恋
翌朝起きると夜十が隣にいた。くくり付けられていないので寄らなければ抱き寄せられる事もないだろう。だが、そんな夜十の寝顔に見入ってしまう。
「夜十……。」
て、私何考えてるんだろ?!馬鹿なの?
相手は凶悪犯!!ときめいてる場合じゃない!!
「んん……」
「あ!」
「………。」
「……おはよう。」
「おう。」
夜十はゆっくりとベッドから起き上がる。
「あ、ご飯!つくるね!」
「おう。」
愛がキッチンへ行くのを夜十は見送る。しばらくして朝食ができる。
「できたよー。」
「おう。」
2人でリビングで食事する。
「今日は任務だ。しばらくここをあける。」
「え?」
「その間勝手にしろ。」
「???」
「わからないのか?」
「何が?」
夜十は呆れたようにため息をつく。愛はどういうことかわからなかった。
「逃げるなら勝手にしろってことだよ。」
「?!」
愛はその言葉に驚きお隠せなかった。
「どうして?だって大切な人質なんでしょ?!」
「………お前の世話をするのがめんどくさいからだよ!」
「夜十……」
嘘だ。夜十は嘘を付いている。私をこれ以上傷つけない為にそう言ってるんだ。愛はそう思った。
「わかったらさっさと出てけ!」
「逃げたら殺すって言ってたじゃない!?」
「もういいんだよ!」
「夜十……私…」
「?」
「私、夜十が、好きだよ?」
「……またその嘘か…。」
「嘘じゃ、ない。」
夜十は少し考えたが、やはり嘘だと思ったのだろう。愛を無理やり追い出そうとした。
「やだ!やめて!私、夜十の傍にいる!!」
「何言ってるんだよ。お前……」
「私、本当に夜十が……!」
「黙れ。」
「やだ!追い出さないで!」
「………わかった。勝手にしろ!」
そう言って夜十は家を出ていった。




