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象徴詩『四階』

テイア儀を取りに

資料室の行き止まり

波打つリノリウムは

転倒するように告げ


緩やかな遅延空間の

平易な計算式

歪曲された

きらきら星


贖いを受けていない影が

前のめりに脱け出る


踊り場の窓枠から

赤い散瞳が見張っている


階段の段差が

足裏を押し上げてくる


非常階段の先に

ベジエの町

螺旋の中心地

足が竦んで沈む


支えている惰性態の腕を

信用することが出来ず

集団より落下し

花壇の黒土に目玉が植わる


四階は死んだ


背中を天井に着けて浮いている

盗んでいないから

何も無い


白い陽が輝き

世界を少しずつ減らしてゆく


失う代わりに顕れる

病態様身体が積み上げられる塔

不可侵の森の表面を逃げていく


両腕を突き刺しながら登る

堕ちないように

次は

堕ちないように


塗り潰した心臓石が芽を吹き

からからと輪転の軸を真っ直ぐに伸ばし


頭痛の巣を掛ける蒼穹の

雛が次次と孵る


指を差されて

切り裂く

悲鳴を上げる


絶叫の制圧下で棒立ちになると

魚眼レンズの

拡張が爆発の速さで

展開してゆく


戸棚を開けると

四階と震えが

其処に

物としてあった









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