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14/22

クリスマスイブ☃ 4

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 さて私はのんびり皆のくじ運を観察中。

 カイ兄ちゃんは選んだひもくじをひっぱると、枕サイズのクジラのぬいぐるみが持ち上がる。

 それをメイヤーちゃんにプレゼントして、メイヤーちゃんは大喜び。

 そしてメイヤーちゃん、スクラッチ初挑戦。

 揃えた数字は7、いったい何を当てたんだろう。


「ハイ!メイヤーが当てたのは日記帳よ。おめでとう♪」


「ウワ~♪私今日の事日記に書くね。」


 お母さんから頭を撫でられ、喜ぶメイヤーちゃん。

 さて次はいよいよお兄ちゃん。なんか妙に緊張している?


「お兄ちゃん、ただのくじだよ?」


 一応声をかけて、お兄ちゃんを見る。

 すると苦笑気味に笑うと、ため息をついた。


「何故か変に緊張するんだ。」


 そう言って三角くじを引く。そして開き見ると……


「アラアラアラ!」


 おばちゃんがその数字を見て、目を大きく開き驚いている。

 えっ!やっぱりお兄ちゃんミラクルボーイ?

 お兄ちゃんも期待し、目を大きくしている。


「ハイ!飴玉の袋詰めよ。よっぽどこの飴玉とご縁があるのね♪」


 お兄ちゃん……

 お兄ちゃんががっくりと膝をつく。

 私とメイヤーちゃんは、なんとも言えない気持ちになった。


 ”おばちゃん、その溜めいらなかったの。”


 カイ兄ちゃん大爆笑。ヒーヒー言っている。

 カイ兄ちゃんじゃないけど、ギャンブルは確かにしない方がいいと思うの。

 こうして私達のクリスマスコインは終了。

 ふたを開けて見れば……


「今年はジュリアス、お前最悪な買い物したな。」


 そうなんだよね。ホントこればっかりはわからない。

 メイヤーちゃんは、しっかり者のお得感満載な買い物をしている。

 私は、山あり谷ありの普通のお買い物。

 そしてカイ兄ちゃんは……


「カイ兄ちゃん、ありがとう。スルメ嬉しかった。」


「カイ兄ちゃん、私もクジラ大事にするね。」


 カイ兄ちゃんは、スパダリだわ。

 その横でお兄ちゃんは、とっても悔しそうにしていた。

 そして、その場でカイ兄ちゃんとメイヤーちゃんとお別れ。

 そろそろお兄ちゃん達のダンスパーティーが始まるからだ。

 私達子供組は、お父さんとお母さんの所へ向かう。

 お兄ちゃんと手を繋いで、テクテク屋台へ向かう。

 でも来年からコレも一人になるのだ。


「マリス、……今日は不甲斐ないお兄ちゃんだったね。」


 何処か弱々しいお兄ちゃん。私は首を振って否定する。


「そんな事ないよ。お兄ちゃんはマリスにとってサイコーのお兄ちゃんです。」


「そうかな…… ?」


「そうです!今日ファンスキーしてる時カッコよかったの。くじだって可愛いと思ったの。そんなお兄ちゃんが、マリスは大好きだよ。」


 私がそう言うと、お兄ちゃんがとっても嬉しそうにありがとうと言った。

 そしてポケットから何かを取り出し、私にくれた。


「ハッピークリスマス。俺からのプレゼントだよ。」


 お兄ちゃんが私にプレゼントを用意してくれていた!

 箱を開けると、中から可愛い髪飾り。

 赤いお花とキラキラ葉っぱが可愛いの。


「お兄ちゃん、ありがとう。とっても可愛いの。」


「ホントは明日渡そうと思ったけど、カイのスルメには負けたくないからね。」


 笑いながら言う、お兄ちゃん。


 ”お兄ちゃんは、負けず嫌いなの。”


 この髪飾りは祝福の儀の時に、オシャレして付けたい。

 冬の時期は帽子だし、失くしたくない。


「お兄ちゃん、明日まで預かっててくれる?」


「そうだね。今日は教会で一泊だ。しっかりお祈りしておいで、マリス。」


「私には、どんなジョブを授かるんじゃろう。」


「楽しみだな、マリス。」


「うん、お兄ちゃん。」



 おむすび屋さんの看板前にお母さんがいた。

 お母さんが私にスヌードを付ける。

 昨日おねえちゃん達が作っていた、光るボタンのスヌード。


 ”とっても暖かいの♪”


 お母さんが遠くから私を眺める。


「うんうん♪とっても可愛いわ、マリス。ジュリさんには感謝ね。」


 後30分でお兄ちゃん達世代の、クリスマスパーティーが始まる。

 夜は全てが食べ放題、夜用のご飯の準備が始まっていた。

 だから飲食以外のお父さんとお母さんは、後片付けした後お手伝いに駆け付ける。

 時間で言えば、16時~ダンス、17時~夕ご飯、18時~お風呂で教会だ。

 大人達のパーティーは、19時から商業ギルドの会場で始まる。

 だからお兄ちゃん達は、19時頃キャンドルライトを準備する。

 もちろん私達子供組も、少しはお手伝いするつもりなの。

 お母さん達が見る時間は20時半~♪

 私達子供組は、お寝んね状態です。


「ジュリアス、そろそろ準備でしょ?いってらっしゃい、とても楽しみしているわ♪」


「それじゃあ、行って来ます。マリス、いい子にしていろよ。」


 そう言って頭を優しく撫でた。

 お兄ちゃんは、同じ世代の人達に声をかけ集合の場へ。


「マリス、楽しかった?上手にお買い物できたかしら?」


「今年はバッチリ出来たのよ。ランチに3コイン、射的1コイン、くじ5コイン。お好み焼きゲンのお食事券2枚が当ったの♪」


「まあ!!スゴイじゃない。マリス今年はちゃんとやったのね。」


「そして最後にサーカス見ながら、ホントココアを飲んだのよ。これで最後の1コイン終了。」


 エッヘンと鼻高々にポーズを決める。

 毎年毎年のお騒がせ、今年はないのだ。


「ホントにちゃんとお買い物で出来てるわ。スゴイわよ、マリス!」


「なんだ、マリスちゃん!毎年恒例のお騒がせなしか?」


「アラアラ、残念だわ。どのお店を陣取るか賭けていたのに…」(笑)


 回りの屋台のおじさんやおばさんがからかう。

 マリスは頬を膨らませ言った。


「私もう子供じゃないの。来年祝福の儀だもの。レディーの仲間入りなの。」


 マリスの宣言に周りの大人達は「そうだなぁ」と微笑まし気に頷いていた。

 おむすび屋で、お父さんとお母さんのお手伝いをする。

 おむすびの型に、具を詰める簡単な作業。

 お母さんは型から取り出し、海苔を撒いて並べていく。


「お父さん、マリスもご飯型に入れてみたい。」


「量が決まって難しいぞ?」


 代わって貰い、やってみる。

 確かに型からはみ出し、失敗している。

 これは責任持って証拠隠滅、モグモグモグ♪


「お前ホントは、食いたいだけじゃないのか?」


 いいえ、証拠隠滅なの。


「そろそろお片付けをする時間だわ。始まりそうよ。」


 お母さんが声をかけ、コチラも急ピッチで終わらせる。

 屋台のケース台におむすびを並べ、いつでも食べれる様にセット。


「さて行こうか。楽しみだな。」


 お父さんがニコニコ笑顔で、私達に言う。


「お兄ちゃん、クリスマスプレゼント凄く喜んでいたよ。」


「そっか、喜んでいたか。」


「大笑いしながら滑走したの。雪山から、()()()()()()()して飛び降りてたの。」


「ハァ…?!」


「お兄ちゃん、やんちゃ坊主なの。」


「ジョーダン…… 」


「所詮アイツもそこら辺のガキと同じという事だ。ヤレヤレ…… 」


 お父さんは呆れた顔をして、首を振った。


「お兄ちゃん、とってもカッコよかったよ。」


「そっか、カッコよかったか。アイツは戦闘系だからな。それぐらいヘッチャラでやるだろう。マリスは()()するなよ。」


「ちゃんとわかっているの。」


「ならいい。」


 そう言って、お父さんは頭を撫でた。

 お母さんも仕方なさそうに笑っている。

 それだけジョブとは、ちょこちょこと影響を与えるのだろう。



 お兄ちゃん達世代のダンスパーティーが始まる。

 始めはロボットダンスから、一斉に15人踊り出す。

 初めにストップモーション。

 皆がいろんなロボット様に踊っている。


 ”だけど、それじゃないの……”


 マリスはスンとした顔になる。


「そういや……… 」


「そうね~、………フフフ。」


 なぜかダンスを見ながら、お父さんとお母さんが笑っている。

 ダンスはたぶん…… サイドウォークなんだろう。


 ”ただのつま先ヒョコヒョコ歩きなの。”


「ウ~ン…… コレはあれか?」


「たぶんそうなんじゃない?」


 お父さんとお母さんがさっきからコソコソ話しています。

 そしてムーンウォークとウェーブ。

 泣きたい…… やっぱり頑張らなきゃ。

 マイケ〇ジャクソンが泣いている。


 ”マリス、あなたならきっとできるわ。頑張るのよ。”


 マリスは新たに決意するのであった。


「なあ…… やっぱりマリスの様子からして、あれダメなんだろうな。」


「たぶんそうなんでしょう。なんだか決意に漲っているわよ。」


「だよな……」


「ええ、間違いないわ。」


 そしてその後フラダンスが踊られ、ウンウン、とっても素敵なの♪

 マリスはご機嫌になって、マネしている。

 そしていよいよ、オタ芸が始まる。

 8人の5チームで、1チーム大体3分程度。

 次々と切れ間なく踊りが始まり、日も段々と落ちて来ている。

 一糸乱れぬ踊り、時々ソロで踊られるが基本団体行動だ。

 音に合わせて激し目に、スローテンポで緩やかに。


 男は両手に棒を持ち、身体全体を動かし振り回し、時折カチンと音を鳴らす。


 女は旗を振り回し、投げたり回したり、華麗なダンスを披露する。


「オイオイ、カッコいいな。俺も踊りて―♪」


「ホントね。旗をブンブン振り回したいわ♪」


 そして全チームが踊り終わる頃、日はおおよそ沈み暗くなる。

 すると持っていた棒が一斉に光を放ち、旗の模様が光り出す。


 ウワ~~~~~!!!


 そして全チームで、一糸乱れぬダンスを披露。

 女チームもそれは同じで、優雅に合わせ、はためかす。


「ところでよ。ジュリアス見たか?」


「ごめんなさい。ダンスを見るのに夢中で……」


「マリスも……」


 今は暗くてペンライトしか見えず、お兄ちゃんがどこにいるのかわからない。


「とりあえず凄かったと言おう。」


「そうね。」


「うん、とってもカッコよかったの。」


 オタ芸は団体行動が基本。多分これで間違いないのだ。


 後日……


「どうだった?」


「とってもカッコよかったの。」


「そう?」


「うん、やっぱりペンライト必須だね。」


「周りの反響もよかったね。」


「うん、皆でスタンドオペレーションだよ♪」


「そっかぁー、俺達も凄く楽しかったよ。ありがとう、マリス。」


「どういたしましてなの。」


 いつも言うお兄ちゃん呼びが、何処にもなかった事にジュリアスは気づかない。






読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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