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零ー15 旅立ち、そして逃走

 

「――――ふっ、ふっ、っ!? はぁっ!」

「おっとと」

「あっ……」

「危ないですよー。突然斬り込んで来るなんてー」

「ごめん、スレク様かと思った」

「まあそうなりますよね……」



 危ない危ない、危うくセティさんを斬るところだった。

 いや、力関係的にどうやっても斬れないだろうけど……。



「――何かあった?」

「そろそろ小屋の効力が無くなりますのでそのお知らせとお見送りに」

「ああ、そういえば今日で丁度15年か」


 長かったような短かったような。

 けど、色んな()が来てくれたおかげでそんな苦にはならなかったな。


「荷物は……小屋仕舞うだけか」

「あはは……ここにいる限り何処にも行けませんからね」

「それでも色々とこの中(ポーチ)に入ってるからな」

「それもそうですね」


 そう言って俺とセティさんは揃って苦い笑みを浮かべる。


 年々増えていく誕生日プレゼント。最初はセティさん(秘書神)メル様(豊穣神)スレク様(武闘神)の3人に祝われていたが、その後どんどん増えていって、天界からルタ様(軍神)とかロクス様(鍛冶神)とか兄妹のクナビコ様(魔具神)ナナビコ様(道具神)、それと下界からも鬼人(オーガ)種を管理しているオウキ様とか魔虫(虫の魔物)種のイトセ様等などで最終的には20()超でやる事になっていた。


 ちなみに俺の誕生日は俺の転生した日らしい。


 そしてちょくちょく遊びに来る人の中で揃ったら地獄だったのがスレク様、ルタ様、オウキ様、そしてクナビコ様だ。

 クナビコ様を除く3人が揃った時に俺はただのボール(殴り飛ぶ)になるがそこまで痛くはなかった、が、クナビコ様が来るとそこに痛さが加わる。


 あれは俺がいつも通りボールになっていた時だった。



『痛覚耐性無効の魔具を設置しましたよー!』

『はっ? え、ちょっ、待っ―― 』

『逝くぞォォ! オラァ!!』

『うぐっ』

『オウキ、ほら、よっ』

『あがっ』

『……トレ……ン…………』

『っぐ、があぁァァァ』

『くっははははっ! これは傑作だなァ! オイ!』

『ふっ、ふふふ……流石に我も爪に刺さるとは思わなかったぞ』

『あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛――――』



 俺もオウキ様に刺突をされるなんて思わなかったよ……。多分その日はもう何をされても反応しなくなってた気がする。



「どうしました? 顔色が悪いですよ?」

「い、いや。なんでもない」

「そうですか」



 忘れよう、うん。



「小屋を仕舞って――」





「――えっと、色々とありがとうセティさん。特に携帯の改名とか……」

「あははは……流石にあれ(お助ケータイ)はなかったので……。それにこんな私でもお役に立てたなら良かったです」

「……いや、流石にセティさんがいなかったら俺、詰んでたと思う…………」

「そうですかね?」

「ああ……」



 セティさん以外の人がみんな独特すぎるせいでな!

 刺したり斬ったり擬似的に殺したり……





「――これをどうぞ」

「……刀?」

「”風刀・霊斬”です。15年前に狩った雷龍の骨を素材の1つとして造ってもらいました」


 雷龍? …………ああ、あの大蛇か。


「刀自体はルイさんが風を使う時に今までより少しだけ滑らかに使えるようになると思います。そしてツクミ(付与神)には()()()には斬れない生物も斬れるという効果を付与してもらいました」

「……物理的には斬れない?」

「頭の片隅に入れといて頂けたら」

「分かった」


 なんか胸の奥がザワザワするししっかり覚えておこう。


 それにセティさんがそんな無駄な事は言うことがないだろうし。


「それではこれで暫しのお別れです。あちらの方向に全力で走れば、明日の朝にはアーイスト王国に着きますよ」

「長っ……いや、まあそんなものか。――よし! 本当に今までありがとうセティさん。じゃあまたいつか」

『またね』

「はい、また会いましょう。ルイさん、ユキちゃん」



「――――《鑑定》」





 △▽△▽△▽



「《鑑定》」





 ルイ(17〈+15〉)

 職業:執事(仮)

 総魔力-6987/7000


 スキル

 剣術Ⅲ・刀術Ⅴ・風魔法Ⅵ+Ⅰ・回復魔法Ⅶ・魔力操作Ⅵ・魔力増強Ⅳ・苦痛耐性Ⅷ・恐怖耐性Ⅹ・調理Ⅲ・消費魔力効率化〔小〕・生活魔法

 ユニーク

  精神力強化・精神適応・潜在能力解放・潜在能力拡張・(試練の枷)


 称号

 悲しみを持ちし者・残念イケメン・神獣の契約者・神の試練を受けし者・風の狂鬼・魔力の智・神の玩具・





「伸びが……悪い?」



 どうしてでしょうか。

 ルイさんには才能がかなりある筈なのですが予想より伸びがだいぶ低いですね……。



「称号にも変化がありましたしたけど、これではまた死んでしまいそうですね」



 ”悲しみを背負いし者”が無くなったわけではないですけど変化したのは良かったです。これで生存率も少しは上がるといいのですが……。



「私が悩んでいても仕方がありませんね。私が出来るのは少しでもルイさんが生き残れるように祈るくらいですね」



 この先に有りしニーシャ様からの試練(悪戯)

 どうか生を諦めないでください。



「今生に幸あらんことを。また会いましょうねー、ルイさん」







 ▽△▽△▽△



「――ちょっと待てぇぇぇぇっ!」


『ワオーーーーン!!』


「ああぁぁぁぁ……」



 何なんだよこの狼! 漸く1匹まで減らしたら鳴くしそれでまた1匹まで減らしてもまた鳴いて。



『ガウガウッ!』×12



 減らしても増えていく狼。


 これが小屋を出てから続いて今や次の日の朝だ。

 もう疲れた、というよりそろそろ限界……。


「ふっ! 《風刃・広》っ! はぁぁっ!」


 このままじゃジリ貧で死ぬ。

 15年頑張って1日で死ぬって? そんなの勘弁しろって!



「ごめんっ《帰還(リターン)》。《風誕》っ!」



 前準備としてユキを()()()に移してから風を生み出す。


「近付けさせるなよ! ふっ、上に飛ばせ!」



 俺の周りに風の壁を創り、飛躍し、風を使い更に上へ飛ぶ。


「っ、あっちだ! 全魔力で限界まで俺を吹き飛ばせ!」


 実際問題全体が森で方向なんて完全に勘だけど何もせずに死ぬよりマシだ!


 そして俺の詞に従い風は吹き荒れる。



「あっ……やば、意識が…………」





 ~~~~~~~~~~



 △▽△▽△▽



「リレン! あそこ何かいねぇか!」

「大声で言わなくても分かっています。あれは……執事ですかね?」

「こんな辺境の魔物だらけの森に執事ってか? そんな馬鹿みたいな……ほんとだな。取り敢えず鑑定で人か魔物か確かめてくれ」

「そのつもりです、《鑑定》」





 ルイ(17?)

 職業:執事(仮)

 総魔力-8/7000


 スキル

 剣術Ⅲ・刀術Ⅴ・風魔法?・回復魔法?・魔力操作?・魔力増強Ⅳ・苦痛耐性?・恐怖耐性?・調理Ⅲ・???・生活魔法

 ユニーク

  ???・???・???・???・(???)





「っ…………」

「リレン、どうしたそんなあほ面晒して」

「黙りなさい、それと執事ではなさそうですよ。執事(仮)となっていますが」

「それは執事なんじゃねえのか?」

「……それは重要ではありません。ただスキルが異常です」

「どういう事だよ」

「私の鑑定のランクは分かりますね?」

「当たり前だろ、Ⅴだ」

「ええ、ですから私はランクⅤ以下のスキルランクは分かります」

「……ああ゛もどかしい! 要するにどういうことだよ!」

「それはですね……」









「――ためるな」

「ランクⅥ以上のスキルが5個あるのですよ」

「いや、それはかなり珍しい事ではあるが別にお前があほ面晒す程じゃねえだろ」

「その中に苦痛耐性と恐怖耐性があったとしても、ですか?」

「なっ!?」

「それに私でも見えないスキルが1つと刀術がⅤに風、回復魔法がⅤを超えています」

「それは……」

「ひとまず顔を見てみましょう。もしかしたら見た事がある顔かもしれませんし」

「あ、ああそうだな」





「――うーん、これだけの男なら話に聴かない事はなかったはずなんだがな……」

「少なくともアーイスト王国の執事では無いみたいですが……。悩んでいても仕方がありませんし町に連れていきましょう。話を聞いてみたいですし」

「だな。っしょっと、じゃあ行くか!」

「ええ」




『ワゥ?(あれ、ハーピーだったか?)』

『ワフゥ?(鬼種と鳥種の混種じゃないか?)』



......



『『『ワフ???』』』

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