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<プロローグ>

始まりの詩です。



――愛しき人。愛しき人。

  この詩が届いたならば、傍に来て。

  夜だけで良い。どんな姿でも良い。

  ただ傍に来て。ただ傍に居て。

  愛しき人――




 闇夜の森の中。月光に淡く光る清水湖を渡り、その中央に建つ産土社へ、ふわりと風が吹いた。

 社の中からは、遠い時の彼方から歌い継がれる愛しい人への詩が聴こえ、普段は静かな木々達が、懐かしそうに揺れる。

 脆く崩れそうな時も。孤独に寂しくなる時も。そっと傍に居て。そう願う詩。



 ――もうすぐ、夜が明ける。




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