クリスマスシーズン☃ 2
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
さて両親へのクリスマスプレゼントは、皆と一緒にやるのよ。
後はお兄ちゃんのプレゼント、なかなか大変なの。
今はとりあえずテスト走行をする日。
実際使ってみて、どうなるが判断するの。
今日はジンニスさんの、知り合いの兵士の兄ちゃんが2人来てくれた。
どうしてかというと、運動神経が必要な乗り物なのです。
お兄ちゃんのクリスマスプレゼントは乗り物!
キックボードのそりとショートスキータイプのモノを作ってみました。
作ったのは私じゃないよ。絵を描いてお願いしたのです。
どちらもエコ魔石搭載で、キックボードは車輪取替機能付き。
これで一年中使う事が出来るでしょう♪
「んじゃ!ココなら誰も来ないのでやってみよう♪」
今声掛けしている人、実はわが父ジョーダン。
何故バレた!!と私が驚くと、ラックビルさんが謝った。
何でも私のコソコソと、ラックビルさんのコソコソで訝しく見られ、観察されていたらしい。
他にもいろいろと見られて、推測されて正解に辿りついたんだって。
うちのお父さん、ホント何者?!
もちろん私は怒られた。頭挟んでグリグリされた。
一応お父さんは事情を聞いたそうだけど………
「こんな面白いモンに関われないのはムカつくな。ついでに内緒にされる親の気持ちも考えろ!」
泣き出すまでグリグリされた。ホントにごめんなさい。
実際お父さんが関わった事で、一気に問題点が解決して開発が進んだの。
うちのお父さん、凄いでしょ。
「じゃあ行くぞ~~~♪」
ヤレヤレ……… やる気満々なの。
兵士の兄ちゃん達が乗り物に乗り、おそるおそる魔力を入れる。
キックボードはスーと前へ動いた。
だけどショートスキーの方は、動かないみたい。
試しに入れ替わって、魔力流したけど動かない。
「ショート「ファンスキーなの。」… ファンスキーの方は問題ありか。」
ジンニスさんが、ザックザックとファンスキーに近づき確認している。
そして乗ってみて、魔力を流す。
確認が終わった、ジンニスさん。
「コイツはボードが悪ィな。」
お父さん達が、ファンスキーの方へ向かった。
私はいそいそと、お父さん達がお話している間にレツラゴー♪
ルンタッタ♪とキックボードの方へ向かう。
だってキックボードは、私用に考えたモノなの♪
兵士のお兄ちゃんに、お願いするの。
「兄ちゃん、マリスにも乗せて。」
キックボードの兄ちゃんに、上目遣いで……ウルウル
だけど兵士の兄ちゃん達からはノー。
幼女のおねだり作戦ダメだった。
安全確認できてないから、仕方ないの。
だけどそこでへこたれるマリスじゃないの。
「ちょこっとだけ、乗せて。」
拝み倒すのよ、マリス。
だって乗ってみないと分からない事もあるはずよ。
ちょっと前世の私が強く出てるかも。
でも前回の失敗を踏まえて、商品の違いを見比べてみるわ。
失敗は許されないの。頑張れ、わたし。
「お願いします。お兄ちゃんの運転でいいから乗せて!」
兵士の兄ちゃんの足にしがみ付き、無理やりオッケーを頂いた。
そして魔力を入れて貰い、キックボードを動かして貰う。
エンジン代わりの魔石の周りが凍り付き、そりとボードは雪だらけ。
”止まったら凍り付くの。”
ちょっと手入れが大変で、持ち運びも考えものだわ。
「お兄ちゃん、もう少しスピード上げれる?」
そしてお願いすればやっぱりそうだ。
”速度が余り上がらないの。ついでに、キックするとずぼって前がなるの。”
試しにちょっと雪深めな所をお願いすると、埋まった感じになり進めない。
「ありがとうございました。ペコリ♪」
挨拶して、お父さん達の所へ行き伝える事にする。
さてマリスはお父さんにモニョモニョするのよ♪
お父さん達の所へ向かうと、ファンスキー裏をみたり、側面を見たりしている。
”何をしているんだろう?”
お父さん達の傍に行くと、ボードの形を変える話をしていた。
「つまりだ!このボードはキックボードと違いべったり雪の上だよな。」
そうだね。べったりだね!そうなのお父さん、天才♪
マリスは凄い事を思い出したの。
「お父さん、火の魔石もあったがいいよ。風が噴射した後表面に凍り付くの。スピード早くなると板に雪が積もって足が冷たいし、滑っちゃうわ。後、雪に接触する裏の板に溝があった方がいいと思うのよ。」
どうだ役に立つ情報でしょう。マリスは賢い。
フスフスと鼻息荒く言えば、お父さんから頭をナーデナーデと撫で回される。
「さすがマリス。今ので閃き来たぞ♪」
「俺はボードの形状を変えよう。」
「私は魔石ですか。ヤレヤレ……… 計算のし直しですね。」
「あのねジンニスさん。実はね……… 」
ちょっと思い付いた事を言うの。どうなるかなぁ♪
「マリスも一緒に広場に行くの?」
「うん♪だって今年お兄ちゃん最後でしょ?」
「俺はずっとここにいるつもりだけどな。」
フンと鼻を鳴らすお兄ちゃん。
”ヤレヤレ…… 当分ご機嫌ナナメが続きそうだ。”
街に向かえば、更に彩豊かになっていくイルミネーション。
お店ごとに自分達で作っているから多種多様なの。
見ているだけでとても楽しくなるわ。
特に酒場のお店が作った、ビール瓶キラキラのイルミネーション。
前世で見た事がある飾り付けだった。
”おぉスゴイ!!小さいエコ魔石なら自由自在だもんね。
小石の様な魔石が瓶に入れられ、キラキラ輝いて酒の瓶の存在感を増す。
うんうん♪店のアピールも確かに重要。
せっかくだから、イルミネーションコンテストした方がいいよね。
ニヤリとふと思いつき、いそいそと商店街の上役おっちゃん処へ向かった。
ところでお兄ちゃんはどうしたと思うでしょ。
あの後ね。ひと悶着があったの。と言っても私被害者よ。
よくあるお話というか………
私そこまでいい子じゃないの。
やられたらやり返すそうな子なの。
だってお腹の中で我慢してもいい事ないのよ。
我慢は大切よ。でもいい我慢と悪い我慢があると思うの。
それで今回は、悪い我慢の方だから話すわ。
というか愚痴を言ってもいいかしら。
もうね、何でそうなるのかなぁ?というお話なの。
私思ったの。独り善がり恋愛程迷惑なモノはないって。
将来………黒歴史なるのよ。うん、絶対よ。
前世の私がそう力説してるの。
独り善がりダメ、絶対!私努力するわ。
今度こそ、クリスマスイルミネーションの下で恋人と歩くの。
そしてディナーにプレゼント交換。
今世こそやってやるのよ、マリス!!
そうなの、もともと私の前世の欲求から始まったクリスマスイルミネーション。
ある意味、恋する乙女の欲求と願望の塊。
それに反応しないはずがないのだ。花畑が………
まず我が兄ジュリアス・ピッコリコ12歳。
サラサラの銀色の髪と、空色の瞳の綺麗なキラキラなイケメン。
性格はしっかり者で面倒見も良く、ちょと小悪魔的要素あり。
つまりモテるのが当たり前。
「でもね。私、妹なのよ。一緒にいて何が悪い訳?」
別に私から、引っ付いて来たわけじゃないもの。
というか引っ付いて来たのアンタ達だから!!
なのに何故「アナタ邪魔よ。」って言われる訳?
私何を言われたのかわからず、ポカーンとしてしまったわ。
そしてお兄ちゃんを取り囲むようにして、連れ去って言ったの。
おかげで一人ポツンと、取り残されていたのよ。
お兄ちゃんもお兄ちゃんで、何で連れ去られているのよ!
何で邪魔扱いされた時、何も言わないかな?
なんだかんだ、花畑よりお兄ちゃんに頭に来てるかも………
こう何というか、裏切られた様な気分。
よく考えたら恋する乙女が、エキサイティングしてもおかしくないの。
だって恋に恋する憧れ乙女のシチュエーションよ。
考えてみたら彼女達、私の巻き込まれ事故よ………
それにお兄ちゃんも、来年から学園。このリコの町から離れる。
アノ世代の女の子達は大変だ。この世界は16歳~結婚適齢期。
学園なんか行ったら、もっとライバル達が増えるもの。
なんかそう考えたら、怒りより不憫な気持ちになって来た。
そっかー、16歳……… 4年なんてあっという間だもんね。
この世界の結婚は、ホントその後の生活に直結するもの。
特にリコの町は大変だね、いろいろと……
他人事じゃないの。私も同じなの。
こうして怒りは、兄のジュリアス・ピッコリコのみに向けられる事となる。
ズボッズボッと雪の道を歩くの。
ヤッパリ早くできないかな、キックボード。
ホント出来れば、こう浮く感じに出来ないの?
でも浮く魔法はお父さんがない言っていたわ。
自分で調べたら案外違う着目あったりする?
マリスの前世さんどうなのよ?
そんな事を考えながら、商店街のおっちゃん処へ向かった。
「おっちゃん、元気?」
私は手を挙げておっちゃんのあいさつをした。
おっちゃんは商業ギルドを兼ね備えた八百屋さん。
日々いろんな町から美味しいお野菜を仕入れてくれるの。
たくさんの顔を持っているから、いつも忙しそうなの。
「おや?マリスちゃんじゃないか。おつかいかい?」
八百屋のおっちゃんの見た目は、はっきり言って執事だ。
パリッとした服を着て、緩いソバージュをオールバックしたイケおじ。
片手に持ったごぼうが、杖に見える不思議。
(そうこの世界、なぜかごぼうがあるのよ。不思議よね。)
「おっちゃんに相談があって来たの♪ちょっと裏までいいかしら?」
ニヤリと笑い、親指を立ててクィッと後ろに向けたの。
どうだ!カッコ良く決まったかな♪
そんな私を微笑ましそうに見つめて、ごぼうを振り上げ頭を叩かれた。
今は裏の事務所のソファーに座っているマリスです。
「全く一体誰のマネですか?女の子がしてはいけませんよ。」
ごぼうは意外に痛かった。しなる分だけの打撃があった。
「さてマリスちゃん、ホントの用事は何かな?」
私に暖かいエッグノッグを差し出す。
リコの町の冬場定番な飲み物。ミルクセーキのホット版。
「今日、商店街のイルミネーション見て回ったの。お店ごとに装飾されて素敵だったの。」
「ええ、皆とっても楽しいようです。明るくなる毎に、店内も活気が湧くのですよ。」
目を細めてとても楽しそうな様子で話す、おっちゃん。
「とても楽しいよね。皆が競う様に華やかになってたもん♪」
「そうでしょう。ああいうのは目立ったもん勝ちですからねぇ♪」
フフッと笑って、ついでに入れた自分のコーヒーを飲んでいる。
私もフーフーしながら飲む。ほんのり入ったナツメグの香りが素敵です。
「美味しいの♪ありがとう、おっちゃん。」
「どういたしまして。」
おっちゃんとお茶しながら、事務所をキョロキョロ。
机を見ると山と積まれた書類の束、なんとなく言い出し辛い。
「ふと思ったの。コンテストしたらどうかなって♪審査員は町の人達。皆に投票して貰うの。クリスマスイブまでのイベントになるよ。客足も増えて忙しくなるのが難点かな。どう思う?」
おっちゃんはジックリと考えている。
なので私はフーフーしながら、イケおじ観察中。
渋い大人の男性。推せる♪イケメンコンテストとかも主宰したいな♪
「いいですね!そうしましょう!!」
「うん?いけめんコンテスト??」
おっちゃんもエントリーするの?
「何を言ってるんです?イルミネーションコンテストですよね?」
アァ……… そう言えばそうだった。
「もちろんそうだよ。でコンテスト審査の内容は、派手さだけじゃないの。自分のお店をちゃんとアピールしているかなの。ここがポイント!」
「なるほど、アピール・技術・芸術とポイントを分けましょう。楽しくなりますね。」
「おっちゃんは更に忙しくなるね。ごめんね、おっちゃん。」
するとおっちゃんはフフッと笑って言った。
「ならばお仕事を1つお願いしましょう。雪まつりと同じです。入賞商品を準備してくれますか?」
「しょうひん………??」
「ジョーダンさんならわかると思います。聞いてみて下さいね。」
お父さん……… ア、アレまた私やっちゃった?!
「この話ちゃんとお父さんに通したのかな?マリスちゃん。」
ウ、ウウウ……… また頭グリグリの刑なの。
「頑張ってくださいね。」
ニッコリと笑う、おっちゃん。
ヤッパリ仕事が増える事にはお怒りだったようだ。
おっちゃん容赦ないの………
もちろんお父さんからグリグリ刑が執行された。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)