クリスマスイブ☃ 4
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
さて私はのんびり皆のくじ運を観察中。
カイ兄ちゃんは選んだひもくじをひっぱると、枕サイズのクジラのぬいぐるみが持ち上がる。
それをメイヤーちゃんにプレゼントして、メイヤーちゃんは大喜び。
そしてメイヤーちゃん、スクラッチ初挑戦。
揃えた数字は7、いったい何を当てたんだろう。
「ハイ!メイヤーが当てたのは日記帳よ。おめでとう♪」
「ウワ~♪私今日の事日記に書くね。」
お母さんから頭を撫でられ、喜ぶメイヤーちゃん。
さて次はいよいよお兄ちゃん。なんか妙に緊張している?
「お兄ちゃん、ただのくじだよ?」
一応声をかけて、お兄ちゃんを見る。
すると苦笑気味に笑うと、ため息をついた。
「何故か変に緊張するんだ。」
そう言って三角くじを引く。そして開き見ると……
「アラアラアラ!」
おばちゃんがその数字を見て、目を大きく開き驚いている。
えっ!やっぱりお兄ちゃんミラクルボーイ?
お兄ちゃんも期待し、目を大きくしている。
「ハイ!飴玉の袋詰めよ。よっぽどこの飴玉とご縁があるのね♪」
お兄ちゃん……
お兄ちゃんががっくりと膝をつく。
私とメイヤーちゃんは、なんとも言えない気持ちになった。
”おばちゃん、その溜めいらなかったの。”
カイ兄ちゃん大爆笑。ヒーヒー言っている。
カイ兄ちゃんじゃないけど、ギャンブルは確かにしない方がいいと思うの。
こうして私達のクリスマスコインは終了。
ふたを開けて見れば……
「今年はジュリアス、お前最悪な買い物したな。」
そうなんだよね。ホントこればっかりはわからない。
メイヤーちゃんは、しっかり者のお得感満載な買い物をしている。
私は、山あり谷ありの普通のお買い物。
そしてカイ兄ちゃんは……
「カイ兄ちゃん、ありがとう。スルメ嬉しかった。」
「カイ兄ちゃん、私もクジラ大事にするね。」
カイ兄ちゃんは、スパダリだわ。
その横でお兄ちゃんは、とっても悔しそうにしていた。
そして、その場でカイ兄ちゃんとメイヤーちゃんとお別れ。
そろそろお兄ちゃん達のダンスパーティーが始まるからだ。
私達子供組は、お父さんとお母さんの所へ向かう。
お兄ちゃんと手を繋いで、テクテク屋台へ向かう。
でも来年からコレも一人になるのだ。
「マリス、……今日は不甲斐ないお兄ちゃんだったね。」
何処か弱々しいお兄ちゃん。私は首を振って否定する。
「そんな事ないよ。お兄ちゃんはマリスにとってサイコーのお兄ちゃんです。」
「そうかな…… ?」
「そうです!今日ファンスキーしてる時カッコよかったの。くじだって可愛いと思ったの。そんなお兄ちゃんが、マリスは大好きだよ。」
私がそう言うと、お兄ちゃんがとっても嬉しそうにありがとうと言った。
そしてポケットから何かを取り出し、私にくれた。
「ハッピークリスマス。俺からのプレゼントだよ。」
お兄ちゃんが私にプレゼントを用意してくれていた!
箱を開けると、中から可愛い髪飾り。
赤いお花とキラキラ葉っぱが可愛いの。
「お兄ちゃん、ありがとう。とっても可愛いの。」
「ホントは明日渡そうと思ったけど、カイのスルメには負けたくないからね。」
笑いながら言う、お兄ちゃん。
”お兄ちゃんは、負けず嫌いなの。”
この髪飾りは祝福の儀の時に、オシャレして付けたい。
冬の時期は帽子だし、失くしたくない。
「お兄ちゃん、明日まで預かっててくれる?」
「そうだね。今日は教会で一泊だ。しっかりお祈りしておいで、マリス。」
「私には、どんなジョブを授かるんじゃろう。」
「楽しみだな、マリス。」
「うん、お兄ちゃん。」
おむすび屋さんの看板前にお母さんがいた。
お母さんが私にスヌードを付ける。
昨日おねえちゃん達が作っていた、光るボタンのスヌード。
”とっても暖かいの♪”
お母さんが遠くから私を眺める。
「うんうん♪とっても可愛いわ、マリス。ジュリさんには感謝ね。」
後30分でお兄ちゃん達世代の、クリスマスパーティーが始まる。
夜は全てが食べ放題、夜用のご飯の準備が始まっていた。
だから飲食以外のお父さんとお母さんは、後片付けした後お手伝いに駆け付ける。
時間で言えば、16時~ダンス、17時~夕ご飯、18時~お風呂で教会だ。
大人達のパーティーは、19時から商業ギルドの会場で始まる。
だからお兄ちゃん達は、19時頃キャンドルライトを準備する。
もちろん私達子供組も、少しはお手伝いするつもりなの。
お母さん達が見る時間は20時半~♪
私達子供組は、お寝んね状態です。
「ジュリアス、そろそろ準備でしょ?いってらっしゃい、とても楽しみしているわ♪」
「それじゃあ、行って来ます。マリス、いい子にしていろよ。」
そう言って頭を優しく撫でた。
お兄ちゃんは、同じ世代の人達に声をかけ集合の場へ。
「マリス、楽しかった?上手にお買い物できたかしら?」
「今年はバッチリ出来たのよ。ランチに3コイン、射的1コイン、くじ5コイン。お好み焼きゲンのお食事券2枚が当ったの♪」
「まあ!!スゴイじゃない。マリス今年はちゃんとやったのね。」
「そして最後にサーカス見ながら、ホントココアを飲んだのよ。これで最後の1コイン終了。」
エッヘンと鼻高々にポーズを決める。
毎年毎年のお騒がせ、今年はないのだ。
「ホントにちゃんとお買い物で出来てるわ。スゴイわよ、マリス!」
「なんだ、マリスちゃん!毎年恒例のお騒がせなしか?」
「アラアラ、残念だわ。どのお店を陣取るか賭けていたのに…」(笑)
回りの屋台のおじさんやおばさんがからかう。
マリスは頬を膨らませ言った。
「私もう子供じゃないの。来年祝福の儀だもの。レディーの仲間入りなの。」
マリスの宣言に周りの大人達は「そうだなぁ」と微笑まし気に頷いていた。
おむすび屋で、お父さんとお母さんのお手伝いをする。
おむすびの型に、具を詰める簡単な作業。
お母さんは型から取り出し、海苔を撒いて並べていく。
「お父さん、マリスもご飯型に入れてみたい。」
「量が決まって難しいぞ?」
代わって貰い、やってみる。
確かに型からはみ出し、失敗している。
これは責任持って証拠隠滅、モグモグモグ♪
「お前ホントは、食いたいだけじゃないのか?」
いいえ、証拠隠滅なの。
「そろそろお片付けをする時間だわ。始まりそうよ。」
お母さんが声をかけ、コチラも急ピッチで終わらせる。
屋台のケース台におむすびを並べ、いつでも食べれる様にセット。
「さて行こうか。楽しみだな。」
お父さんがニコニコ笑顔で、私達に言う。
「お兄ちゃん、クリスマスプレゼント凄く喜んでいたよ。」
「そっか、喜んでいたか。」
「大笑いしながら滑走したの。雪山から、後ろ向き一回転して飛び降りてたの。」
「ハァ…?!」
「お兄ちゃん、やんちゃ坊主なの。」
「ジョーダン…… 」
「所詮アイツもそこら辺のガキと同じという事だ。ヤレヤレ…… 」
お父さんは呆れた顔をして、首を振った。
「お兄ちゃん、とってもカッコよかったよ。」
「そっか、カッコよかったか。アイツは戦闘系だからな。それぐらいヘッチャラでやるだろう。マリスはマネするなよ。」
「ちゃんとわかっているの。」
「ならいい。」
そう言って、お父さんは頭を撫でた。
お母さんも仕方なさそうに笑っている。
それだけジョブとは、ちょこちょこと影響を与えるのだろう。
お兄ちゃん達世代のダンスパーティーが始まる。
始めはロボットダンスから、一斉に15人踊り出す。
初めにストップモーション。
皆がいろんなロボット様に踊っている。
”だけど、それじゃないの……”
マリスはスンとした顔になる。
「そういや……… 」
「そうね~、………フフフ。」
なぜかダンスを見ながら、お父さんとお母さんが笑っている。
ダンスはたぶん…… サイドウォークなんだろう。
”ただのつま先ヒョコヒョコ歩きなの。”
「ウ~ン…… コレはあれか?」
「たぶんそうなんじゃない?」
お父さんとお母さんがさっきからコソコソ話しています。
そしてムーンウォークとウェーブ。
泣きたい…… やっぱり頑張らなきゃ。
マイケ〇ジャクソンが泣いている。
”マリス、あなたならきっとできるわ。頑張るのよ。”
マリスは新たに決意するのであった。
「なあ…… やっぱりマリスの様子からして、あれダメなんだろうな。」
「たぶんそうなんでしょう。なんだか決意に漲っているわよ。」
「だよな……」
「ええ、間違いないわ。」
そしてその後フラダンスが踊られ、ウンウン、とっても素敵なの♪
マリスはご機嫌になって、マネしている。
そしていよいよ、オタ芸が始まる。
8人の5チームで、1チーム大体3分程度。
次々と切れ間なく踊りが始まり、日も段々と落ちて来ている。
一糸乱れぬ踊り、時々ソロで踊られるが基本団体行動だ。
音に合わせて激し目に、スローテンポで緩やかに。
男は両手に棒を持ち、身体全体を動かし振り回し、時折カチンと音を鳴らす。
女は旗を振り回し、投げたり回したり、華麗なダンスを披露する。
「オイオイ、カッコいいな。俺も踊りて―♪」
「ホントね。旗をブンブン振り回したいわ♪」
そして全チームが踊り終わる頃、日はおおよそ沈み暗くなる。
すると持っていた棒が一斉に光を放ち、旗の模様が光り出す。
ウワ~~~~~!!!
そして全チームで、一糸乱れぬダンスを披露。
女チームもそれは同じで、優雅に合わせ、はためかす。
「ところでよ。ジュリアス見たか?」
「ごめんなさい。ダンスを見るのに夢中で……」
「マリスも……」
今は暗くてペンライトしか見えず、お兄ちゃんがどこにいるのかわからない。
「とりあえず凄かったと言おう。」
「そうね。」
「うん、とってもカッコよかったの。」
オタ芸は団体行動が基本。多分これで間違いないのだ。
後日……
「どうだった?」
「とってもカッコよかったの。」
「そう?」
「うん、やっぱりペンライト必須だね。」
「周りの反響もよかったね。」
「うん、皆でスタンドオペレーションだよ♪」
「そっかぁー、俺達も凄く楽しかったよ。ありがとう、マリス。」
「どういたしましてなの。」
いつも言うお兄ちゃん呼びが、何処にもなかった事にジュリアスは気づかない。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




