クリスマスシーズン☃ 6
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん達がいてよかったの。」
おねえちゃん達はとても凄いの。
メッセージキャンドルライトは長い間、雪が降る中でお外にある状態なの。
という事は、紙だとお父さん達が来た時、紙だとビチョビチョのグチャグチャになる。
メッセージだって、読めないかもしれない。
だから紙から布に変更する事を、提案されたの。
更に!あのおねえちゃん達の中には、錬金術師のジョブ持ちさんがいたの。
「確かにね。俺達は大変だったけどな。いろいろと……」
おにちゃん達は、おねえちゃん達に振り回されて大変だったの。
「お友達といつか、私達もああなるかなって話したの。」
「マリス…マリスもああなるのか?」
「わからないよ。だけどなるんじゃないかなぁ?」
「マリスはマリスのままでいてくれ。」
とても切実な顔で言うお兄ちゃん。
「ソレ、とても曖昧で難しいの。」
顔をしかめて、とりあえずお返事をする。
「そのままでいいって事だよ、マリス。」
「わかったの。」
よくわからないけど、このまま成長って事かしら?
とりあえず、今日も朝から商売がんばるの。
だってクリスマスイブまで一週間とちょっと。
何だかんだと、あっという間に時間が過ぎて行く。
賞品の看板も今、見本を作成中らしいです。
計算機は落ち着いてから、ゆっくり作成予定です。
キックボードとファンスキーは、まだまだ試行錯誤です。
だたお父さんが滑った後に起こる、問題の解決に目途が立ったの。
何とお父さん!凍結防止剤を開発しちゃいました!
この短期間で凄すぎる( ゜Д゜)!
だからキックボードとファンスキーが、棚上げだったらしい。
さて問題です。マリスは今何をしているのでしょうか?
正解は!! お兄ちゃんのダンスを見る予定です。
オタ芸を見る為に練習場へ向かってるの。
オタ芸…… ロボットダンスを想像すると怖いの。
一体どんな風に変化しているのでしょう?
練習場へ行くと、たくさんのチームに分かれていたの。
なるほど!オタ芸はチームで発表会をする形式。
そしてオタ芸は、進化していました。いい意味で!
単純な動きだから、そうなったのかな?
チヤリーディングとオタ芸の融合と言ったら、わかってくれるかな?
オタ芸にピラミッドとか、飛び上がるとかback転とかないもの。
女子チームはチヤダンスだけど…… 確かにオタ芸だわ。
そりゃ団体で、混ざって練習すればそうなるわよね。
そしてペンライトが、単なる派手な棒。
アレって武器の棒の短い版?
女の子も同じだけど、魔女の杖?
「お兄ちゃん、皆何持っているの?」
「ああ、アレは武器の代わりの棒で、女子は魔術師のスティックだ。」
そう、やっぱり見たままだった。
「男のオタ芸は騎士のダンスで、女のオタは魔女ダンスと言われている。」
「ヘェ~~……… 」
オタ芸を伝えた奴出てこい…… 誰やねん!
オタ芸はアイドルの応援芸でしょ!!
全然違うでしょう!もうもうもう………!!!
これはほったらかしていいのよね?!
たぶん伝えた人が、そう言って伝えたのよね?
「どうしたんだ、マリス?」
「何でもないの。お兄ちゃん、頑張って。マリス見てるの。」
すごく不安そうに見ているお兄ちゃん。
たぶん私は、死んだ様な目をしているんだと思うの。
だけどごめん、今はほっといて欲しいの。
ホントごめんなさい、お兄ちゃん。
お兄ちゃんがチラチラと私を見て、ダンスチームへ向かう姿を見ながら、私は途方に暮れた。
ホントいろいろと疲れるの。ホントに………
お兄ちゃんのダンスを見ながら、やっぱりペンライト必要と思ったの。
お父さんに相談した方がいいかな?
でも忙しそうなの………
その原因を作った、私が言うのも変だけど………
「マリス、どうしたんだ?オタ芸もやっぱり違うのか?」
お兄ちゃんが心配そうに私を見る。
確かに違う。いろんな意味で違うけど………
”それ伝えた本人がやった事だから……… ”
「あのね、お兄ちゃん。マリス思ったの。とっても素敵なダンスなんだけど、もっと素敵に出来るかなって。」
別に武器でも杖でもいいの。
伝えた人が、騎士とか魔女とか言ったと思うから。
でも薄暗い時間帯に踊るなら、ペンライトがいいと思うの。
お兄ちゃんは考え中。選ぶのはお兄ちゃんです。
「例えばどんな風に?」
「ただその武器とか杖を、光棒に変えたらどうかなって思ったの。」
「光棒?イルミネーションみたいな?」
「そう……片手持ちを、両手持ちに変えて。」
そうなんです。実は武器って事にしたから、片手のみ棒を持つ様になっていたんです。
「ウ~~ン、それだと騎士じゃなくなるぞ?」
別に、双剣の騎士でいいじゃない。カッコいいよ。
だけど、魔女は確かにおかしくなります。
「でもマリスは、その方がいいと思うんだ?」
私はうんと頷いた。だってオタ芸はソレがメインだもの。
海外ではサイリウムダンスって、言われてたもの。
なぜ、私詳しいのかしら?
ちょっと不安になるマリスです。
「なるほど……… 」
「ジュリアス!そろそろ休憩おしまいだぞ。マリスちゃん、来たんだね!」
「カイ兄ちゃん!一緒のチームなんだ。」
「そうなんだ♪学園も一緒に行く予定なんだ。ところでどうしたんだ?」
お兄ちゃんが考え込んでいるから、不思議に思っているよ。
「イヤ、マリスが光棒で踊った方がいいと言うから、イメージしていたんだ。」
「うん♪両手に持って欲しいの。」
「なるほど。………試しにしたらどうだ?」
「エッ?!だが今から変更すると踊りも変わるだろう?」
「別に両手に変わるだけだから、極端に変る訳じゃないよ。それに薄暗い夜に光棒は映えると思うんだ。」
カイ兄ちゃんがそう言うと、何処かに向かう。
”あれ?あのおねえちゃん乙女集団の人だ。”
「こんにちは、マリスちゃん。カイから話を聞いたわ。面白そうだから、一緒に作りましょう。確かに素敵になると思うわ。」
このおねえちゃんが、錬金術師のジョブを持っている人なんだ。
「ホントにいいの!ありがとうおねえちゃん♪」
お兄ちゃんが何故か不機嫌な顔をし、そんなお兄ちゃんを揶揄うカイ兄ちゃん。
「勿体ぶらず、さっさと決めればよかったんだ。」
「うるさい…… 」
お兄ちゃん達が楽しそうに話しているから、私は更にお姉ちゃんに提案したの。
「旗?」
「そう、フラッグバトンって言う。振れば迫力でると思うの。」
「………面白そうね。やってみようかしら。マリスちゃん、今から一緒にどうかしら?」
「大丈夫なの♪」
私はニコニコ笑顔で、その提案に乗った。
やっぱり女の子は髪を振り回すより、笑顔を振り回す方がいいの。
魔女ダンス……髪を振り回すから、そう名付けたのだわ。
許すまじ……、絶対素敵に改変するの。
私は闘志を燃やした。
もちろんこの後、お兄ちゃんに怒られたのは言うまでもない。
「マリス!何かする前にお兄ちゃんに言えと、あれほど言ったのに!!」
「お兄ちゃんごめんなさい。思いついたらポロッと出ちゃうの。」
****************
この後すぐにお姉ちゃんのお家へ向かったの。
もちろんお兄ちゃんとカイ兄ちゃんも一緒。
そして、お姉ちゃんの仲間乙女集団も一緒だ。
お姉ちゃんのお名前はジュリ。これからジュリ姉と呼ぼう。
「ジュリアスもブツブツ言わないの。マリスちゃんも反省してるじゃないか。」
「そうよ。可愛い我儘じゃない。私達は得ばかりだわ。」
「お前達はいつも振り回されてみろ。そう言ってられないと思う。」
「アハハ!確かにな。時々だからいいんだ。」
「家族なんだから諦めなさい。」
「「「そうよ、そうよ、」」」
おねえちゃん達は、マリスの味方なの。
私はおねえちゃん達から、ヨシヨシと慰められているの。
お兄ちゃんの硬い身体より、やっぱり柔らかいおねえちゃんが癒されるの。
「マリス、いつまでも抱き着いているんじゃないよ。」
「アラ!ヤキモチかしら?いいのよ。私も癒されているから、気にしないわ。」
お姉ちゃんが使っている工房には、ありとあらゆる物があったの。
「マリスちゃんお約束よ。ここには危ないお薬や素材があるの。だから触ってもいいと言ったモノ以外は、絶対触らない。わかった?」
ジュリ姉が真剣な目で伝えた事に、ウンとしっかりと答えた。
だってまたジュリ姉の工房へ行きたいから、出禁は嫌なの。
「せっかくだから、キャンドルライトも詰めるだけ詰めちまおう。」
カイ兄ちゃんが提案する。確かに時間はあっという間に過ぎるもの。
「チビ達の絵は、少しずつ集まっているんだろう?」
「ええ、書いた後ちゃんと孤児院に預けているわよ。ただ近いうちにイベントを催そうと思うの。」
「巾着袋を作って、それに子供の手か足の手形を押して貰うの。なかなか親の目を盗むのは、難しいらしいの。相談もされた事だし、上手くやるつもりよ。」
ウバウバの赤ちゃんの手形か、可愛いだろうな♪
「それなら、20日にイルミネーションコンテストの結果発表があるの。」
「そういえば、始まっていたな。それもマリスちゃんの提案か?ジュリアス、お前大変だな。」
「今回は何も関わっていない……… 」
「なるほど、それじゃその日にコチラの催しをしましょう。ジュリアス、出番なしね、今回。」
カイ兄ちゃんとお姉ちゃん達が笑っていた。
お兄ちゃんは、苦味潰した様な顔をしている。
今回、お兄ちゃんには内緒が多いの。
ごめんね、お兄ちゃん。
おねえちゃん達は凄いの。皆スゴイジョブ持ちだったの。
「こうなると戦闘職は、力自慢でしかないな。」
「全くそうだな…… 」
カイ兄ちゃんのジョブは騎士なの。
だからお兄ちゃんと一緒に学園に行くの。
ペンライトもどきの棒の長さを決め、お兄ちゃんに持って貰う。
振り回したり、投げたりしながら確認している。
フラッグバトンもどきも、おねえちゃん達が重さや長さを確認中。
そしてその後筒にエコ魔石を入れる。
「さてこんな物かしら?試しに魔力を入れてくれる?」
お兄ちゃん達に渡して確認して貰う。
おねえちゃん達は、フラッグ用の旗を作成中。
「コレが問題なのよ。どうやって闇夜でも目立たせるか?」
隣ではお兄ちゃん達が、キャンドルライト用のライトを製作中。
筒状で大掛かりなモノ。それを4本製作している。
「ホント…… 戦闘職って平穏だと役立たずだわ。」
ジュリ姉は冷めた目で、兄ちゃん達を見ていた。
やっぱり花畑は一瞬で終わるモノなの。
うん、黒歴史ってこういう事を言うんだ。
前世のワタシが言っていた事が、わかった瞬間だった。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)