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3/22

クリスマスシーズン☃ 3

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 



 さて皆さん、今マリスはとっても怒っています。

 理由は知ってるよね?そう、お兄ちゃんです。

 あの後、トボトボとお家に帰ったの。

 お父さんに怒られるな~、仕方ないな~って。

 そしてお家に帰ったら、お兄ちゃんが仁王立ちしていたの。

 そして言うの………


「どこに行ってたんだ?心配したんだぞ。何で付いて来ないんだ。」


 ねぇ……… おかしくない?

 何で付いて行かなきゃいけないの?

 心配って、私ポツー--ンと、置き去りにされたのよ。

 どこに行っていたって、どこでもいいじゃない!!

 私邪魔扱いにされて、置き去りされたのよ。プチーーーン………


 マリスは怒っています。

 とっても、とっても、とっても、怒っています。


「ア~~……… マリス、いい加減許してやれ。」


「イヤ……… 」


「マリスちゃん。」


「………………」


「「え、えっと……… 」」


 お父さんとお母さんが何を言おうと、マリスは今怒っているのです。


「こりゃダメだ……… 完璧に怒っているな。」


「そうねー…… こうなると放置するしかないのよね。」


「とにかく諦めろ。今は何を言っても無理だ。」


 私にお兄ちゃんはいないのです。

 知りません。マリスはとっても忙しいの。


「お父さん、昨日マリスが言ったお話覚えてる?」


 私はお父さんに、おっちゃんから言われたお話を振る。

 マリスにお兄ちゃんなんていないもん!


「オオ……… アレなぁ…… どうする?マリスの考えを教えてくれ。」


 チラチラとお兄ちゃんを見ながら、私に聞くお父さん。

 お母さんがお兄ちゃんを慰めている。フン!


「せっかくだから、エコ魔石を使った物が良いと思うの。お父さん達拡販したいんでしょ?いろんな可能性魅せつけたいいと思うの♪」


 こぶしを突き上げ力説する。考える品は1・2・3位、と特別賞3つ。

 特別賞は同じ物で良くて、だから4品考えればいいの♪

 ウフウフ……… と私が笑っていると、お父さんとお母さんが顔を引き攣らせている。


「完全無視だよ。こえ~……… 」


「かなり怒り心頭だわ。先が長そうだわ……… 」


 マリスはとっても怒っているの。

 頭ごなしに怒るお兄ちゃんなんて嫌い。


 ジュリアス・ピッコリコが、死にそうな顔でフラフラと、街中を歩いている姿が目撃された。



 いつもの様に、商売繫盛で頑張ったの。

 お母さんの横を陣取って、今日はお金の精算に勤しみました。


「ハイ、合わせて350ランです。お釣りは50ランです。ありがとうございました。また来てね~♪」


 こっちに、10ランケース♪100ランケース♪


「ハイ、いらっしゃいませー♪こちらの商品とこの商人合わせて、1080ランです。ハイ、1200ランですね。100ラン、チップ!ワァ~、ありがとう♪あ、お釣り20ランです。ありがとうございました~。お母さんチップ貰った~♪」


「よかったわね。マリス」


 今日も元気に商売繫盛♪




 そしてお父さんとおっちゃんの所へ行く。

 最近マリスは、とっても忙しいの。

 フンフンフン♪


「マリス……… いい加減ジュリアスを許してやれ。」


「イヤ……… 」


 お父さんが言うけれど、マリスなんも悪くない。

 置いてきぼりしたの、お兄ちゃんだもん。


「お父さん、子供の世界は大変となのよ。単純ではないの。わかった?」


「例えばどんな風にだ?」


 お父さんは、子供の世界の大変さが理解できないみたい。


「子供の世界は、身体の大きさ、価値感の違いは、大人に比べて大きいの。お兄ちゃんが、なぜ来なかったと言ったけど、身体が大きい人達の集団に向かって行ける?私怖いわよ。」


「……… なるほど」


「私達はまだ小さいし力も弱い。だから怪我しない様に、そんな所に一人で行く訳ないじゃない。それに大人みたいに、考えてくれないもの。私達の扱いが雑なの。」


 私達チビのうっぷんを力説して言うと、お父さんも納得した。


「確かに、ジュリアスが悪いな。邪魔と言われていく訳がない。身体の大きさも力の違いも確かにある。だが連れ去った彼女達はいいのか?」


 お父さんが不思議そうに私に言った。


「だってイルミネーション効果で、影響を受けた人達だもの。私の恋する乙女の夢を、ふんだんに盛り込んだのよ。むしろ共感してくれてありがとうじゃないの?」


「そう言われてみればそうだな。巻き込まれ事故ってヤツか?」


「それはマリスも思ったの。だからおにいちゃんだけ悪いの。裏切者なの。」


「そっか~……… ジュリアス、お前やっちまったな。」


 お父さんが何かボソッと言ったけど、よく聞こえないわ。



 さて始まりました。テスト走行第2弾!

 手直しした所は、ボード板の裏に溝を掘り、前と後ろは反り返る感じにしました。

 これにより雪道を割く様に進み、板にへばりつく雪の心配もなくなりました。

 そして噴出口をなくし、ボード全体に粒状のエコ魔石の塗装に変更。

 エコ魔石は、風と火の混合タイプに変更しました。

 これで火傷するほどの熱さもないし、ボードの凍結防止になるでしょう。


 キックボードの前のそりが上下に動く様にして、埋まらなくなりました。

 後ろの反りには杭が出るブレーキを作り、安全運転できます。

 更に、折り畳み運搬出来るようになりました。

 これは前世のワタシ、がんばった。必死に思い出したの!


 ファンスキーは、足を固定するマジックテープを金具に変更。

 これで操作がよりスムーズになると思います。

 スケートの様な走行で、更に魔石で素敵な走りを見せてくれるでしょう!


 移動はどちらも重心移動で動かすから、慣れたら楽だと思うの。


「これはなかなか大変ですけど、なれたら楽しいです。」


「魔力操作と重心移動、どっちも鍛錬になりますね。」


 実際、兵士の兄ちゃん達も、初めは試行錯誤していたの。

 でもコツを掴んだ後は早いです。

 前世でよく見たアクロバティックな、カッコいい走りを見せてくれた♪


「これはとても楽しいですね。」


「うん楽しい。ただ難点は、エコ魔石が機能してるかしてないか判らない事だな。」


 なるほど~…… それはあるかも………


「なかなか難しいな。それ以外はオッケーでいいか?」


「エコ魔石は塗装タイプですから、劣化の判断が難しいと思いますよ。交換対応してませんし。」


 ラックビルさんが言う様に、塗装のし直しで魔石を充電する感じになるみたい。

 ここも本人が出来るように改良の余地ありか。


「本人が毎回、走行前確認してくれじゃ、ダメだよな?」


 お父さんが試しに言うと、皆が頷きダメと言う。

 私は裏を見て魔力を少し流して見ると、薄っすらとボードの色が変わる。

 今度は強めに流す。ハッキリと塗装した所が赤色へ変化した。


「お父さん、表に柄を色付けして魔石を塗るの。ザラッとして滑り止めになるよ。そして色の変化で魔力のサインになるわ。ボードもカッコいいデザインにして、手袋付にしたら、火傷防止にするのはどうかな?」


 用心大事。大した熱さじゃなくても、わからないもん。

 それに前世のデザインは、めっちゃ派手でカッコよかった。

 中二病炸裂させたボードを作るのはどうだろう。

 ついでにそれに合わせた服も欲しい。


 ニマ~~~~♪私閃いたの。ここにモデルがいるの。

 商品説明にデモンストレーションは必要よね♪

 ちょうどクリスマスパーティーで、コンテスト結果発表するもの。

 盛り上げる為にも催しで、ジャジャン♪とデモンストレーションするのはどうかな♪


「ウフウフ…… フフフ……… 」


 頭の妄想に没頭する私に、まわりの様子に気づかない。


「アァ~…… こうなったら実行は確実だな。」


「何を思いついたのやら……… 」


「意外とムチャ振り炸裂させますからね……… 」


「あの……… 一瞬俺達見られたんですけど」


「俺達関係ないですよね?」


 不安そうな兵士の兄ちゃん達。

 大丈夫、コンテストでデモンストレーションしないの。

 一瞬考えたけど、お兄ちゃんのプレゼントだもの。

 やるなら渡した後にするの。

 だから、やるなら違う時にやりたいな♪


 私はお母さんを巻き込み、服のデザインをしているの。

 スキーウェアに似せたデザインにしたい。

 インパクト重視で派手な色彩と防寒。

 ズボンまでは無理だけど、上を変えたい!


「お口ぐらいまで上げたいの。中は暖かい物で裏生地につけたい。」


 そして手袋だ。腕の所が閉まるタイプを作るのだ。

 ここ出て来るマジックテープ。

 実はこの世界、カエルの唾液が代わりになるの。

 ちょうどモチとり粉みたいにベタベタして、透明なものなのよ。

 これを布に塗るとアラ不思議♪マジックテープもどきが出来上がるの!

 誰が考えたのか分からないけれど、よくやった!なの。


 隣の部屋では、お父さんとお兄ちゃんが話している。

 多分来年のお話をしているのだろうな。


 ”お兄ちゃん、学園行くのかなぁ?”


 行かないと言っているけど、行く事になると思うの。

 そう思うとやっぱり寂しい………

 このままプンプンして、いってらっしゃいはイヤだと思った。




 次の日の朝。インカゴールデンのお山を見に行く。

 今日は定休日だから、自由時間が多い。

 メイヤーちゃんとも遊ぶ予定。どこに飾るか考えないといけない。


「フウ……… 今日もお山は真っ白ね。」


 この山を見ると、前世の世界が近づいてくる気がする。

 いろいろなモノで溢れていた世界、懐かしくて、寂しい。

 まるで一人この世界に取り残されているような気分になる。

 空からチラチラと白雪が落ちて来る。

 顔に落ちる冷たい雪は、ヒヤッとして消えてゆく。


「何をしているの?マリス……… 」


 後ろを振り向くと、お兄ちゃんがいた。

 とても困った様な不安げな顔で、私を見ていた。


「寒いだろう、マリス。今日は雪が降り積もるかもしれない、帰ろう。」


 そう言って手を差し伸べる。私はその手をジッと見ていた。

 そんな私を不安げ見るお兄ちゃん。


「マリス、この前はごめんよ。始めに謝るべきだった。許してくれないか?」


「お兄ちゃんは、何が悪かったのかわかってる?」


「ああ…… 置いてきぼりにして、迎えに行かなかった。来るもんだと思っていたから……… 」


「私、邪魔って言われたんだよ。」


「ごめんよ。それを俺は聞こえなかったんだ。」


「………………」


 私は俯いた……… そんな私を抱きしめてお兄ちゃんは謝った。


「ごめん、始めに怒らず、理由を聞けばよかったんだ。ホントごめんよ、マリス。俺はマリスが大事だ。このままの状態は辛いよ。許してくれないか、お願いだ。」


 そう言って私の顔を見つめた。

 お兄ちゃんの瞳は不安げに揺れていた。


「お兄ちゃん、学園行くの?」


「そうだな。行く事になりそうだ。」


「それじゃあ、3年間会えないね。」


「イヤ、長期休みは戻るつもりだよ。」


「でも年に1回だよね……… 」


「……… なるべく帰る様にするつもりだ。マリスに会いたいからね。」


 そう言ってまたソッと抱きしめた。

 お兄ちゃんと離れ離れになるの………

 寂しいな……… 嫌だな……… 


「今度はちゃんとお話し聞いてね。」


「絶対そうするよ。ありがとうマリス。許してくれて……… 」


「まだ許すって言ってない……… 」


「どうしたら許してくれるの?」


 お兄ちゃんが頭を優しく撫でながら聞いて来る。


「抱っこして……… 」


「うん?」


「お家に帰りたいから、抱っこして。」


 私はそっぽを向いたブスくれた顔で、お兄ちゃんに言った。

 そんな私の鼻を摘まみ、ほほ笑むお兄ちゃん。


「仰せの通りに、我が愛しき姫よ。」


 そう言って、騎士の礼をして見せた。

 まったく口が上手いの。くさいセリフが似合うの。


 私は両手を差し出し、「ンッ!」と抱っこを催促。

 軽く抱き上げられ家路へ帰る。

 私は後ろを振り向き心の中で、インカゴールデンにさよならをした。


 抱き上げられ身体は、とっても暖かかった。










読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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