ジュリアス・ピッコリコはいつも妹に振り回される 3
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
家に帰れば母さんはホッとした顔を見せた。
親父は何も言わなかったけど、ホッとしているだろう。
その日はマリスの同世代の子供達の、クリスマス企画の手伝いを仲間とする予定だった。
マリスとメイヤーちゃん、俺とカイで広場に向かって行ったんだ。
そしてまた前回の繰り返し、何で俺は素直に連れ去られてんだよ。
それはカイも同じで、驚いていた。
そしてなぜか俺の天敵ジュリ達は、俺達がやっている事に興味を示す。
いや違う、やる気に満ち溢れだしたのだ。
そしてどういう訳かマリスが懐いた。ついでにメイヤーちゃんも。
”なぜだ?!おかしいだろう?”
俺のそんな顔に、ジュリはフフンと笑い、マリスを抱きしめる。
”アイツ……… ”
ムカムカする気持ちを抱え、自宅に帰る。
「そりゃジュリ達は、マリスが言うには巻き込まれ事故で、共感してくれてありがとうらしいぞ。言ったじゃねぇか、オ・マ・エは裏切り者だったと。 良かったなぁ♪仲直り出来てホント。」
親父の暢気に話す内容にゾッとした。
俺は今回ホントに危うかったじゃないかと………
それからもマリスはいろんな事を巻き起こす。
俺達のダンスのオタ芸も変えた。
たぶんこれがホントなのだろう。
そしてジュリ達は………
「多分このフラッグバトンって、マリスちゃんには思入れのあるのね。」
マリスがこのバトンの使い方を見せた時、いつものマリスと違ったそうだ。
その様子をメイヤーちゃんが気づき、カイに伝えている、
「今回ちょっとマリスちゃん、やり過ぎてないか?」
カイもいつもの飄々とした風情は消えていた。
マリスはたくさんの人が、気遣い観察しているのだ。
マリスは覚醒者がやる、高熱を出した事もがない。
だから皆常日頃、警戒しているのだ。
その高熱で、稀に亡くなる場合ある。
後遺症が出る事もある。しかし………
【覚醒者の希望と願望の邪魔をしてはならない。】
この聖約があるが為に、どうする事も出来ない。
次々マリスが覚醒者の叡智を披露する度に……
”どうかマリスをお守りください。”
皆は心密かに祈っていた。
もちろん俺も、毎日祈る事しかできなかった。
二人だけでインカゴールデンにピクニックへ行った時も、祈らずにいられない。
そうしてクリスマスイブに近づいていくと……
”イルミネーションコンテスト”
今年を象徴するイベントの開催だった。
それと同時に、俺達のイベントも開催。
ホントに忙しかった。肉体的に………
アレでジュリは、リコの俺達世代男子に恨まれた。
だが……
子供達のとても楽しそうな天使の姿を見てしまうと……
恨みは一気に解凍してしまうのだった。
「ホントジュリにはかなわねぇ…… 」
カイは苦笑交じりで言う。でもそれは俺も同じ。
彼女を中心とした女性達がいたから、よりマリスの覚醒者の望みに近づけた。
「マリスがとっても嬉しそうだ。」
「そうだな。ジュリ達はホントよく動いてる。」
親父が俺に言った事はを思い出す。
「彼女たちは共感した、巻き込まれ事故だって………」
俺達はジュリ達の提案を飲み込み、頑張るしかない。
だってそれがマリスの願いであり、覚醒者の望みだからだ。
辺りは幻想的名雰囲気になっている。
商品を企画したのはマリスだった。
だけどそれをより幻想的に紹介し、企画したのはジュリだ。
マリスの喜んでいる姿が目に映る。
メイヤーちゃんと二人で飛び上がり楽し気だ。
「ジュリの企画は大成功のようだな。」
「ああ、凄く喜んでいるよ。」
ギルド長も見えているのだろう。
すごく優しい顔でほほ笑んでいる。
続々発表される順位と賞品、周りのボルゲージも上がった。
マリスとメイヤーちゃんも、それに合わせて最高潮。
「ホントアイツら可愛いな。」
カイは微笑ましげな顔で、一心に見ている。
そんなカイに俺は一応聞く事にした。
「なあ…… お前メイヤーちゃんの事どう思ってんだ?」
メイヤーちゃんは、普通のコチラの子供だ。
確かにマリスと接するうちに、ちょっと変わったとは思う。
そんな問いにカイはニヤリと笑うばかりで、
ホントにコイツはよくわからん。
暢気な様で策士な様で、とても面倒くさい奴なのだ。
そんな話をしているうちに、イルミネーションコンテストも終わりを告げだ。
次の日は二人だけの一日が始まる。
朝から二人で朝食を作ったりしてね。
”まるで新婚生活みたいじゃないか!!”
そして午前中からダンスを仕上げていく。
午後になると、ジュリ達と合流。
マリスは同世代の子供達と遊んでいる。
「なんだかんだと、明日が本番だな。」
「そうだな。」
「なあ…… ところでマリスちゃん、ロボットダンスどうするんだ?」
何度も言うけど、マリスはいろんな人から見られている。
本人は知られていないと思っているが、必ず誰かは知っている。、
そしてロボットダンスも……
「毎日頑張ってるじゃない。ジュリアス君がどうにかしなさいよ!」
これに関しては、ジュリが容赦しない。
「だいたい貴方、いつも見てるじゃない。運動神経いいんだから、お手伝いしてやり遂げなさいよ!!」
ホント容赦ないんだよ。ジュリはマリスを理解し動いている。
「だけどマリスは、隠したそうなんだよな。」
「そんなの適当な事言って、混ざりなさいよ!」
確かにそうなんだが、一時期ケンカしたせいで……
「だいたいお前のせいで、俺は一時期完全無視状態だったんだぞ。」
そうだよ。よく考えたらコイツのせいじゃないか!
「そんな昔な事持ち出すなって、みみっちい男ね!」
「全然昔じゃねぇよ!ホントお前ムカつくな!!」
俺とジュリが、ケンカし始めるのを止める、カイ。
「お前ら止めろよ。マリスちゃん達が気付くだろう。」
そう言われ大人しく引きだがる、俺とジュリ。
「なあ、マリスちゃんがノリノリで踊っていた、アレもロボットダンスだよな?」
「たぶんそうなんだろう。あの ゲラゲラフォー♪ だろう?」
「そう、それだ!アレなかなかいいと思うんだ。」
カイに言われ、確かにそうだけど………
「でもアレも隠したがっていたぞ?」
「だから真面目に考えず、適当に言って教えて貰いなさいよ!!」
カイもそう思っているのか、うんうんと頷いていた。
俺がマリスを見ると、ニコニコと笑っている姿があった。
****************
その後豊作祭りでロボットダンス「スリ〇ー」は、皆がホラースタイル変装し踊る事になる。
「秋の盆踊りなの?!ち、違うの~~!!」
とマリスは叫んでいたらしいが、とても人気なお祭りになる。
実はそれを羨ましがったジュリアス達、学園組は……
学園でも「ロボットダンス・スリ〇ー」の仮装パーティーを開催したのだった。
もちろん人気が爆発し、全世界へと拡がっていったのは言うまでもない。
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まあそれからもいろいろあったんだけど………
やっぱりカイは、メイヤーちゃんを囲んていた。
”何が、俺に朝飯作ってくれだ!!”
それにクリスマスコインも、なんかいい感じにどちらにも貢いだ。
マリスとメイヤーちゃんにすごく感謝されやがった。
「なんだかんだと、俺の方がいい感じに終わったな。」
カイがニヤニヤした顔で俺を見る。
俺は最終的に6コインを飴玉4つと交換だった。
カイも同じ6コインで、スルメ1つ、ぬいぐるみ1つ。
この結果でわかるだろう。俺にギャンブル運はない。
そして俺達のオタ芸も始まり、喝采の渦で幕を閉じだ。
周りもスゴイ熱気で大騒ぎ、大成功だったのは過言ではない。
そしてその後のメッセージキャンドルナイト。
「実際その時間に、これだけの量のライトを灯さないと分からないわね。この素晴らしさは。」
俺達の世代は、子供達の企画の素晴らしさに酔いしれた。
ジュリ達はもうどっぷり自分達の世界に飛び立っていた。
まあ俺達も妄想したのは言うまでもないが………
大人達がホットワインを片手に、夫婦連れで肩を寄せ合い歩く様を見ながら、
「お前仕事しろよ。」
ニヤニヤしながら言うカイに……
「お前もな。」
と言って小突き返す俺達。そんな俺達を呆れ顔で見るジュリ達。
だけどそんな時間もあっという間に過ぎる訳で……
「やって良かったな、俺達。」
「ああ、最高の思いでだよ。どうする?自分達の子供達がやったら?」
「そりゃもちろん………」
「「「「「最高じゃない!!」」」」
”ああどうか…… 俺達もあの大人達の様な思いが出来ます様に……”
祈らずにはいられない願いとなった。
その後はセッセッとメッセンジャーのお仕事を、俺達は頑張ったのである。
チビ達が大喜びする姿が目に浮かんだ。
もちろん大いに喜んでくれたが、神様の贈り物には負けた。
”ホント何してくれるんだ………”
そう思ったのは、俺だけじゃないだろう。
そしてその後、本格的な冬には……
「ギャハハハハハ!!」
「アーハハハハハ!!!」
「ウギャアアアア?!!」
たくさんの笑い声や雄たけびが聞こえる。
とても騒がしい季節となった。
いつもは引きこもり、縮こまっているんだが……
「マジ楽しいな♪自分で歩いて行くのは面倒くさいが、それでも楽しい♪」
「お前のマリス、サイコーだな♪」
何をやっているのかと言えば、俺はファンスキーだ。
マリスはジンニスさんに、魔石を使わなくても楽しめる事も伝えていた。
だからそれを使用していない、スノーボードというモノ。
これにはカイと、なぜかラディウスさんがハマった。
滑って滑ってと切りなく滑り、楽しんでいた。
「オーホホホ、このゴーグルで店の資金が出来たわ♪」
「スキーウェアでバッチリ貯まりました♪」
「やった♪ありがとう諸君!!」
「キャハハハ♪キックボード楽しい♪」」
何処までもジュリ達は、したたかで強かった。
そしてマリスとメイヤーちゃんはというと……
「マリスちゃん、この雪のお家スゴイね。とっても暖かだよ。」
「でしょ、メイヤーちゃん。このおこた様のおかげなの。」
「ホントに暖かいわ。今度ジョーダンさんにお願いしようかね。」
「ホントだね。お母さん。」
何でもかまくらという雪で作ったドームに、コタツを持ち込み雪の上でぬくぬくしているのだ。
「ホントあの光景不思議だよな。なんでわざわざ雪の上でって思うが。」
他の皆も首を傾げながら、その光景を見ている。
「そしてあれ見ろよ。」
七輪でスルメを焼いているマリス。
それを美味しそうに割いて、マリスとメイヤーちゃんはハムハム食べていた。
「今じゃメイヤーの好物だ。噛めば噛むほど味がある。とか言ってな。」
俺がフーーンと聞いていると………
「お前暢気にフウンとか言ってるけど、その後のセリフでそんな態度できるか?」
「何て言ったんだよ?」
「マリスちゃんが言ってたよ。こんなスルメみたいな男がいいんだって♪噛めば噛むほどいいお・と・こ♪」
ハア~~~……… なんだそりゃ?!
「お前もスルメ食ってみた方がいいぜ。」
「お前食ったのか?」
「ああ、一応な…… 旨かったぞ。」
俺はスルメの入手を心に誓った。
だが海産物はホントにリコの町では貴重だ。
つまり俺はスルメを食べる事が出来なかった。
マリスも、あの日のスルメが最後だったようだ。
”嚙めば嚙むほどいい男って、どんな男なんだよ、マリス!!”
ホント俺は、マリスに振り回される運命にある様だ。
ついでに言えばマリスは、いつも通り元気に過ごしている。
あれだけの事をして、平々凡々と……
高熱の心配もなく、時々おこた様と言って籠る事もあるけれど、
それ以外は何事もなく、元気でご機嫌だ。
町の皆もホッとして、困った顔でほほ笑んでいる。
とにかく今日もマリスは、元気に過ごしている。
とてもいい事だよね♪
それじゃあ、またいつか………
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)
クリスマスシーズンのお話はこれにて終了します。




