クリスマスイブ☃ 5
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
皆から盛大な拍手が巻き起こる。
そして一斉の辺りが点灯した。
「それではここから、お食事タイムです!」
皆が店頭に置かれたお食事を、皆各自で取りに行き食べ始める。
「ジュリアスが来るのを待とうか?」
「でもなかなか来れないんじゃない。」
お母さんは、面白そうな顔で、前を見る。
そこにはオタ芸の団体に、沢山の人が詰めかけていた。
”あそこから抜け出すのは大変なの。”
マリスはうんうんと頷いていた。しかし……
「マリスちゃん!!」
ジュリ姉達が現れた。スゴイあの群れから逃れてる?!
「お前ら逃げ足早いな!ダンス凄く良かったぞ♪」
「ありがとうございます。群れからは本能で逃げました。」(笑)
「ジュリ姉とってもカッコよかったの。おねえちゃん達もとっても素敵だった♪」
私が抱き着いて喜ぶと、おねえちゃん達も喜んでいる。
「スヌードよく似合うわ。いい感じで光りましたか?ユーリアさん。」
「バッチリよ。そちらからも見えたでしょ?」
お母さんがほほ笑んで、おねえちゃん達を見る。
「ええ、踊りながら、子供達の星空を見ました。」(笑)
「そう!コチラからは星がチラホラある様に見えたわ♪」
おねえちゃん達も、凄く嬉しそうに笑っている。
”そっか!おねえちゃん達からはそんな風に見えたんだ。”
私達はおねえちゃん達のダンスに夢中でした♪
「来年してもいいわね。どう?ジョーダン。」
「ばっちりだろ♪今年は楽しい事ばかりだな。忙しいけど。」
今年は楽しいが、ホントにいっぱいなの♪
「お待たせって!お前ら逃げたな……」
睨みつける、お兄ちゃん。髪がボサボサなの。
「逃げ遅れるのが悪いのよ。」
「「「そうよ、そうよ。」」」
さすがジュリ姉達、強すぎる。
お兄ちゃん、とっても悔しそうです。
「それじゃ、ジュリアス君も来た事だし、失礼します。」
「「「失礼します。」」」
とっても素敵な笑顔を見せる、ジュリ姉達。
「ああ、またな。」
「もしよかったら、おむすび屋でも食べてね。」
「「「「もちろん♪」」」」
「おねえちゃんまた遊ぼうね♪」
私が手を振ると、ジュリ姉達も笑いながら手を振った。
「さてジュリアス、お前らのダンス最高だったぞ。よくやった♪」
「とっても素敵だったわ。お母さんも踊りたいくらいよ。」
「だな!今度教えてくれ♪」
お父さんとお母さんが笑いながら言うと、お兄ちゃんが恥ずかしそうに照れている。
そんなお兄ちゃんを、微笑ましそうに見るマリス。
「マリスはど「マリスちゃん!」」
「メイヤーちゃんとカイ兄ちゃん♪」
「マリスちゃんありがとう。すごく盛り上がった♪」
「うん、凄かった!」
ニコニコ満面の笑みを向ける、メイヤーちゃん。
カイ兄ちゃんは、そんなメイヤーちゃんの頭を、ポンポンする。
「ジュリアス、また後で!」
「ああ、またな。」
「メイヤーちゃん、またね。」
「うん!またね、マリスちゃん。」
『ジュリアス場所わからなかったの件』は、この場で有耶無耶になった。
知らない事が、幸せな事もあるのだ。
「さて、何を食べようか?」
「マリス、暖かいのがいい。」
「そういえば、コロッケとかどう?」
「俺は肉の串焼き食べたいな。」
「俺も肉食べたい。」
こうして男女に別れ、食べ物を散策し落ち合う事になる。
「やっぱりお父さんとお兄ちゃん肉に行った。」
「どこもそうよ。私達も買いに行きましょう。スープは後でもいい?」
「持って行くの大変だもんね。」
「そういうことよ。良くわかってるわね、マリス。」
お母さんと手を繋いで、あちこち見ながら買い歩く。
コロッケが挟まれたパンとガーリックパン。
ミネストローネと卵焼き。
ホコホコしたカボチャのサラダもある。
「嬉しそうね、マリス。」
「うん、去年より今年が楽しい。」
「そうね。今年はとても楽しいわ。お兄ちゃんのダンスも見られたし♪」
「うん、見れてよかったの。」
「そうね。」
「でも、来年はマリス一人になっちゃうね。」
「そうね。でもメイヤーちゃんがいるわ。」
「うん……」
「マリスがいろいろ考え頑張ったから、こんな素敵なクリスマスイブを迎えられたわ。お兄ちゃんにとって、素敵な思い出になったはずよ。」
お母さんが、私を見つめながら話していく。
「お母さんも忘れられない思い出となったわ。ありがとう、マリス。貴女をとっても誇らしいわ。」
その時、前世の母の顔を思い出した。
同じ様な顔をして、似たような事を言われた。
”お母さんは忘れないわ。貴女が頑張った事を…… とっても貴女を誇らしく思うわ。”
最終的に病気に負けて、死んで逝く事が申し訳なかった私に………
母は最高の笑顔で送り出してくれた。
涙がジワジワと湧き出て来る。
「アラアラアラ…… マリスったら。」
そう言って、優しく抱きしめてくれるお母さん。
同じお母さんの匂いがする。
”ありがとう、お母さん。マリスは今も幸せなの。”
”遠い異世界にいるお母さんも、素敵なクリスマスを過ごせますように。”
異世界のクリスマスを思い浮かべ、母の幸せを祈った。
お父さんとお兄ちゃんは、肉のフードファイターの様だった。
テーブルの上には肉・肉・肉・更に肉………
”まあ西洋寄りだから、これだけ肉食べても大丈夫なのかな……”
何となく身体に良さそうに思えない、マリス。
”肉の消費どんだけなの?”
「ジョーダンにお兄ちゃん。まるで肉の欠食児ね。」
お母さんは顔を引き攣らせ、怒っている。
私もあり得ないと思う。
私達の買ったおかずを、置くスペースがないもの。
私はとりあえず、狭いスペースにミネストローネを置いて食べる。
手にはガーリックパンを持った状態。
モグモグ……この後はお風呂に入るの。
次に、アムアムと果物も食べて、ホットミルクを飲む。
お兄ちゃんは、何個目かわからない骨付き肉を食べている。
あの身体のどこに、あのお肉は消えるんだろ?
ホント不思議で仕方ないの。
晩御飯も終了すると、ここで皆とはお別れ。
「それじゃ、行って来ます。」
「途中まで送っていくよ。」
お兄ちゃんが、マリスの手を握る。
「それじゃまた明日な。しっかり布団に入って寝るんだぞ。」
「マリス、おやすみなさい。いい夢を。」
バイバイと手を振りお兄ちゃんに連れられて、集合場所へ向かった。
「それじゃ、マリス。しっかりお祈りするんだぞ。またな。」
集合場所に着くと、ここでお兄ちゃんとお別れ。
集合場所では、メイヤーちゃんが手を振っていた。
「それじゃ、行ってきます。」
バイバイと手を振ると、お兄ちゃんも微笑みながら手を振り返した。
「マリスちゃん、今年は大丈夫だね♪」
毎年のやらかしがないから、ホッとしてほほ笑むメイヤーちゃん。
去年までの私はもういないのです。エッヘン♪
皆と一緒にお風呂にも入り、手を繋ぎながら教会へ向かう。
クリスマスソングを歌い笑い合い、お揃いの星のボタンを光らせて……
それを遠目で見る大人達と、少し上の世代達は、それが空を照らす天ヶ川の様に見える。
小さな子供の希望の星達、どうか幸せな祝福を頂けます様に。
皆心の中でソッと祈りを捧げた。
皆これから教会で、神父様のお話を聞くの。
その後お祈りをして、エッグノッグを飲むのよ。
身体が暖まって、ぐっすり寝る事が出来るわ。
ただ今回は、寝る前にお仕事があるの♪
「お兄ちゃんにまた会える。」
「そうだね。カイ兄ちゃんに合えるね。」
「ジュリ姉にも会える♪」
「おねえちゃん達に会えるね♪」
寝る前にちょっとしたお仕事。
それがとっても楽しみ、それは他のお友達も同じ。
朝起きたら、大人達の様子を教えて貰う。
それが何よりも楽しみな子供達だった。
”お父さんとお母さん、喜んでくれるかな♪”
教会に着いたら、まず神父様からのお話を聞くの。
神様が今日からお部屋に籠り、皆に合ったお仕事を探し。
それに合った祝福を考えるからとても大変。
だからもしなりたいモノがあるなら、お祈りして報告をする事。
適性がなくても、ちゃんと近くまでいける能力を考えてくれる。
でもちゃんとなりたいモノに、近づくける努力はする事。
神様が出来るのはお手伝い。
決まってない者は、代わりに途を教えてくれる。
決めている者には、その助けになる祝福をくれる。
神父様が優しく微笑んで、
「皆の将来が幸あらん事を……」
これから祝福のお祈りが始まる。
みんなが次々に席を立ち、お祈りをしていく。
「マリスちゃん、今年は何事もなく済んだわね。」
「ホントによかったわ。一応胃薬と皮膚の塗り薬といろいろ準備したのよ。」
皆には毎年ホントに、迷惑をかけていたの。
でもマリス来年は祝福の儀だから………
シスター達とそんな感じでお話をしているうちに、マリスの番になる。
「おや!マリスちゃん。今年は何事もなくすんだね。さあお祈りをしなさい。」
神父様にも言われた、マリス。
そうなると……… チラリと神様の像を見る。
おひげを蓄えた優し気なおじいちゃんの神像。
”えっと、来年祝福の儀なので、何事もなく済みました。大人になりました。とっても元気です。安心してください。マリスはいつも幸せいっぱいです。これからも見守って下さい。よろしくお願いします。”
誰かが肩を揺らしている。………?
横を振り向くとメイヤーちゃん。
「マリスちゃん、何をお願いしてるの?ちょっと長いと思うよ?」
回りの子供達も私を見て、頷いている。
「ごめんなさい。神様に、今年は何事もなくすみました、報告をしてたの。」
すると皆ああ~~~、と納得した顔で頷いた。
そりゃ、報告しないといけないね。
「それで、ちゃんとお祈りはしたの?」
「うん、これからも見守って下さいってしたよ。」
「「「「…………………」」」」
「やり直し!来年祝福の儀だよね。ジョブ関連のお祈り必要だよね。」
他の皆もウンウンと頷き、やり直し宣告を受ける。
神父様も困った顔をして、祭壇の前へ促した。
改めて、もう一度お祈りをするマリスでした。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




