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2/22

クリスマスシーズン☃ 2

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 さて両親へのクリスマスプレゼントは、皆と一緒にやるのよ。

 後はお兄ちゃんのプレゼント、なかなか大変なの。



 今はとりあえずテスト走行をする日。

 実際使ってみて、どうなるが判断するの。

 今日はジンニスさんの、知り合いの兵士の兄ちゃんが2人来てくれた。

 どうしてかというと、運動神経が必要な乗り物なのです。


 お兄ちゃんのクリスマスプレゼントは乗り物!

 キックボードのそりとショートスキータイプのモノを作ってみました。

 作ったのは私じゃないよ。絵を描いてお願いしたのです。

 どちらもエコ魔石搭載で、キックボードは車輪取替機能付き。

 これで一年中使う事が出来るでしょう♪



「んじゃ!ココなら誰も来ないのでやってみよう♪」


 今声掛けしている人、実はわが父ジョーダン。

 何故バレた!!と私が驚くと、ラックビルさんが謝った。

 何でも私のコソコソと、ラックビルさんのコソコソで訝しく見られ、観察されていたらしい。

 他にもいろいろと見られて、推測されて正解に辿りついたんだって。

 うちのお父さん、ホント何者?!

 もちろん私は怒られた。頭挟んでグリグリされた。

 一応お父さんは事情を聞いたそうだけど………


「こんな面白いモンに関われないのはムカつくな。ついでに内緒にされる親の気持ちも考えろ!」


 泣き出すまでグリグリされた。ホントにごめんなさい。

 実際お父さんが関わった事で、一気に問題点が解決して開発が進んだの。

 うちのお父さん、凄いでしょ。


「じゃあ行くぞ~~~♪」


 ヤレヤレ……… やる気満々なの。


 兵士の兄ちゃん達が乗り物に乗り、おそるおそる魔力を入れる。

 キックボードはスーと前へ動いた。

 だけどショートスキーの方は、動かないみたい。

 試しに入れ替わって、魔力流したけど動かない。


「ショート「ファンスキーなの。」… ファンスキーの方は問題ありか。」


 ジンニスさんが、ザックザックとファンスキーに近づき確認している。

 そして乗ってみて、魔力を流す。

 確認が終わった、ジンニスさん。


「コイツはボードが悪ィな。」


 お父さん達が、ファンスキーの方へ向かった。

 私はいそいそと、お父さん達がお話している間にレツラゴー♪

 ルンタッタ♪とキックボードの方へ向かう。

 だってキックボードは、私用に考えたモノなの♪



 兵士のお兄ちゃんに、お願いするの。


「兄ちゃん、マリスにも乗せて。」


 キックボードの兄ちゃんに、上目遣いで……ウルウル

 だけど兵士の兄ちゃん達からはノー。

 幼女のおねだり作戦ダメだった。

 安全確認できてないから、仕方ないの。

 だけどそこでへこたれるマリスじゃないの。


「ちょこっとだけ、乗せて。」


 拝み倒すのよ、マリス。

 だって乗ってみないと分からない事もあるはずよ。

 ちょっと前世の私が強く出てるかも。

 でも前回の失敗を踏まえて、商品の違いを見比べてみるわ。

 失敗は許されないの。頑張れ、わたし。


「お願いします。お兄ちゃんの運転でいいから乗せて!」


 兵士の兄ちゃんの足にしがみ付き、無理やりオッケーを頂いた。

 そして魔力を入れて貰い、キックボードを動かして貰う。

 エンジン代わりの魔石の周りが凍り付き、そりとボードは雪だらけ。


 ”止まったら凍り付くの。”


  ちょっと手入れが大変で、持ち運びも考えものだわ。


「お兄ちゃん、もう少しスピード上げれる?」


 そしてお願いすればやっぱりそうだ。


 ”速度が余り上がらないの。ついでに、キックするとずぼって前がなるの。”


 試しにちょっと雪深めな所をお願いすると、埋まった感じになり進めない。


「ありがとうございました。ペコリ♪」


 挨拶して、お父さん達の所へ行き伝える事にする。

 さてマリスはお父さんにモニョモニョするのよ♪



 お父さん達の所へ向かうと、ファンスキー裏をみたり、側面を見たりしている。


 ”何をしているんだろう?”


 お父さん達の傍に行くと、ボードの形を変える話をしていた。


「つまりだ!このボードはキックボードと違いべったり雪の上だよな。」


 そうだね。べったりだね!そうなのお父さん、天才♪

 マリスは凄い事を思い出したの。


「お父さん、火の魔石もあったがいいよ。風が噴射した後表面に凍り付くの。スピード早くなると板に雪が積もって足が冷たいし、滑っちゃうわ。後、雪に接触する裏の板に溝があった方がいいと思うのよ。」


 どうだ役に立つ情報でしょう。マリスは賢い。

 フスフスと鼻息荒く言えば、お父さんから頭をナーデナーデと撫で回される。


「さすがマリス。今ので閃き来たぞ♪」


「俺はボードの形状を変えよう。」


「私は魔石ですか。ヤレヤレ……… 計算のし直しですね。」


「あのねジンニスさん。実はね……… 」


 ちょっと思い付いた事を言うの。どうなるかなぁ♪




「マリスも一緒に広場に行くの?」


「うん♪だって今年お兄ちゃん最後でしょ?」


「俺はずっとここにいるつもりだけどな。」


 フンと鼻を鳴らすお兄ちゃん。


 ”ヤレヤレ…… 当分ご機嫌ナナメが続きそうだ。”



 街に向かえば、更に彩豊かになっていくイルミネーション。

 お店ごとに自分達で作っているから多種多様なの。

 見ているだけでとても楽しくなるわ。

 特に酒場のお店が作った、ビール瓶キラキラのイルミネーション。

 前世で見た事がある飾り付けだった。


 ”おぉスゴイ!!小さいエコ魔石なら自由自在だもんね。


 小石の様な魔石が瓶に入れられ、キラキラ輝いて酒の瓶の存在感を増す。

 うんうん♪店のアピールも確かに重要。

 せっかくだから、イルミネーションコンテストした方がいいよね。

 ニヤリとふと思いつき、いそいそと商店街の上役おっちゃん処へ向かった。


 ところでお兄ちゃんはどうしたと思うでしょ。

 あの後ね。ひと悶着があったの。と言っても私被害者よ。

 よくあるお話というか………

 私そこまでいい子じゃないの。

 やられたらやり返すそうな子なの。

 だってお腹の中で我慢してもいい事ないのよ。

 我慢は大切よ。でもいい我慢と悪い我慢があると思うの。


 それで今回は、悪い我慢の方だから話すわ。

 というか愚痴を言ってもいいかしら。

 もうね、何でそうなるのかなぁ?というお話なの。

 私思ったの。独り善がり恋愛程迷惑なモノはないって。

 将来………黒歴史なるのよ。うん、絶対よ。

 前世の私がそう力説してるの。


 独り善がりダメ、絶対!私努力するわ。

 今度こそ、クリスマスイルミネーションの下で恋人と歩くの。

 そしてディナーにプレゼント交換。

 今世こそやってやるのよ、マリス!!


 そうなの、もともと私の前世の欲求から始まったクリスマスイルミネーション。

 ある意味、恋する乙女の欲求と願望の塊。

 それに反応しないはずがないのだ。花畑が………



 まず我が兄ジュリアス・ピッコリコ12歳。

 サラサラの銀色の髪と、空色の瞳の綺麗なキラキラなイケメン。

 性格はしっかり者で面倒見も良く、ちょと小悪魔的要素あり。

 つまりモテるのが当たり前。


「でもね。私、妹なのよ。一緒にいて何が悪い訳?」


 別に私から、引っ付いて来たわけじゃないもの。

 というか引っ付いて来たのアンタ達だから!!

 なのに何故「アナタ邪魔よ。」って言われる訳?

 私何を言われたのかわからず、ポカーンとしてしまったわ。

 そしてお兄ちゃんを取り囲むようにして、連れ去って言ったの。

 おかげで一人ポツンと、取り残されていたのよ。


 お兄ちゃんもお兄ちゃんで、何で連れ去られているのよ!

 何で邪魔扱いされた時、何も言わないかな?

 なんだかんだ、花畑よりお兄ちゃんに頭に来てるかも………

 こう何というか、裏切られた様な気分。


 よく考えたら恋する乙女が、エキサイティングしてもおかしくないの。

 だって恋に恋する憧れ乙女のシチュエーションよ。

 考えてみたら彼女達、私の巻き込まれ事故よ………

 それにお兄ちゃんも、来年から学園。このリコの町から離れる。

 アノ世代の女の子達は大変だ。この世界は16歳~結婚適齢期。

 学園なんか行ったら、もっとライバル達が増えるもの。

 なんかそう考えたら、怒りより不憫な気持ちになって来た。

 そっかー、16歳……… 4年なんてあっという間だもんね。

 この世界の結婚は、ホントその後の生活に直結するもの。

 特にリコの町は大変だね、いろいろと…… 

 他人事じゃないの。私も同じなの。


 こうして怒りは、兄のジュリアス・ピッコリコのみに向けられる事となる。 



 ズボッズボッと雪の道を歩くの。

 ヤッパリ早くできないかな、キックボード。

 ホント出来れば、こう浮く感じに出来ないの?

 でも浮く魔法はお父さんがない言っていたわ。

 自分で調べたら案外違う着目あったりする?

 マリスの前世さんどうなのよ?

 そんな事を考えながら、商店街のおっちゃん処へ向かった。


「おっちゃん、元気?」


 私は手を挙げておっちゃんのあいさつをした。

 おっちゃんは商業ギルドを兼ね備えた八百屋さん。

 日々いろんな町から美味しいお野菜を仕入れてくれるの。

 たくさんの顔を持っているから、いつも忙しそうなの。


「おや?マリスちゃんじゃないか。おつかいかい?」


 八百屋のおっちゃんの見た目は、はっきり言って執事だ。

 パリッとした服を着て、緩いソバージュをオールバックしたイケおじ。 

 片手に持ったごぼうが、杖に見える不思議。

(そうこの世界、なぜかごぼうがあるのよ。不思議よね。)


「おっちゃんに相談があって来たの♪ちょっと裏までいいかしら?」


 ニヤリと笑い、親指を立ててクィッと後ろに向けたの。

 どうだ!カッコ良く決まったかな♪

 そんな私を微笑ましそうに見つめて、ごぼうを振り上げ頭を叩かれた。



 今は裏の事務所のソファーに座っているマリスです。


「全く一体誰のマネですか?女の子がしてはいけませんよ。」


 ごぼうは意外に痛かった。しなる分だけの打撃があった。


「さてマリスちゃん、ホントの用事は何かな?」


 私に暖かいエッグノッグを差し出す。

 リコの町の冬場定番な飲み物。ミルクセーキのホット版。


「今日、商店街のイルミネーション見て回ったの。お店ごとに装飾されて素敵だったの。」


「ええ、皆とっても楽しいようです。明るくなる毎に、店内も活気が湧くのですよ。」


 目を細めてとても楽しそうな様子で話す、おっちゃん。


「とても楽しいよね。皆が競う様に華やかになってたもん♪」


「そうでしょう。ああいうのは目立ったもん勝ちですからねぇ♪」


 フフッと笑って、ついでに入れた自分のコーヒーを飲んでいる。

 私もフーフーしながら飲む。ほんのり入ったナツメグの香りが素敵です。


「美味しいの♪ありがとう、おっちゃん。」


「どういたしまして。」


 おっちゃんとお茶しながら、事務所をキョロキョロ。

 机を見ると山と積まれた書類の束、なんとなく言い出し辛い。


「ふと思ったの。コンテストしたらどうかなって♪審査員は町の人達。皆に投票して貰うの。クリスマスイブまでのイベントになるよ。客足も増えて忙しくなるのが難点かな。どう思う?」


 おっちゃんはジックリと考えている。

 なので私はフーフーしながら、イケおじ観察中。

 渋い大人の男性。推せる♪イケメンコンテストとかも主宰したいな♪


「いいですね!そうしましょう!!」


「うん?いけめんコンテスト??」


 おっちゃんもエントリーするの?


「何を言ってるんです?イルミネーションコンテストですよね?」


 アァ……… そう言えばそうだった。


「もちろんそうだよ。でコンテスト審査の内容は、派手さだけじゃないの。自分のお店をちゃんとアピールしているかなの。ここがポイント!」


「なるほど、アピール・技術・芸術とポイントを分けましょう。楽しくなりますね。」


「おっちゃんは更に忙しくなるね。ごめんね、おっちゃん。」


 するとおっちゃんはフフッと笑って言った。


「ならばお仕事を1つお願いしましょう。雪まつりと同じです。入賞商品を準備してくれますか?」


「しょうひん………??」


「ジョーダンさんならわかると思います。聞いてみて下さいね。」


 お父さん……… ア、アレまた私やっちゃった?!


「この話ちゃんとお父さんに通したのかな?マリスちゃん。」


 ウ、ウウウ……… また頭グリグリの刑なの。


「頑張ってくださいね。」


 ニッコリと笑う、おっちゃん。

 ヤッパリ仕事が増える事にはお怒りだったようだ。


 おっちゃん容赦ないの………

 もちろんお父さんからグリグリ刑が執行された。






読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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