好物
翌朝、愛が起きると目の前には夜十がいた。
「?!」
そうだ。昨日一緒に寝たんだった……。改めて絶望する。逃げられない。しかし、夜十の寝顔を見返すと凶悪犯には見えなかった。
「寝てれば大人しいのに……。」
「ん……」
夜十が寝返りをうつと結んだ手が引っ張られる。
「きゃ?!」
愛は手を引っ張られて夜十の胸にダイブした。
「?!?!」
愛は寝ぼけた夜十に抱きしめられる。なんとか逃げようとするが逃げられない。
「ちょっ、やだ!起きて!」
「ん……?」
夜十が起きる。
「お前、何してんだ?!」
「何って!貴方が引っ張って無理やり……」
「うるさい。」
夜十は手のネクタイを解くと愛から離れた。
「もう!変態!!」
「誰が変態だ!殺すぞ!!」
「ご、ごめん…」
それから微妙な空気になる。
「あ、ご、ご飯!朝食つくるね!」
「……おう。」
愛はキッチンへとかける。勢い余って転ける。
「きゃ?!」
「何してんだよ。ほら。」
夜十は呆れながら愛に手を差し伸べる。
「あ、ありがとう。」
やっぱり夜十は本当は優しいのかも?なんて思いながら料理していた。
でも、ヴィランなんだ。気をつけないと。愛は気を引き締めた。
「できたよー。」
「おう。」
「昨日の肉じゃがをカレーにしてみました!」
「ふーん。」
夜十は愛が持ってきたカレーを食べる。
「どう?かな?」
「うまい。」
「そっか!よかった!」
「……。」
愛もカレーを食べる。
「おい。」
「?」
「ついてるぞ?」
夜十は愛汚れた口元をティッシュで拭き取る。
「?!」
「取れた。」
「あ、ありがとう……。」
愛は思わずドキッとしてしまった。
2人の間に甘い空気が漂う。
「あー、えーと、夜十は好きな食べ物とかある?今度作ってあげるよ?」
「……うどん。」
「え?うどん?」
「おう。うどんが好きだ。」
「わかった!うどんだね!」
「お前は?」
「私は、パンケーキだよ!」
「ふーん。」
夜十は何も聞かなかったように顔を逸らした。それから2人はしばらく食べることに集中して話さなかった。食べ終わると愛は食器を洗いはじめる。夜十はどこかに行こうとしていた。
「夜十?どこかいくの?」
「ヴィランの集会だ。」
「へー。」
「へーじゃない。お前もこい。」
「へ?!」
愛は無理やり連れていかれた。愛はヴィランの集会に行くことになる。
しばらく歩いてやっとついたのが見知らぬ廃屋だった。
「ここだ。」
「ここが……。」
中に入るとそこには凶悪犯達がたむろしていた。




