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最弱転移者のスローライフ  作者: 真ん中
6/76

6 おんりょう があらわれた !

それからは浄化の嵐でございました

浄化をかけると暴れていた怨霊さん達も鎮まってくれる

浄化をかけるたびに恐ろしいくらいLevelアップの効果音が流れる


「休むな

かけ続けろ」


鬼軍曹のヤマト隊長の指示のもと、浄化をかけまくりました

元怨霊さん達もネットワークを使い暴れている怨霊の場所を教えてくれる

走っていって浄化をかけ、走っていって浄化をかけ

気がつくと夕方になっておりました


「ご迷惑をおかけーしましたー」

「「「「「「しましたー」」」」」」


最初に元に戻った怨霊、通称「鎌さん」が広間でお茶を入れてくれる

他の怨霊さん達も皆メイド服に変わっている


「で、なんでこうなったんだ?」


ヤマトくんが偉そうにそう言うと


「つーん」


鎌さんは無視である

他の怨霊さん達もクスクス笑っている


「おい」


おお、ヤマト隊長がお怒りである


「あなたは御主人様じゃないから言うこと聞きませーん

御主人様、お茶のおかわりはいかがですかー?」


そう言って私の方へティーポットを持ってきてくれる

……え?御主人様って私!?


「あ、あの、屋敷は安全な場所って聞いてたんですけど

どうして襲ってきたんですか?」


ドキドキである

またさっきみたいに襲われたらどうしよう……


「えーっと、私たちこの村に住んでたうら若き乙女なんです

えへへ、もう死んじゃったんですけど……」


「何が、うら若き乙女だよ

怨霊のくせに」


ヤマトくんのつぶやきにお茶がひっくり返る


鎌さん、青筋立ってます


「えっと、ヤマトくんも鎌さんも落ち着いて

ま、まずは話し合いましょう」


「はーい、御主人様がそうおっしゃるなら

それで、なぜ死んだかって言うとこの村に住んでいた領主っていうのが

とてつもなーく嫌な奴で豚王って呼ばれてたんですけど

その名の通り、暴飲暴食

税も取り立てまくって、自分だけ豪勢な生活送ってー

で、税が取れなくなると私たちみたいなうら若き乙女を攫ってきては

いやらしい事して飽きたらポイッて殺されたんです

あれ?思い出したらなんだか黒いものが

ナンデ ワタシガ オマエラ ゴトキニ!!」


「じょ、浄化!」


鎌さんの目が怪しく光出したので浄化をかける

恐ろしい……


「あれー?ごめんなさい

御主人様が酷い事したんじゃないってわかってるんですけどー

うーん、難しいですね

えっとー、どこまで話しましたっけ?

あそうそう、殺されたってところまでですね

で、殺されたんですけど、そんなん納得できないじゃないですか?

だから、この屋敷の中を彷徨っていたんです!

そしたらね、同じように殺された乙女達が集まってきて……

でも、ある日勇者っていうのが現れて豚王をやっつけてくれたんですよ!

私たちも解放されるって喜んでたんですけど……

その勇者、光魔法持ってなかったんです!

もう!信じられなくないですか?

あれだけ酷い事しまくった豚王が成仏したのに

被害者の私たちが成仏できないなんて!

もう!ありえない!って恨んで見たらパワーアップして今に至るわけです!

この屋敷内ならできないことないですよ!」


「そ、そうなんですか……」


「恋人とか家族がいたものも多いのに信じられないですよねー」


「そういえば、屋敷の外でゾンビに襲われましたが

お知り合いではないですか?」


「え?屋敷の外にゾンビなんているんですか!?

いやー、気持ち悪ーい」


鎌さんの知り合いではないらしい


「もしかしたらボブ!?」


「ベンかもしれないわ!?」


「いえ、うちのバルツよ」


並んだメイドさん達が口々に騒ぎ始める


「えっと、屋敷から出て確かめられたらどうですか?」


「私たちはこの屋敷に取り憑いてる怨霊なので

家から離れられなかたんですけどけどー

うーん、御主人様に憑いたら大丈夫かな?」


え……憑く?


「うん、1回5人ずつでお願いしますね」


……決定事項ですか?


「しっかり働いてこいよ」


「キュウ!」


ヤマトくんとスラちゃんに見送られ

屋敷の外へ出るとゾンビ軍団が……

ぐ、グロい……


「あ!マーカス!あなたなの!」


「オリビア!オリビアなのかい!?」


「ああ!もう1度あなたに会うことができるなんて!」


熱く抱き合うゾンビと怨霊オリビアさん


「そこにいるのはマーガレットじゃねぇか!」


「パパ!」


あちらこちらでゾンビと怨霊が抱き合う姿が見られる


「うちのベルを見なかったかい?」


「ベルならまだ中にいるわ

この人が私達を解き放ってくれてるの!」


なんでもこのゾンビ達は豚王に娘や嫁、許嫁を殺された

男達の成れの果てなのだそうだ

無念や恨みつらみが残ってこの土地から離れられずにいたらしい


「この人、光魔法が使えるのよ!」


「それなら、俺らも浄化して成仏させてもらえるのか!

娘にも会えて成仏させてもらえるなんて!」


とりあえず、再会して成仏を望んでいるゾンビと怨霊さんに強めの浄化をかけていく

浄化をかけ終わると、屋敷に戻って怨霊メイドさんを連れて再会してもらって

浄化をかけていく

3分の1程浄化した後、目の前が真っ白になった


「あー、御主人様倒れちゃったー

……自分が倒れるまで浄化し続けるなんてお人好しーっていうかー

騙されやすいっていうかーこんなんで大丈夫なのー?」


「知るか

おい、鎌メイド、ベット用意しとけ

こいつ寝かせるぞ」


「鎌メイドっていうなー!」

読んでくださってありがとうございました

本日2017/11/23 2話目の更新です

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