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異世界無双譚  作者: hide
3/5

第3話 異世界での一日

とりあえず、まずはサシャの店の手伝いをする事になった

サシャの店は、昼は食堂、夜はプラス宿屋をしているそうだ

そして、今は昼の食堂を開いている

俺がフロアで、サシャがキッチンとカウンターだ

まぁ、俺の仕事探しはその後って事だ

それに、サシャには世話になったからな


「ユキマサさん~サボって無いで、ちゃんと働いてくださいね~」


おっと、注意されないように気をつけないとな


「それと、3番テーブルに料理運んでから、1番テーブルの片付けをよろしくお願いします!!」

「了解!!」

「サボったら罰金バッキンガムですからね!!」


いや、罰金バッキンガムってなんだよ!?

この世界には、バッキンガム宮殿は無いだろ!?

俺はそんな事を思いつつも、仕事もとい手伝いをしていた

そして、昼の1番繁盛している時――――――











―――――――――あの2人はやってきた



1人は筋肉質で大柄

火を付ければ髪を肩まで伸ばした醜男

片手剣を腰につけていた



もう1人は、チビだがやはり筋肉質

頭は磨けば光りそうな見事なハゲ男

こちらは背中に大剣を背負っていた



異世界だからヤクザでは無く、違う奴らなのだろうが……どちらにせよ物騒な奴らだ

その2人は千鳥足で店内に入ってくると、カウンター席にどっかり腰を下ろし大声で喚き始める


「おい姉ちゃん!!エールを俺様とこいつの分頼むわ!!」

「あぁん!?おい、このバルバリ様の事をこいつ呼ばわりしなかったか!?」

「そんなの知るかよ!!おい、姉ちゃん!!酒はまだか酒は!!」

「た、只今お持ちしますので、しょ、少々お待ちください!!」


2人の催促に慌てて返事を返すサシャ


……うるさい……酒臭い野郎どもだな……

営業妨害ってのを知らないのかよ!!


料理を運びながら内心怒っていると、客のナイショの話が聞こえてきた


「またあいつ等かよ……」

「え?またって?」

「おい、知らないのかよ?ハゲのグレンと醜男バルバリの2人組みだよ。最初はバルバリ1人だったんだけど、数日前からグレンを自分の酒盛りにつき合わせたら……あのざまだよ」

「じゃあ、誰かあいつ等になんか言わないのか?」

「できたらしてるさ。いくら言っても聞きやしねぇ!!しまいには殴ってくるしよ……強いんだよ……冒険者だし……」

「……お前……勇気あるな……」


ふ~ん、そういう事か……むかつくぜ!!

そんな風にますます苛立ちながら料理をテーブルに置いていると、酔っ払い達がまた何か騒ぎ出す


「マズイ!!このバルバリ様になんてのを飲ませるんだ!!」

「も、申し訳ございません!!」

「申し訳程度で済むか、バカ!!グレン様にこんなのを飲ませた事を後悔させてやる!!」


そういってハゲの方は大剣に、醜男は片手剣に手をかける



その瞬間、俺はキレた

俺はハゲ達へ近づくと、右手で醜男の髪を、左手でハゲの……髪は無いから襟首を掴み―――――


「後悔するのはお前らの方だ!!」


―――――店の外へ投げ飛ばした


「ぶっ!?」

「な、何しやがる!!」



「……さっきからうっせんだよ、この酔っ払いどもが!!」



「酔っ払い?!」

「誰が酔っ払いだこの若造が!!このバルバリ様が酔っ払いのはずが無いだろ!!」


俺はスゥーと息を吸い、一気に捲くし立てる


「いいや、お前等はれっきとした酔っ払いだ!!そんな事よりお前等、どうして追い出されたか分るか?営業妨害だよ営業妨害。つまり、あんた等は邪魔なんだ。消えろ!!」


俺が言い終わると、ハゲの方はうなだれ醜男の方は肩を落として震えだした


あ~スッキリした

ここまで言えば大人しくするだろ


俺がそう思ってると、醜男の方がいきなり俺に向かって殴りかかってきた


「うるせえ!!誰が邪魔者だ!!死ね!!」


俺の顔面をめがけて飛んできた拳を、俺は片手で受け止めた


「お、冒険者だけあってなかなか力るじゃねぇか」

「この!!くそっ!!う、動かねぇ?!」


俺は、何とかして動かそうともがいてる醜男の眉間をつつき気絶させる


「よし、これに懲りたらもう泥酔してくるんじゃねぇぞ。分ったか?」

「……了解した」


ハゲは、地面に伸びている醜男の両足を掴み引きずって立ち去ろうとして、立ち止まり俺に話しかける


「一言良いか?俺らは雑魚かもしれないが冒険者だ。一般人よりは強いし、お前みたいな若造には負けはしない。お前は何者なんだ?」

「……ただの手伝いだ。それ以上も以下でもない」

「そうか……迷惑かけたな」


ハゲはさっきまでの様子が嘘みたいに、大人しく立ち去っていった


「ユキマサさん!!」


店の中からサシャが出てきて、俺の目に前に駆け足で来た


「ありがとうございました!!おかげで助かりました!!」

「おう」


まぁ、俺が勝手にキレただけだから、礼なんていらないんだけどな


「けれど……あの人達、お金払ってないんですよ……」

「……それで?」

「はい。ユキマサさんが追い出したんですから、代わりに払ってくださいね」

「えっと……さっきのでチャラには―――」

「なりませんよ」


とニッコリ笑うサシャ

あぁ、早く仕事を見つけないとな……

俺はこの時しみじみと思ったのだった

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