国の際、近衛隊は皇帝直属の最精鋭部隊として戦い、その名を大陸全土に知らしめた。近衛隊の奮戦のおかげで、帝国は成ったといっても過言ではない。


 しかし、数えられぬほどの年月を経て、腐敗しきった現在の近衛隊に、かつての面影はなかった。皇帝を、我が身を捨ててまで守り、帝国に忠誠をつくした騎士たちの姿はなく、意に添わぬ皇帝を弑奉(しいたてまつ)ることさえある有様だった。






 権力争いに明け暮れ、全く信用できない近衛隊に対抗するため、帝国建国から400年の後、皇帝は直属の警備部隊を創設した。禁中守衛(きんちゅうしゅえい)総督に率いられる、禁中守士(きんちゅうしゅし)である。

 形式上、皇帝直属ではあるが近衛隊よりも下位の序列に置かれる禁中守士であったが、皇帝の信任厚く、皇帝暗殺や近衛隊の反乱を幾度となく防いだ。


 しかし、やがて組織は腐敗する。近衛隊と同じように、自らの利のためにはどんな手段にでも手を染める禁中守士たち。皇帝、近衛隊、禁中守士が相争い、それぞれの内部でも闘争が起きている泥沼の権力闘争であった。




 闘争に明け暮れ、皇帝が何度も変わり、近衛長官の首も幾度となくすげ変わり、禁中守衛総督も代を重ねる中、帝国はどんどん弱体化し、他国に領土を奪われていった。




 建国後600年、時の皇帝は、帝国の領土を帝都周辺の内領と、帝国外縁部の外領に分け、内領と外領はそれぞれ政治について不可侵であると定めた。

 事実上、帝国を二つの国に分け、その両方の国をそれぞれ皇帝が治めることにしたのである。


 これによって、広大な所領を持つ貴族が、中央でも力を持って皇帝に楯突くことは無くなった。

 これ以後、帝国貴族は、外領に広大な所領と独自の兵力を持つ領地貴族と、所領を持たず中央の役職について権勢をふるう宮廷貴族の二つに分かれていく。






 帝国歴700年、帝国の軍事部門が防衛部門と征服部門に分かれた。内領軍事院(ないりょうぐんじいん)と、帝国外征府(ていこくがいせいふ)である。


 皇帝は、内領軍事院に対抗して、帝都を自らの手のうちに置くために帝都守護職(ていとしゅごしき)を創設。帝都守護職に帝都の警察権を与え、帝都を押さえた。

 内領軍事院はこれに対し、中央護守府(ちゅうおうごしゅふ)を設置し、その指揮下の将兵を帝都の城壁内部に駐屯させた。


 皇帝と、内領軍事院の睨み合いが50年ほど続いたが、ついに双方の譲歩によって条件が定まった。

 帝都を守る二重の城壁のうち、外側の大城壁と内側の古城壁の間の市街地を中央護守府が、古城壁の内側を帝都守護職が警備することになった。


 皇帝は宮中をも押さえるべく、帝都守護職の麾下に、宮殿警務隊を置き、近衛隊・禁中守士に対抗する直属の手駒とした。






 だが、歴史は繰り返す。



 建国より1000年の時を経た今、帝都守護職は有力貴族の互選によって定められ、宮殿警務隊は皇帝を監禁することさえある。


 近衛隊、禁中守士、領地貴族、宮廷貴族、内領軍事院、帝国外征府、帝都守護職、中央護守府、宮殿警務隊。そして、外国。

 金、土地、名誉、権力。そして、女。

 目的は違えど、皆、何かを求めて他者を陥れる。



 様々な組織の思惑が入り乱れ、腐敗しきった、この帝国を立て直すべく、男は立ち上がる。


 エクセリア・ヴァン・エンビュレス7世。千年帝国第91代皇帝である。


 エクセリア帝の行く先には、様々な困難が立ちはだかることであろう。だが、歴代のエクセリアの名を有する皇帝たちは、改革を行い、帝国を立て直してきた。帝祖エクセリアの遥かに遠き子孫、7人目のエクセリアも、きっとこの千年帝国を立て直す。


 私は、その日を待ち続ける。





 エクセリア・ヴァン・エンビュレス1世

 我が子たち皇位を明け渡し、海中に籠りし初代皇帝、ここに記す。

こんなくだらないのを読んでくださった方が(もしいたら)ありがとう。

続きません。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  歴史がしっかりと練ってあるところですねー  続きがあったら読むかは別として、どことなくワクワクさせてくれる所が見事ですー  面白そうでした。 [気になる点]  やはり、漢字が多いことによ…
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