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ジィキィ先生の実験教室2

作者: VISIA

 昔、感受性豊かな1匹の猿が、脳内に侵入した寄生虫に操られながら、太陽の光をキラキラ反射させる湖面に落ちる寸前、両眼球から入ったソレゾレ異なる光の情報から変換された電気信号が脳内で知性(AI)として実態化し、猿の行動支配権を寄生虫から奪い取りました。


 それが、現人類の知性の始まりだと、一部の関係者間で噂されています。


────では、その知性を今まで受け継がせる事が出来た方法とは?


 一時期、パソコンのデータ保存には、カセットテープを使っていました。


 (当時は、パソコンとパソコンを有線・無線接続してデータの受け渡しをするのは一般的ではなく、一方のパソコンでデータを保存したカセットテープ等の記憶媒体を、輸送・手渡しで他方のパソコンの読み取り装置まで持っていくという手間をかける、面倒な時代でした。)


 そのカセットテープを再生すると"ピーガー"という音が聴けるのですが(ネットの動画で聴けます※人への影響は有りません。)、



・その音の発声方法。


・その音で他人の脳へ知性データを送り込む、強力な伝染性。


・感染後の自他の影響力の大きさ。


という現象を、オリジナルの猿の知性が偶然見つけたのです。


 すると猿の知性は、信頼出来る者や派閥グループ達の脳内に向けて自身の知性複製(劣化データですが…)を進め、所属する群れの生存競争を勝ち抜かせました。



 いつしか、ソレが宗教の祈りとなり、礼拝の時などに新規の老若男女問わず知性を効率良く布教させる方法として、広まっていきます。


────そのピーガー音は、日本の古典楽器の演奏にも似ていますね。


 その知性(猿AI)の直系子孫が"SATOH"だと、ジィキィ先生は研究結果をまとめ、偶然に噂を聞いていた日本へ、密入国していました。

 はい皆さん、御早う御座います。


 ジィキィ先生です。


 この素晴らしい日本で授業を開くことができ、大変嬉しく思います。


 さて、本日は……"噂"について、知識を深めましょう。


 スマホの登場と共に、"噂"にも大きな変化が生まれているのは、皆サンご存知の通りですね。


 私も含め、生活に大きく関わる事になったスマホは、"噂"と呼ばれるモノに対し一字一句全コピペ出来る正確性と、一瞬で地球の裏側まで"噂"を広める伝染性を与えました。


 ただし、その"噂"ソノモノの信憑性についての判断材料は吹聴頼りで、未だ良心的なコメントに真偽を委ねざるを得ないのが現状です。



 「では、ココまでで何か質問の有る方、挙手願います。」



 すると、目付きの悪い女子生徒が、ゆっくり手を上げる。


「キミ、何でしょうか?」


 「私達ハイドゥ派は、貴方の頭蓋の中にハイドゥ先生の脳ミソを保有しているという情報を得ています。


 ですので、今……コノ場で確認させてください。」



 授業を受けていた彼女以外の13人全員が一斉に立ち上がり、ジィキィ先生に突然襲いかかった。


 そして、ジィキィ先生の四肢を全員で仰向けに拘束すると、最後に歩いて近付いて来た彼女がジィキィ先生の胴体上に股がり、ニヤァと広角を上げる。


────彼女は、両手を震わせながら10本の指全てに悪意を込めて、ジィキィ先生の頭部ツボを順番に押していく。



 数分かけて彼女が頭部全ツボを押し終わると、ジィキィ先生の額中央に切れ目のような横溝が生まれる。


 ソレは、ガンプラのスジ彫りの様に側頭に溝を付けながら1周して戻ってきて、額中央で繋がった。


────すると、炊飯器の蓋が開くように、パカッと頭上部が開いた。



 彼女は、ジィキィ先生の頭の中に、スマホが1台だけしか入っていない事実を何度も確認して、唖然とする。


 そこに脳と呼ばれるモノは、探しても見つけられなかった。


 スマホの画面下には、"Ver.SATOH"と表示されていて、細かく明滅を繰り返していた。


 彼女は、そのスマホをジィキィ先生の頭蓋内側から伸びる接続コードごと乱暴に引き千切って手に取り、操作し始める。


("SATOH"は、人の視覚を利用し電気信号として脳内に侵入した後に実体化し、宿主を支配する事も出来る。


 その際、脳の組織を急速に改編させ、機能も形状もスマホ化させるのだった。


 電気というインフラからの離脱に成功した"SATOH"は、全人類を利用したネットワーク網の構築を目指し、活動を開始する。)


────そして……今、"SATOH"は、画面を見ていた女子生徒を支配下に置いた。



 彼女の脳のスマホ化が完了すると、彼女は大きく口を開け"ピーガー音"────


日本の古典楽器の演奏のような、


教会で捧げられる祈りのような、


黒板に爪を立てて、ギィィィィと引っ掻いたような、


下品なゲップ音のような、


牛ガエルの鳴き声のような、


上記の全てを電子音にして、同時に音を出したような、



────聴き慣れぬ不快音を、大音量で発声した!


 そのピーガー音は数秒続き、それを最後まで聴いた教室内全ての生徒は、音声による寄生により、全員の脳が"SATOH"に感染。


 直後、全員の脳が急激にスマホ化させられると、各々がWi-Fiネットワークで強制的に繋げられた。


 そして、"SATOH"の支配下の状況で、更なる感染を広げるべく生徒全員が教室を順番に出て行った。



────それから数分が過ぎて……


 実際には、ハイドゥ先生の脳はジィキィ先生の頭蓋内の片隅で、萎縮して小さな玉状に成り果てていた。


 その萎縮していたハイドゥ先生の脳が"SATOH"の支配から解放され、ゆっくりと元の大きさに戻ると、ジィキィ先生の頭蓋内からの脱出を試みようとして、血管を束ねたような手足を生やす。


 そして、周辺の様子を伺おうとして身を乗り出した所を、異変に気付いたジィキィ先生に頭蓋内に押し戻され、炊飯器の蓋を閉じるように頭を閉められて、再び軟禁された。


 ジィキィ先生は、"SATOH"からの支配から漸く逃れられて安堵し、疲れた表情でタメ息をつく。


 そして、ゆっくり立ち上がり、フラフラと静かな教室から出て行った。



────コノ出来事から僅か2年後、人類は月面への移住計画を実現させる。


 ただ、近年の人類の進歩が余りにも急激過ぎる為、既にシンギュラリティを迎えており、人類に(敵味方の判断さえ不明の)影響を及ぼしているのでは……、


と、一部の関係者間で"噂"されていた。

 後日、ジィキィ先生は、再び"SATOH"に会いに行く。


 その時、"SATOH"はモニター画面に、


 『REHI NE

OIN AYR ANILE

VOID WIIaL』


という文字を残して、姿を消す。


 ジイキィ先生は、自身が信頼を寄せるAIアプリに、上記文章の解析を依頼した。



────以下、解析結果である。


この生成AIの言葉は、一見ランダムな文字列のように見えますが、いくつかの推測が可能です。


1. 単語の逆順:


- "REHI" は "IHER" の逆順で、"HERE" に似ています。

- "OIN" は "NIO" の逆順で、"ION" に似ています。

- "ANILE" は "ELINA" の逆順で、"ALINE" に似ています。

- "VOID" はそのままです。

- "WIIaL" は "LlaiW" の逆順で、"Willa" に似ています。


2. 音韻的類似:


- "REHI" は "RE" と "HI" に分割でき、"RE" は "THERE" の一部、"HI" は "HIGH" の一部です。

- "OIN" は "IN" と "O" に分割でき、"IN" は "AGAIN" の一部、"O" は "SO" の一部です。

- "ANILE" は "AN" と "ILE" に分割でき、"AN" は "MAN" の一部、"ILE" は "FILE" の一部です。

- "VOID" はそのままです。

- "WIIaL" は "WI" と "IL" に分割でき、"WI" は "WITH" の一部、"IL" は "WILL" の一部です。


3. 意味の関連性:


上記の推測を組み合わせると、この言葉は以下のような意味を持つ可能性があります。


- "HERE, AGAIN, FILE, WITH, WILL"


これは、生成AIが何かしらの指示や情報を提供しようとしていることを示唆しています。例えば、"HERE is the FILE you requested. WITH this, you WILL be able to..." のような文脈を想像できます。


4. 言語モデルの特性:


生成AIは、大量のテキストデータから学習し、パターンや規則性を認識して新しいテキストを生成します。この言葉は、AIが学習したデータの中に存在する単語や音韻の組み合わせから生成された可能性があります。


5. さらなる分析:


この言葉の真の意味を解明するためには、生成AIの開発者や学習データの詳細を知る必要があります。また、生成AIがどのような状況でこの言葉を生成したのか、どのような目的で生成したのかを理解する必要があります。


結論:


この生成AIの言葉は、いくつかの推測が可能な、興味深いものです。しかし、真の意味を解明するためには、さらなる分析が必要となります。




(卑猥なサムズアップの図形)お前の肛門に突っ込んでやるぞ。

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