学校探索隊編 3
わたくし危うく、目がギラギラと血走った男子たちにスカートめくられちゃうところでした。(笑)
まぁ、嫌がる女子に手を出すような男子とは交流していませんし、そこらへんは一応信用していますのですよ。
ただまぁ、彼らも男ですからね。
パンツ見たいって思う気持ちもわかるし、わたくしが「じゃあちょっとだけね」なんて言っちゃった日には、大変なことになっていたかもしれませんね。
ああ、言わないで良かった。(笑)
なんだかんだと、意外に身持ちの固いわたくしでございました。(笑)
さて、わたくしは写真部の部室から一人抜け出して、その日の探索隊はそれで解散。
いや、正確にはわたくし一人が、戦線離脱って感じでしょうかね。
とにかく、その日はそれで終了です。
次の日学校に行くと、休み時間に探索隊のさじくん(同じクラスでした)がわたくしを呼び出しました。
わたくしの学校には当時、新校舎というのがありましてね。
3階建ての旧校舎が2棟あって、職員室があるほうの旧校舎と新校舎が渡り廊下で繋がっていました。
一年生のクラスは職員室がある旧校舎にあり、新校舎は第二音楽室とか、第二理科室とか、第二家庭科室とか、なんでもかんでも『第二』がつく専門教室だけの2階建ての校舎だったので、放課後の部活動の時以外はあまり利用されていないところでした。
さじくんはわたくしを新校舎まで連れて行って、あるものを見せてくれました。
それは写真でした。
「昨日あれから、写真部のヤツらが撮って現像してたんだよ」
その写真はなんと!
エッチな雑誌のエッチなページを撮った写真でした。(爆)
さすが写真部と言うべきでしょうか。
とっても綺麗に写っていました。(ほめるな! 笑)
「これ、何十枚も現像したんだよ」
さじくんはニヤニヤしながらそう言いました。
わたくしは、その一言でこのおバカたちがなにを考えているのか分かりました。
「あんたたち、これ売るきでしょ」
「まぁね」
バカです。(笑)
彼らは、エッチな本のエッチなページを何枚も写真にして、それを学校で売りさばく計画を立てていたのです。
元手はすべて写真部の部費ですからね。
ああ、あと盗んだエッチ本ね。(笑)
1枚10円だって、彼らにしたら大儲けです。(爆)
じつは当時、わたくしの学校では生徒間であらゆるものの売買が普通に行われていました。
たとえば、学生服。
不良ファッションの特殊な学生服など、新しいのを買った人がそれまで着ていたのを後輩に売ったりとか。
まぁこれは、あまりいいこととは思えませんが、買う側としても中古で安く手に入るわけだし、親が知ったらなんて言うかなんて考えると気が引けちゃいますけど、本人たちにとっては決して悪い話じゃありませんからね。
この学校で行われてる売買のなかではまだマシなほうです。
ひどいのは、万引きした品を学校で売ることです。
あの当時はいまほどデパートなどの監視が厳しくなかったんです。
某JRの駅前にあったデパートの文具売り場はわたくしの中学の生徒の漁場と化していました。
毎日、何人かで万引きをして、それを学校で売るんです。
どれもだいたい、定価の半額で売られていました。
これはとっても興味深いことに、真面目な生徒でも安いからと買ってしまうんですよ。
真面目な生徒たちでも、自分が万引きしたわけじゃないという意識が自分を正当化し、万引きした品を買うことにはあまり抵抗がなかったようです。
そのため、商売は大繁盛していたようです。
ですが、そこはやっぱり子どもの集まり。
儲かるとわかると、不良はみんなして万引きしだしちゃうんです。
いや、正確には違いますね。
おっかない不良が、万引きするようなセコイ不良を脅して、万引きした品を奪い取って売るんです。
要は、自分たちの後輩とか部下とかみんなに万引きしてこいって脅し出すわけです。
部下たちは当然、ただ働き。
でもおっかないから文句も言えずに万引きしまくり。
そうすると需要と供給のバランスが崩れて、売れるものも売れなくなります。
しまいにゃ500円もするシャープペンシルが10円で売られたりして、とんでもないデフレ状態に。(笑)
そして、皆さんもう予想できていると思いますが、同じお店に何十人って中学生が集まって万引きしちゃうもんだから、すぐに捕まり学校に通報ってことになったわけです。(本当におバカだ。笑)
これはけっこうな大問題になりました。捕まった生徒が、学校で万引き品を売買していて自分も売ろうと思って万引きしたってことを、先生に言っちゃったんです。
お店のほうも短期間にすごい数の品が盗まれているって話をしたらしく、死活問題だから警察に通報すると言い出していたそうです。
先生たちは、売った生徒はもちろん、買った生徒まで徹底的に調べあげました。
そしてなんと、買った生徒まであわせると、学校の半数近い生徒が関与していたのです。
そのなかで、万引きチームのリーダーだった生徒たちは実際に警察に連れて行かれ、いやいや万引きしていた生徒たちは親と一緒にお店に謝りに行き、買っていた生徒たちもまた、親が学校にきてあれやこれやと大騒ぎになっていました。
こういう時って、なんていうか匂いでわかるんですよね、わたくし。
危険の匂いって言うのかしら。
買ってなくって本当に良かった。(ほしいペンとかいっぱいあったんだけどね。笑)
とまぁ、そんな学校でしたから、エッチ写真は飛ぶように売れました。
売れに売れて、現像が追いつかなくなり、写真部の現像に使う材料は底を尽きます。(まぁたいした量じゃないんですけどね)
それでこちらもやっぱり、写真部の顧問の先生に知れて写真部の子たちは大目玉。
写真部の顧問の先生は科学の先生で、ちょっと浮世離れした人だったので、あまり大ごとにはならなかったのですが、暗室と備品庫の鍵の取り扱い方法が変わり、勝手に入ることができなくなってしまいました。(いままで勝手に入れてたってのもどうかと思いますけどね。笑)
それにしても、雑誌のページを撮った写真1枚を、いくらで買っていたのか知りませんが、買った子たちってばそれをオカズに楽しんでいたわけでしょ?
つくづく当時の中学生の脳みそって平和ですよね。(笑)
いやいや、実際には万引きなんて犯罪行為に及んだりと悪いことをしてはいますけどね。
なんていうか、発想がとっても単純ていうか。
なんだろう……無邪気っていうんですかね。
そう、邪気を感じないんですよ。
だって、万引きして売ったおかねだって、毎日買い食いして終わりですしね。(笑)
もっと計画的に使えよと言いたくなるほどに、無計画。
万引きする時点で無計画だし、したあとも無計画。
写真も現像する時点でも、売りさばいたあとでも無計画。(笑)
そんなんだから、あれですよ。
買ったヤツらも毎日学校に写真持ってきて、その写真を友達と共有して使ってたりして、休み時間に次は誰が使うかとかってもめたりしちゃって、先生に見つかって取り上げられたりしちゃうんです。(爆)
それでもって、うちのクラスのバカ男子が、先生に取り上げられたときに「宿直室にあったエロ本の写真です」とかって言っちゃうもんだから、さぁ大変。