クリスマスイブ☃ 3
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
ゆっくりと出発するマリスとメイヤーちゃん。
そして後ろのお兄ちゃんとカイ兄ちゃん。
何かブツブツと言っていますが、何なんだろう?
「マリスちゃん、お昼ご飯何食べる?去年はチーズフォンデュから、動かなかったでしょ?蕁麻疹騒ぎで、大変だったから気を付けてね。」
メイヤーちゃんから、心配そうな目でマリスを見ている。
そう…… メイヤーちゃんは毎年毎年マリスのやらかしに巻き込まれ、オロオロさせている。
「そうだぞ、マリスちゃん。今年は大丈夫だよな?」
後ろからカイ兄ちゃんが聞いて来る。
お兄ちゃんに至っては、遠い目をして諦めている。
「私は来年祝福の儀だもの。もうレディーの仲間入り予定なの。だから大丈夫。」
私がフフン♪と言うと、三人は見事にため息を揃えた。
「何故そこで祝福の儀が関係するのかな?」
「自覚がないとしか言えない………」
「マリスちゃん、ホントに大丈夫?」
かなり信用ないようです。わかっているの。
今年はホントに大丈夫よ。絶対よ。
だって来年からお兄ちゃんいないんだもの。
安心して貰わなきゃダメ。だから今年は大丈夫。
中央広場に着くと、たくさんの人で溢れ返っていた。
遊園地もおお賑わい、ひと際目立つ回転木馬に子供達が押し寄せている。
もちろんマリスとメイヤーちゃんも、釘付け状態です。
「とりあえずお腹が空いた。ご飯を食べよう。」
「メイヤー、何か気になるモノはあるか?」
木馬から食べ物へと意識を向けさせようとする、お兄ちゃん達。
運動した分お腹はクークー言っている。
それなら何が食べたいの?
キョロキョロ辺りも見回し、物色をする。
ウロウロ歩いて、いろんなお店を見て回る。
うどん屋・ハンバーガー・唐揚げ屋・クレープ屋・ピザに丼物屋。
ウ~~~~ン…… 悩む。
お兄ちゃん達は、サッサと丼物屋でかつ丼を注文していた。
ついでにお小遣いはクリスマスコイン一律10枚。
ランチ3コイン…量はお好み、スープとドリンク付き。
「メイヤーちゃん、決まった?」
「私、あそこのおむすび屋さんの天むす食べたい。」
メイヤーちゃんが指差した処に、おむすびの看板。
横に天むすシリーズと書かれ、エビ、かき揚、唐揚げ、カツ、そして変わり種で、チーズ揚げがある様だ。
”スゴイ、メニューが充実なの。”
実際たくさんの子供が列を作っていて、次々と捌いている。
もちろん天むす以外の、おむすびもあった。
”おぼろ昆布のおむすびがある!”
おぼろ昆布が大好きなの。
中のトッピングは、梅干し。昆布イン昆布もあるけれど♪
メイヤーちゃんとイソイソとおむすび屋さんへと向かった。
お兄ちゃん達は席を確保して、先に食べていると言う。
頭の中で何を選ぼうか考え前に立つ。
「あら!来るのが遅かったわね♪」
なんとお父さんとお母さんのお店でした。
「このお店だったんだ。」
私はお眼目を大きく開けてビックリ。
「そう言えば、忙しくて言いそびれてたわね。」
「ココは新しくできた、食べ物屋だからな。おむすび製造機を作って、試してるんだ。」
おしゃべりしながらも、次々お客さんを捌いて行く。
「メイヤーちゃん、何にする?」
お母さんがニッコリ聞くと、メイヤーちゃんはおススメを求めた。
悩み過ぎて頭グルグルだし、お腹も空いて訳が分からない状態なんだって。
そう話すメイヤーちゃんを、微笑ましそうに見るお父さんとお母さん。
私の注文を聞かれると、私はお任せ。
お父さん達は、お皿に二人分のおむすびと追加でお兄ちゃん達のおむすびを渡した。
「お味噌汁もあるから、とりあえずジュリアス達におむすびを渡しておいで。」
二人で袋に入ったおむすびをウンショウンショと運ぶ。
「今年はこれだけで、お腹いっぱいなの。」
「私もそうなりそう。でもデザートは食べたい。」
「それは私も同じなの。」
ウンショウンショと持ち運び、もう一度戻って取りに行く。
獲りに行った味噌汁の中身はアオサ。
磯の香りがプ~ンとして、とっても美味しかったの。
腹ごなしが終わると、サーカスを見に行く。
その横には回転木馬。人が減っていたら狙い目だ。
「やっぱりこの時間は、ピークだったな。」
「サーカスの方は、立ち見になりそうだ。ちょっとお袋たちに良い頃合いを聞いて来るよ。」
隣の回転木馬もいっぱいだ。後からまた行くとしよう。
「メイヤーちゃんのお父さん達の処へ行こう。」
「そうだね。どの辺だろう?」
キョロキョロと探すメイヤーちゃん。
だけどそこはカイ兄ちゃん、ついでにメイヤーちゃんの両親の場所を聞いた。
行くついでに、所々でお買い物をする私達。
看板の下には、クリスマスコインの枚数の絵。
コレを見てこのお店の、一回の値段が分かるの。
「射的見つけた。一回やるの♪」
珠5つ入って1コイン。狙って打ってもなかなか当たらない。
1つだけは掠ったけれど、それだけなの。
パン ………残念。
「それじゃあ俺がしようか?」
カイ兄ちゃんがコインを3枚。
年齢やジョブによって、支払うコインの数が変わる。
戦闘系のお兄ちゃん達は、私の3回分のお値段なの。
次いでに食べ物屋だと、入れる器が大きくなる。
さすが戦闘系、狙った獲物をしっかり頂きました。
カイ兄ちゃんが、「ハイどうぞ♪」と渡され喜ぶ、私。
でもお兄ちゃんやメイヤーちゃんには、微妙そうだ。
カイ兄ちゃんはとっても楽しそうなの。
「マリス、何でそれなんだ?」
「えっと、好きだからかなぁ。」
「マリスちゃん、それ好きなんだ。」
「ウン、美味しいよ♪」
煮て良し、焼いて良し、噛めば噛むほど味が出る。
そう…… スルメなの。
リコの町は山の上。海産物などめっちゃ貴重。
まさか射的の景品に、海産物とはやりよる。
これで出汁を取った雑煮は美味しそう。
そうだ!かまくらを作って雑煮とかどうだろう。
ウフ♪ウフフ♪ ………
マリスはジュルリと言わせ、妄想の世界へと旅だった。
そんなマリスを微妙そうに見る、ジュリアスとメイヤーちゃん。
カイは大爆笑で腹を抱えて笑っている。
「そんなに喜んで貰えてうれしいよ。もう一つサービスしよう♪」
「ありがとう、おじちゃん!マリスすっごく嬉しいの~♪」
「今年はマリスちゃん、頑張ってくれたからね。すごくいいクリスマスだよ。」
手にはスルメを持ち、ニコニコ笑顔で笑い合う、マリスとおじちゃん。
「ギャハハハ!!」
地面を叩いて大爆笑。そんなカイを絞めるジュリアス。
メイヤーちゃんは、そんなに美味しいのかな?思い始める。
後日メイヤーちゃんは、しっかりスルメを堪能する。
「あの時はごめんね、マリスちゃん。スルメって、こんなに美味しかったんだ。」
さてさて、ついにメイヤーちゃんのご両親がやってるくじ引き屋の到着。
「おや、来たんだね。まいど―♪」
「よく来たな。何種類かくじがある。どれがいい?」
あみだくじ・ひもくじ・三角くじ・スクラッチくじ。
くじによって当たる内容が違うみたい。
三角くじはお菓子。ひもくじはおもちゃ。 スクラッチは雑貨。
そしてあみだくじは、食券2枚!!料理は好きなモノ。
コインは5枚。高いけど……… 当たれば凄くお得なの!
よく見ると、1/3は外れくじ。
でも……… 私やる!!
フンス――!!
「おばちゃん!マリス、あみだくじ!!」
「「「えー-----?!」」」
「おお!女は度胸だね。いいよ、いいよ。外れても飴玉ちゃんとあげるからね。」
「マリス絶対当てるの!」
「マリス、それをすると回転木馬が出来なくなるぞ。」
「いいの!だって2/3当るんだよ。絶対お得だもん!」
「おお、マリスちゃんわかってるね♪」
私はお金を払って枠を選ぶ。
枠は15,つまり10店舗の中のどれかが当たるのだ。
「私、このウキウキラン緬が当ると言いな♪」
肉ともやしの増し増しに餃子付き、当たればそれが食べられる。
後1枚はお兄ちゃんにあげて、一緒に食べよう♪
「お兄ちゃん、マリスがんばるね!」
そう言ってマリスは枠を選びだす。
それを見ていたジュリアスも………
「おばさん、俺もやるよ。」
マリスに付き合い、あみだくじに挑戦。
メイヤーちゃんも、やると言い出す。
「しまった!さっき射的しなけりゃよかった。」
カイは、1コイン足りない。
「カイ兄ちゃん、私のコインいる?」
メイヤーちゃんが聞いてくる。
そんな彼女に苦笑して、一緒に選ぼうと言うカイだった。
さて結果は、
マリス……お好み焼きゲン。ジュリアス………飴玉。 メイヤー………カフェ・ポリアンナ。
「ギャハハハ!ジュリアス飴玉!!」
「お兄ちゃん、コレは運なの。」
「ジュリア兄ちゃん、気にしたらダメ。」
「………………」
お兄ちゃんの落ち込みがすごい。
えっと……… ドンマイなの。
この後サーカスを見に行く。
ちょうどいい場所も開いていて、飲み物屋さんで暖かいホットココアを注文。
隣ではお兄ちゃんが、カイ兄ちゃんにからかわれている。
「しかし2/3で外れるとか…… ジュリアスお前くじ運ないかもしれないな。ギャンブルするなよ。」
「コインはまだ1枚ある。三角くじをやってみる。」
「それじゃ私、スクラッチやってみる。」
「俺もひもくじをしてみよう。確か3コインだった。」
温かい飲み物を片手に、サーカスの演技を見る。
たくさんの動物達も出て来て、ボールに乗ったり、転んだり。
そしてコチラのサーカスは魔術団。
たくさんの魔術を行使して、幻想的な光景を作り、肉体強化の演技を見せる。
高い位置から飛び降りて、たくさんの輪っかをくぐり、その場で消える。
そしていつの間にやらブランコへ移行し、たくさんの団員と空中ブランコを繰り広げる。
”ホント何でもありなの。”
こういうのを見ると魔法こそチートよね、と思うマリスだった。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




