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徒然

フェイルオーバー

作者: 冷や麦

千葉の奥地にこの施設はある。

ここは新日本国の中枢である超巨大データセンターだ。

僕はここで働くエンジニアである。

ここで管理している情報は多岐にわたる。

国民のパーソナルデータはもちろんのこと、それらと紐づく口座情報、購買情報、位置情報など膨大なデータが存在する。

この施設がわずか数秒停止するだけで、どれほどの人間が死ぬことを余儀なくされるか、想像しただけで恐ろしくなる。

よって当然のことながら、これら機密情報を管理している大量のサーバ群は高可用性を誇る。

それぞれが冗長化されており、データが消滅する恐れは限りなくゼロに近い。

尚、それだけではない。

非常にアナログではあるが、これらのデータは数分おきに物理的なメディアにバックアップが取られており、これらメディアはそのまま高セキュリティな輸送車両へと積み込まれ、隔地保管されている。

この施設に働いている者でさえも、このメディアが何処に輸送されているのか具体的な場所を知る者はいない。

噂では西日本及び東北に、ここと寸分違わぬ構成の施設がコールドスタンバイ状態で存在し、施設に何か起こった場合は、施設ごとフェイルオーバーするらしい。


 ―― 警報 ミサイル発射情報 ミサイル発射情報

 ―― 当施設に着弾する可能性があります

 ―― 施設内の人間は そのまま持ち場を "離れず" 待機してください

 ―― 繰返します

 ―― 警報 ミサイル発射情報 ミサイル発射情報

 ―― 当施設に着弾する可能性があります

 ―― 施設内の人間は そのまま持ち場を "離れず" 待機してください



…ヴー…ン

システム…ブート…

千葉センター消滅を確認…

処理を引き継ぎます…



福岡の奥地にこの施設はある。

ここは新日本国の中枢である超巨大データセンターだ。

僕はここで働くエンジニアである。


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