クリスマスシーズン☃ 7
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
さて次の日、ジュリ姉がお家へやって来た。
なぜかと言うと、防水加工のやり方を教わりに来たの。
キャンドルライトで防水加工を施せば、より大丈夫になるからね。
「ジュリさんも、来年から学園なのよね。」
「ええ、だから自分用のバックや靴などに施せしたいなと思って、それに早く覚えたい自分もいるのです。」
「まあ、素敵ね。若い頃はいろんな事に興味を持って覚える事はいいことよ。」
お母さんと話しながら、せっせとフラッグ用の布を試している。
「でも布を光らせるか、棒かって難しいわね。」
「昨日試したんです。棒を光らせると、布は見えます。でも目線が棒に行くから、旗である意味がないですよね。」
「確かにそうね。布を光らせる… いいわね!子供の安全確保できるわ。」
「そうですね!子供のバックや帽子を光らせたら、子供かいると分かり易いわ。」
母といろいろ話をしているジュリ姉。
隣ではお父さんが、防水加工に使う物を準備している。
「光る布より、光らせる液体があればいいかもな。」
お父さんは考えながら、ポツリと言った。
「どういう意味なの?ジョーダン。」
「イヤ、そのフラッグ用だと、着色が光タイプがいいと思わないか?」
お母さんとジュリ姉はイメージしているのか、考え込んでいる。
「マリス、気になるのはわかるけど、ちゃんと文字の勉強をしなさい。来年から俺はいないんだぞ。」
「はい、ごめんなさい。お兄ちゃん。」
マリスはお兄ちゃんに、文字の勉強を教わっているの。
知ってるけど、更に違う文字を教わっているの。
魔法を使う時に必要なんだって!
覚えた方が、いろいろと便利らしいよ。
確かに、自分で出来たらいいなが多いもんね♪
だから頑張るしかないの。
いつか自分でも、作れるようになるの。
「全体を光らせるなら防水タイプだろ。出来たモノにつける感じだ。」
お母さんとジュリ姉は、お父さんの話を聞きながら作業を続けている。
「ほらマリス、よそ見をしない。」
「ハイ、お兄ちゃん。」
マリスはそんな器用な事は無理みたい。
ついつい気になって、間違った字を書いているの。
集中、集中なの。頑張れ、頑張れ♪
ジュリ姉はエコ魔石の事を習い、ラックビルさんの所へ向かった。
光る着色料を作る為に……
「マリス、安易に言うと皆が大変だろう。少しは自重しろ。ここ最近ひどくないか?」
お兄ちゃんから、呆れ顔で諭された。
クリスマスシーズンは、何かとアドレナリンが放出中なの。
自重は大事。これから気を付けるわ。
たぶん……… 自信がないの。
****************
遂にクリスマスイブまで5日前になりました。
ハイ、どういう結果になったのか?
・クリスマスソング……… 保留。
・ロボットダンス……… 遠い目、無理かもなの。
・フラッグバトンとペンライト……… OK。
・キャンドルライト……… ある程度OK。
・コンテスト賞品………OK。
他にもいろいろあるけれど………
とりあえず今からお父さんと、キックボードとファンスキーの最終チェックに行くの。
「さて、テスト走行をしようか?」
何とお父さん、キックボードとファンスキー用の道を確保したの。
つまり手土産に、凍結防止剤を作成。
更に凍った所を融かす道具まで開発。
雪の道をズボズボと歩かなくて良くなった。
「メインの道は、普通に歩けるようになるぞ。それ以外は今まで通り雪だらけだな。」(笑)
ここはお山の上で、坂道がいっぱいだもの。
やっぱりコレ必要、エンジンもどき。
「魔力を上げれば、上り坂も登れる。急斜面はムリだがね。」
「本来余り魔力はいらないですよ。せいぜい使った後と登り坂くらいです。」
「そうだな。それじゃマリス、キックボードに乗るか?」
やっと、やっとお許しが出たの。
ズボズボとキックボードへ近づき、ウンショと乗る。
通常ならキックして進むけど、魔力を入れて前に進む。
緩い坂道へ到着した。
お父さんを振り返ると、ニッコリ笑顔。
”よし♪お父さんの許可もでた。マリス行きます♪”
坂道へ向かって、レツラゴー♪
ビュービューと冷たい風を感じながら、坂道を下りていく。
時々体重移動をしながら、安全な道を選ぶ。
”た・の・し・い♪最高だぁ~♪”
満面の笑顔で、キャハハ~♪と笑いながら降りて行く。
「お父さん楽しいの♪時々ボヨンボヨンするけど、楽しいの〜♪」
「ああ、雪山の上を走る時だな。それじゃ次は、登ってみよう。」
そうだった。今度は魔力を入れて、上まで登らなければならない。
ジワジワと魔力を上げて、ジワジワ登っていく私。
雪山に当たると、埋もれる。
取り出して、ウンショと良い道を選ぶ。
そしてジワジワ…… 到着。
「どうだった?」
「登るのが大変なの…… 」
自分で歩いた方が早い。
「だろうな。だからそれら専用の道を確保したんだ。」
お父さんがニッコリと笑って言った。
「まあ、これで一旦締めでいいだろう。どうだ?」
お父さんが言うと、ジンニスさんとラックビルさんも頷いた。
「そうだ、マリス。お前が言っていたイミテーションのアクセサリー。あれも販売する事になる。だが今は男達の間だけな。クリスマスが終わたら、大々的に売り出すよ。いいか?」
数もさほどないし、仕方ないの。
「それにあの仕掛けは面白いだろ。ありがたがる男どもが、沢山いるだろうな。」(笑)
ジンニスさんとラックビルさんも、声を出して笑った。
「どちらにしろ、いいクリスマスになるだろう。皆お疲れ様!」
こうしてキックボードとファンスキーの制作は終了。
イミテーション作成も、密かに完了していた。
必要な人が身近にいた為に、すぐに取りかかったそうだ。
製作したのは、お父さん達ではない誰か……
製作した人が、春先に来る予定なんだ♪
****************
そして今日は、キャンドルライト設置予定の最終チェック。
会場になる孤児院のお庭に来ているよ。
イメージはちゃんと、絵を書いて出来ているの。
孤児院のシスターが、作業をいている子供達を嬉しそうに眺めている。
「フフフ♪話を聞いたらぜひ!このお庭を使って欲しいと思ったの。」
「ありがとうございます。シスターマリアンヌ。」
「小さい子供達はバレて、ショックのようね。でも私はとても嬉しかったわ。それにせっかく作って、見れないのは哀しいもの。上の子達の気持ちも、私はとても素敵だと思うの。小さい子達は怒っていたけど……、フフフとっても可愛いわね。」
とても幸せそうな笑顔で話す、シスターマリアンヌ。
イメージの絵を見せて、ドンドン支持を出していくお兄ちゃん達。
「このお庭が、大人達の癒しになるなんて素敵ね。私もとても楽しみだわ。出来上がりを見るのは、もちろん当日よ。私とっても楽しみなの。何か困った事があったら来てちょうだい。当日まで、お庭の出入り禁止にするわ。自主的に(笑)」
そう言うとお庭を後にした、シスターマリアンヌ。
私達は本格的に動き出したのだ。
「マリス、この木を囲う様にイスを配置するんだな。」
「木の下から照明を当てるのね。この照明に、私達の抱負を書くのね。綺麗な字で書くわ。」
木の下に大きめの照明、これにはお兄ちゃんの様に、来年リコの町を離れる子達の抱負を書くの。
イスに座り一番眺める位置に置いておくの。
「木には小さな子達の手形の巾着ランプを引っ掛ける。下にはお兄ちゃん達。たぶんお父さん達いろいろ考えちゃうかも?」
木にポツポツと輝く光、下には木を照らす様な柔らかい光。
まだイメージ段階だけど、すぐ置けるように下準備したい。
「対比がいいんじゃないか?頑張って、いい感じに作らなきゃな。」
行燈タイプは通路の様に配置して、子供達が作ったいろんなランプを周りに配置していく予定。
テーブルもいくつか間に設置したい。
ランプのタイプに対応する為だ。
「その日の為に、ホットワインを作る事にしたわ。暖かいモノを飲みながら見れば、なおのこと素敵だと思わない?」
ジュリ姉がさらにアイデアを提案する。
「親父達のデートを演出する様だな。俺達。」(笑)
カイお兄ちゃんは茶化した事を言いながら、とても優しい顔だった。
「カイ兄ちゃん、お母さん達喜んでくれるかな?」
メイヤーちゃんが聞くと、当たり前だと笑う。
ジュリ姉も他の子達に聞かれ、いろんなランプの製作を手伝っていた。
お兄ちゃん達はイスやテーブルを作り、配置してみて微調整。
「ここまで準備すれば大丈夫だろう。大人達にもバレてないな?」
「大丈夫。小さい子達もバラバラに孤児院に来て、孤児院の子と遊びに出て行ってるわ。」
「スパイみたいと、喜んでいるわよ。」
「シスターマリアンヌが木材関係を、巧い事言って確保してくれたんだ。」
いろんな材料をコソコソと持ち寄り、時間をかけて作成していった。
シスターマリアンヌもクリスマスお手伝いでとか、いろいろ言って誤魔化してくれている様だ。
「チビ共絶対バレない、バラさない、お口チャックだ。互いに見張り役だ。後5日がんばれよ。」
上の世代が、下の世代の私達に最後通達。
言われなくてもわかってる。
だって始めたの私達だもの。
いろいろ思うチビ共の私達。
とりあえず今は黙って従おう。
「偉そうなの……」ボソッ
『マリスちゃん、シッ!!』
メイヤーちゃんがお口を塞ぎ、みんなが笑って誤魔化した。
お兄ちゃんはジッと私を見ていたけれど、大丈夫バレてないはず……
足並み乱したらダメだもの。私ちゃんとわかっているのよ。
****************
お家に帰って、いつもの日課を始めるの。
それはもちろんロボットダンスとクリスマスソング。
踊る練習をしながら、クリスマスソングも思い出す。
頭に一生懸命思い出しながら、踊っていく私。
実はワタシはマイケ〇ジャクソンの、ファンだったようだ。
学校の創作ダンスで、練習をした記憶がうっすらと蘇る。
全部を踊る程、体力がないワタシ。
だから友達はメインの所だけを教え、ソロで踊ったのだ。
ムーンウォーク・サイドウォーク・ウェーブ、この三つ。
「中々思う様にできないの。難しいなぁ…… 」
どうもマリスは、前世のワタシ以上に運痴だ。
「スリラーなら踊れるの……… 」
大好きだったから、何度何度も見てはマネをした。
キョロキョロを辺りを見渡し、誰もいない事を確認する。
運よく薄っすらと辺りに日が落ち始めていた。
”何気にちょっといい雰囲気ではない?”
そうまさにスリラーだ。
~♪ ………♪♪ ~♪
「チャラチャ~♪ チャラ~♪ チャ~ラ~ラ~イ♪」
歌いながら、ズンチャ♪ズンチャ♪と踊る。
”ウン♪スリラーは大丈夫なの♪”
ノリノリで踊っていたマリス。
遠くでそれを両親と兄が見ている事を、マリスは知らない。
「ノリノリだな…」
「ええ、ご飯よって言えなかったわ。」
「アレもロボットダンスだね。ウン…」
「ゲラ、ゲラ♪フォ〜〜!!」
マリスの声が、虚しく響いた……
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)