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22/22

ジュリアス・ピッコリコはいつも妹に振り回される 3

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 家に帰れば母さんはホッとした顔を見せた。

 親父は何も言わなかったけど、ホッとしているだろう。


 その日はマリスの同世代の子供達の、クリスマス企画の手伝いを仲間とする予定だった。

 マリスとメイヤーちゃん、俺とカイで広場に向かって行ったんだ。

 そしてまた前回の繰り返し、何で俺は素直に連れ去られてんだよ。

 それはカイも同じで、驚いていた。

 そしてなぜか俺の天敵ジュリ達は、俺達がやっている事に興味を示す。

 いや違う、やる気に満ち溢れだしたのだ。

 そしてどういう訳かマリスが懐いた。ついでにメイヤーちゃんも。


 ”なぜだ?!おかしいだろう?”


 俺のそんな顔に、ジュリはフフンと笑い、マリスを抱きしめる。


 ”アイツ……… ”


 ムカムカする気持ちを抱え、自宅に帰る。


「そりゃジュリ達は、マリスが言うには巻き込まれ事故で、共感してくれてありがとうらしいぞ。言ったじゃねぇか、オ・マ・エは裏切り者だったと。 良かったなぁ♪仲直り出来てホント。」


 親父の暢気に話す内容にゾッとした。

 俺は今回ホントに危うかったじゃないかと………


 それからもマリスはいろんな事を巻き起こす。

 俺達のダンスのオタ芸も変えた。

 たぶんこれがホントなのだろう。

 そしてジュリ達は………


「多分このフラッグバトンって、マリスちゃんには思入れのあるのね。」


 マリスがこのバトンの使い方を見せた時、いつものマリスと違ったそうだ。

 その様子をメイヤーちゃんが気づき、カイに伝えている、


「今回ちょっとマリスちゃん、やり過ぎてないか?」


 カイもいつもの飄々とした風情は消えていた。

 マリスはたくさんの人が、気遣い観察しているのだ。

 マリスは覚醒者がやる、高熱を出した事もがない。

 だから皆常日頃、警戒しているのだ。

 その高熱で、稀に亡くなる場合ある。

 後遺症が出る事もある。しかし………


【覚醒者の希望と願望の邪魔をしてはならない。】


 この聖約があるが為に、どうする事も出来ない。

 次々マリスが覚醒者の叡智を披露する度に……


 ”どうかマリスをお守りください。”


 皆は心密かに祈っていた。

 もちろん俺も、毎日祈る事しかできなかった。

 二人だけでインカゴールデンにピクニックへ行った時も、祈らずにいられない。

 そうしてクリスマスイブに近づいていくと……


 ”イルミネーションコンテスト”


 今年を象徴するイベントの開催だった。

 それと同時に、俺達のイベントも開催。

 ホントに忙しかった。肉体的に………

 アレでジュリは、リコの俺達世代男子に恨まれた。

 だが……

 子供達のとても楽しそうな天使の姿を見てしまうと……

 恨みは一気に解凍してしまうのだった。


「ホントジュリにはかなわねぇ…… 」


 カイは苦笑交じりで言う。でもそれは俺も同じ。

 彼女を中心とした女性達がいたから、よりマリスの覚醒者の望みに近づけた。


「マリスがとっても嬉しそうだ。」


「そうだな。ジュリ達はホントよく動いてる。」


 親父が俺に言った事はを思い出す。


「彼女たちは共感した、巻き込まれ事故だって………」


 俺達はジュリ達の提案を飲み込み、頑張るしかない。

 だってそれがマリスの願いであり、覚醒者の望みだからだ。


 辺りは幻想的名雰囲気になっている。

 商品を企画したのはマリスだった。

 だけどそれをより幻想的に紹介し、企画したのはジュリだ。

 マリスの喜んでいる姿が目に映る。

 メイヤーちゃんと二人で飛び上がり楽し気だ。


「ジュリの企画は大成功のようだな。」


「ああ、凄く喜んでいるよ。」


 ギルド長も見えているのだろう。

 すごく優しい顔でほほ笑んでいる。

 続々発表される順位と賞品、周りのボルゲージも上がった。

 マリスとメイヤーちゃんも、それに合わせて最高潮。


「ホントアイツら可愛いな。」


 カイは微笑ましげな顔で、一心に見ている。

 そんなカイに俺は一応聞く事にした。


「なあ…… お前メイヤーちゃんの事どう思ってんだ?」


 メイヤーちゃんは、普通のコチラの子供だ。

 確かにマリスと接するうちに、ちょっと変わったとは思う。

 そんな問いにカイはニヤリと笑うばかりで、

 ホントにコイツはよくわからん。

 暢気な様で策士な様で、とても面倒くさい奴なのだ。


 そんな話をしているうちに、イルミネーションコンテストも終わりを告げだ。




 次の日は二人だけの一日が始まる。

 朝から二人で朝食を作ったりしてね。


 ”まるで新婚生活みたいじゃないか!!”


 そして午前中からダンスを仕上げていく。

 午後になると、ジュリ達と合流。

 マリスは同世代の子供達と遊んでいる。


「なんだかんだと、明日が本番だな。」


「そうだな。」


「なあ…… ところでマリスちゃん、ロボットダンスどうするんだ?」


 何度も言うけど、マリスはいろんな人から見られている。

 本人は知られていないと思っているが、必ず誰かは知っている。、

 そしてロボットダンスも……


「毎日頑張ってるじゃない。ジュリアス君がどうにかしなさいよ!」


 これに関しては、ジュリが容赦しない。


「だいたい貴方、いつも見てるじゃない。運動神経いいんだから、お手伝いしてやり遂げなさいよ!!」


 ホント容赦ないんだよ。ジュリはマリスを理解し動いている。


「だけどマリスは、隠したそうなんだよな。」


「そんなの適当な事言って、混ざりなさいよ!」


 確かにそうなんだが、一時期ケンカしたせいで……


「だいたいお前のせいで、俺は一時期完全無視状態だったんだぞ。」


 そうだよ。よく考えたらコイツのせいじゃないか!


「そんな昔な事持ち出すなって、みみっちい男ね!」


「全然昔じゃねぇよ!ホントお前ムカつくな!!」


 俺とジュリが、ケンカし始めるのを止める、カイ。


「お前ら止めろよ。マリスちゃん達が気付くだろう。」


 そう言われ大人しく引きだがる、俺とジュリ。


「なあ、マリスちゃんがノリノリで踊っていた、アレもロボットダンスだよな?」


「たぶんそうなんだろう。あの ゲラゲラフォー♪ だろう?」


「そう、それだ!アレなかなかいいと思うんだ。」


 カイに言われ、確かにそうだけど………


「でもアレも隠したがっていたぞ?」


「だから真面目に考えず、適当に言って教えて貰いなさいよ!!」


 カイもそう思っているのか、うんうんと頷いていた。

 俺がマリスを見ると、ニコニコと笑っている姿があった。



 ****************



 その後豊作祭りでロボットダンス「スリ〇ー」は、皆がホラースタイル変装し踊る事になる。


「秋の盆踊りなの?!ち、違うの~~!!」


 とマリスは叫んでいたらしいが、とても人気なお祭りになる。

 実はそれを羨ましがったジュリアス達、学園組は……

 学園でも「ロボットダンス・スリ〇ー」の仮装パーティーを開催したのだった。

 もちろん人気が爆発し、全世界へと拡がっていったのは言うまでもない。



 ****************



 まあそれからもいろいろあったんだけど………

 やっぱりカイは、メイヤーちゃんを囲んていた。


 ”何が、俺に朝飯作ってくれだ!!”


 それにクリスマスコインも、なんかいい感じにどちらにも貢いだ。

 マリスとメイヤーちゃんにすごく感謝されやがった。


「なんだかんだと、俺の方がいい感じに終わったな。」


 カイがニヤニヤした顔で俺を見る。

 俺は最終的に6コインを飴玉4つと交換だった。

 カイも同じ6コインで、スルメ1つ、ぬいぐるみ1つ。

 この結果でわかるだろう。俺にギャンブル運はない。


 そして俺達のオタ芸も始まり、喝采の渦で幕を閉じだ。

 周りもスゴイ熱気で大騒ぎ、大成功だったのは過言ではない。

 そしてその後のメッセージキャンドルナイト。


「実際その時間に、これだけの量のライトを灯さないと分からないわね。この素晴らしさは。」


 俺達の世代は、子供達の企画の素晴らしさに酔いしれた。

 ジュリ達はもうどっぷり自分達の世界に飛び立っていた。

 まあ俺達も妄想したのは言うまでもないが………


 大人達がホットワインを片手に、夫婦連れで肩を寄せ合い歩く様を見ながら、


「お前仕事しろよ。」


 ニヤニヤしながら言うカイに……


「お前もな。」


 と言って小突き返す俺達。そんな俺達を呆れ顔で見るジュリ達。

 だけどそんな時間もあっという間に過ぎる訳で……


「やって良かったな、俺達。」


「ああ、最高の思いでだよ。どうする?自分達の子供達がやったら?」


「そりゃもちろん………」


「「「「「最高じゃない!!」」」」


 ”ああどうか…… 俺達もあの大人達の様な思いが出来ます様に……”


 祈らずにはいられない願いとなった。


 その後はセッセッとメッセンジャーのお仕事を、俺達は頑張ったのである。

 チビ達が大喜びする姿が目に浮かんだ。

 もちろん大いに喜んでくれたが、神様の贈り物には負けた。


 ”ホント何してくれるんだ………”


 そう思ったのは、俺だけじゃないだろう。



 そしてその後、本格的な冬には……


「ギャハハハハハ!!」


「アーハハハハハ!!!」


「ウギャアアアア?!!」


 たくさんの笑い声や雄たけびが聞こえる。

 とても騒がしい季節となった。

 いつもは引きこもり、縮こまっているんだが……


「マジ楽しいな♪自分で歩いて行くのは面倒くさいが、それでも楽しい♪」


「お前のマリス、サイコーだな♪」


 何をやっているのかと言えば、俺はファンスキーだ。

 マリスはジンニスさんに、魔石を使わなくても楽しめる事も伝えていた。

 だからそれを使用していない、スノーボードというモノ。

 これにはカイと、なぜかラディウスさんがハマった。

 滑って滑ってと切りなく滑り、楽しんでいた。


「オーホホホ、このゴーグルで店の資金が出来たわ♪」


「スキーウェアでバッチリ貯まりました♪」


「やった♪ありがとう諸君!!」


「キャハハハ♪キックボード楽しい♪」」


 何処までもジュリ達は、したたかで強かった。

 そしてマリスとメイヤーちゃんはというと……


「マリスちゃん、この雪のお家スゴイね。とっても暖かだよ。」


「でしょ、メイヤーちゃん。このおこた様のおかげなの。」


「ホントに暖かいわ。今度ジョーダンさんにお願いしようかね。」


「ホントだね。お母さん。」


 何でもかまくらという雪で作ったドームに、コタツを持ち込み雪の上でぬくぬくしているのだ。


「ホントあの光景不思議だよな。なんでわざわざ雪の上でって思うが。」


 他の皆も首を傾げながら、その光景を見ている。


「そしてあれ見ろよ。」


 七輪でスルメを焼いているマリス。

 それを美味しそうに割いて、マリスとメイヤーちゃんはハムハム食べていた。


「今じゃメイヤーの好物だ。噛めば噛むほど味がある。とか言ってな。」


 俺がフーーンと聞いていると………


「お前暢気にフウンとか言ってるけど、その後のセリフでそんな態度できるか?」


「何て言ったんだよ?」


「マリスちゃんが言ってたよ。こんなスルメみたいな男がいいんだって♪噛めば噛むほどいいお・と・こ♪」


 ハア~~~……… なんだそりゃ?!


「お前もスルメ食ってみた方がいいぜ。」


「お前食ったのか?」


「ああ、一応な…… 旨かったぞ。」


 俺はスルメの入手を心に誓った。

 だが海産物はホントにリコの町では貴重だ。

 つまり俺はスルメを食べる事が出来なかった。

 マリスも、あの日のスルメが最後だったようだ。


 ”嚙めば嚙むほどいい男って、どんな男なんだよ、マリス!!”


 ホント俺は、マリスに振り回される運命にある様だ。


 ついでに言えばマリスは、いつも通り元気に過ごしている。

 あれだけの事をして、平々凡々と……

 高熱の心配もなく、時々おこた様と言って籠る事もあるけれど、

 それ以外は何事もなく、元気でご機嫌だ。

 町の皆もホッとして、困った顔でほほ笑んでいる。


 とにかく今日もマリスは、元気に過ごしている。

 とてもいい事だよね♪ 


 それじゃあ、またいつか………




読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)


クリスマスシーズンのお話はこれにて終了します。


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