エントリーNo7、裸のモザイクを持つ男
なぜこっちを更新した俺
「三年くらい久しぶりだけど、次の神どーぞー」
「君も平気でメタい事言うね」
今更だしね。二次創作うんぬんとか厳しいご時世にヌケヌケとパロディとかぶち込んでますし。もう何も怖くない。
そして呼ばれて飛び出て現れたのは、この真っ白な空間によく似合う神ナンバーワンの呼び名も高い……顔部分にだけモザイクの掛かった裸の男。顔を隠して身体隠さず。
「予言とかいる?」
「アウトだアウト! 自己パロディとかテレビのネタ位はセーフだけどな、そういうネタはいけない。タイムリープしただけで『シュタゲですか』とか言い出す人いるらしいし、残念ヒロインが出てきたら『あのすばみたいですね』とかいう人まで居るんだから、パロディっていくら言い張ってもパクりだとか言われちゃうだろ!」
「それもなろうネタだよね」
口から唾飛ばしてモザイクを批判するが、スーさんによりブーメランであることが露見ロー、しぇけなべいべ。
「ただの一発ゲイですよ。モザイク被ったら一度はやるでしょ?」
「やらないよ」
「こいつ、鼻とかデカくて卑猥だから顔にモザイクかけろって命令してんだよ。女神達にイケメンとか言われてて腹立ったからじゃないからね」
「ちょっと、創造神様、そこ詳しく!」
わーわーキャーキャー騒がしい事このうえない。更新も久しぶりだったから仕方ない。
「ところでお前の提案する世界はどんなやつなの? 次にパクり呼ばわりされそうな事言ったら最後まで聞かずに却下するから慎重にね」
「君、前から思ってたけど態度でかいなぁ」
「てかいのは、態度だけじゃないんですよ?」
にやにや。モザイクさんもモザイクの向こうでニヤニヤ。肘打ちとかしてくる。
「俺の態度みてくれ…どう思う?」
「凄く……大きいです……」
リアルで言っちゃうと引かれるネタ、五本の指に入るセリフである。
「卑猥だわー、神さん卑猥で規約違反になるわー」
「おい、言っとくけどおれの顔は卑猥じゃないからな。モザイクみて連想してるお前の頭が卑猥なんだからな!」
「あと、ついでにいうけど、神に向かって横柄な口訊く転生者って多いけど、唯一な絶対神とかじゃないんだし、畏れ敬わなくて良いけどさ、距離感は間違えるなよ。顔いじったり」
「ういっす。ファンタ買ってきましょうか!」
「俺の顔にこんなモザイク掛けさせてるの、上司なんですけどね。絶対権力者の」
自分で絶対神とか名乗ってた気もするが、スーパー究極創造神からのありがたいお言葉である。即、正座して襟を正す。
だってこのお方は、俺の秘密フォルダの中身を握っている御方なのだ、へりくだるさ。まぁ、こっちは死んでるんだし向こうの提案を蹴り続けてる側だし、何かお願い事を聞いて貰おうってわけでもないので、持ち上げるつもりはない。せめて転生諦めてくれるまで、古い友人みたいに駄弁る関係が続けられたら楽しいかな、ってくらい。
神のミスで転生のパターンだと被害者だから多少強くでてもいいし、気に入られてるパターンも気に入ってんたから友人みたいに接してオッケー。でも、友人怒らせるようなマネは越えちゃいけないライン。ちぃ覚えた。
「なに、心読まれてるサトラレ状態と知ってそのデレ方、俺に惚れちゃった? ノンケでも喰っちゃう神なんだぜ?」
「マヂに勃○させながら言うのやめて下さい」
ギリシャ彫刻みたいな身体してんだからダビデみたいに被ってろよ…
「なぁなぁ、こういうチョイとエロいダラダラした会話、好きだろ?」
「ビールがあればなお良かったね」
シラフ、辛いです。
心からの嘆きを神は聞きたもうた。モザイクさんはビールサーバーを出すと白い机に設置してニヤリと笑った。
「俺の提案する世界はフリーダムだよ? 18歳未満とかいないし、酒もエロもオッケー。このモザイクで察して貰えると思うけど肌色成分多いよ?」
これまでの誰よりもグッときた。欲望に忠実なの悪くないね。
「とりあえず乾杯しようか」
モザイクさんが綺麗な泡を作って三杯のビールジョッキに波々
注いでくれる。ヒール最高!
「トリアエズナマだな」
「カタカナで言うのやめましょうよ」
「はいはい、おつかれー!」
キンッキンに冷えてやがる…っ!
「疑似ベルチェ効果で冷やしておきました」
いい加減にしろってば。
ツッコミを声に出すのも惜しい。一気飲みだ。だいたい仕事帰りに牽かれて死んでるんだから、これから飲みに行きたい気分だったんだよね。ツマミも無いけど立て続けに二杯目を注いで半分位飲み干す。冷えたビールで胃の形がわかるぜぃ。
「飲んで程よく思考回路は泥酔寸前になったところで、アピールターイム!」
「え」
「世界はさっきも言ったとおり、フリーダムなな世界だ。この世界の半分を好きにしていい」
「竜王か」
「お約束のチート能力は『鉄の肝臓』とか『鋼の肉体』とかそういうのをあげるつもり。防御力上げて安全に過ごしてねっていうコンセプト。体表に塗るワセリン的な謎のコーティングで戦車砲弾食らっても死なない」
「安全いいねぇ」
しまった。却下する材料が見つからない。
「でもさ、チート能力も世界観もモザやんが決めちゃってるけど、なんかランダムな要素無いといけないんじゃなかった?そんなルール前に聞いたよ」
「モザやんて……距離詰めるの早いな、まぁいいけど」
そう言うとモザイクさんは机の上に地図を広げた。
「洞窟や地形の起伏などは完全にランダムで設計図とか宝の地図もランダム配置。ついでに街の位置とか売ってる物もキャラクターが降り立った時に生成します」
そういうゲームあったな、マジで。でも自分がそこで生きるのは御免こうむる。
「だいたいどんな世界なのか読めてきたけど、マップがランダムってことは」
「はい。木でも岩でも壊して好きにビルドしてください」
「もしかしてモザやんが裸なのは」
「ボディビルダーたからですね」
輝く上腕二頭筋をダブルバイセップスで見せつけてくる。全裸でやらないで欲しい。揺れてる。俺の心じゃなくてモザイク氏の裸の銃が。
そのままサイドチェストに移行し、履いてますよとか言い出したので却下して追い出す。暇なときにまた飲もう。
「ビルドする世界、なかなか気に入ってたんじゃないの?」
「登場人物とか背景全部マッチョで頭に砲口開いてたりするんでしょ?」
「よくわかったね」
それにさすがにビルダーズとボディビル絡めるネタはパクりです。そんな、世界に転生したくないとか以前に規約とかマナー面で却下である。
※無職○生の作者様が、ドラク○ビルダーとボディビルのネタ書いてて、うまい!うますぎる!(十万石饅頭)と思ったのでパクってみた。
というのは冗談ですが、パクリと、たまたま被っただけと、パロディの違いを気にしてみたらこんなんなった。