大好きな君
「ねえ、私は寂しいよ」
貴方に届かない言葉をかけ続ける。
「あなたは今、どこにいるの」
目の前にいる彼に問う。
端から見れば、不思議な光景。
遠くから聞こえる。
僕を呼ぶ声。
『貴方は今どこにいるの・・・』
僕はココだよ。
真っ暗の中、君を探す。
「会いたいよ」
ベッドに横たわる彼。
「私の声、届いてる?」
届いてるよ。
「ねえ、私。貴方がいないと無理みたい」
僕もだよ。
暗闇の中を歩きながら、君の声だけにこたえる。
「大好きだよ」
僕も。
「・・・でも、もう、無理みたい」
え・・・
鼻声で君は言う。
「大好きな貴方がいない世界では、生きていけない」
ちょっと待って
僕は君の声、届いてるよ。
君のそばにいるよ。
「ごめんね・・・」
待って
待って・・・
待って・・・!
「まっ・・・て・・・!!」
声が出た。
「え・・・」
横を見れば、大粒の涙を目にためている君。
「だ・・いす・・・き」
そう言い、君の手を取る。
「うっ・・うう・・あーーー!!
生きてる・・・・もう、会えないかと思った!!」
泣き崩れる君。
「だい・・・じょぶ」
今、伝えたい言葉を君に伝える。
「ありがとう」
驚いた表情で、君が
「ありがとう」
「愛し・・している・・・」
「私も愛している」
これからは、君が守ってくれたように
僕が君を守るよ。