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12/22

クリスマスイブ☃ 2

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




「キャハハハ~♪」


「アハハ!!」


 二人で急斜面を滑走中です。

 魔力を入れると、どんな高い雪山もヒョイヒョイ登ります。


「キャハハハ!!」


「アハハハハッハ♪」


 気が狂ったように、二人爆笑しながら暴走中。

 そうマリスのキックボードも、お兄ちゃんと一緒に並走しているの。

 運痴でも、ドライブテクニックはあったの。


「楽しいな、マリス!」


「ウン、お兄ちゃん!!」


 めちゃくちゃいい笑顔で、お互いご機嫌で満足な様子。

 何だかんだとかなり滑っています。


「そろそろ身体が冷えて来たから帰ろうか。また一緒に滑ろう。」


「もちろんなの。また爆走するの♪」


 私がフンス―っと鼻息をすると、お兄ちゃんが笑った。

 いつもなら窘めるお兄ちゃん。今回はなしの様だ。



 家に帰ると冷えた身体を暖める為、お兄ちゃんがホットミルクを作っている。


「今回シナモンと蜂蜜を入れよう。結構爆笑して喉を冷やしたからね。」


 お兄ちゃんがウインクして、ミルクの入った小鍋にシナモンを入れた。

 すると部屋にシナモンの香りがしだす。


「ハイ出来上がり。蜂蜜をいれるよ。」


 目の前に置かれたホットミルクに蜂蜜がトロ~リ入れられた。

 入れたスプーンで混ぜ混ぜ混ぜ、フウフウして飲むと冷えた喉が気持ちいい。


「結構冷えていた様だね。身体の中が暖かい。」


「そうだね、お兄ちゃん。鼻水がたれそうなの。」


 ミルクの湯気で鼻の通りが良くなった。

 グスグスと言い出す私に、お兄ちゃんがティッシュを渡す。

 それに迷いなく、チーッとする私。

 ア~~… スッキリした。

 そしてこの世界あるのティッシュ!

 という事は、もちろんトイレットペーパーも普通に存在します。

 どこのどなたか知らないけれど、()()()()()

 ホントよくやってくれた。ないと困るランキング1位だわ。

 多分作った誰かさんは、絶望したと思うの。

 だってティッシュはハンカチで代用できるけど、トイレットペーパーの代用って何よ?

 まったく思いつかないわ。何だったんだろう、その前は?

 でもクリスマスイブに考える事でもないし、話題でもないからいいや♪


「お兄ちゃん、ありがとう。」


 マリスがペコリとすると、お兄ちゃんも「どういたしまして」と言う。


「鼻の通りが良くなって良かったな、マリス。」


「お鼻が通らないと、ツラいもんね。」


「そうだな。」


 温かいホットミルクを飲みながら、のんびりとお話をする。

 コレがピッコリコの日常。いつもの会話、だけど………


 ”来年からお兄ちゃんいないんだ……”


 この穏やかな二人だけの時間は、来年は一人で過ごす事になる。


 ”寂しいなぁ……”


 だから今回、いろいろと頑張った自分がいた。

 思い出作りといえば、それまでだけど………

 仕方がない。リコの町はこれもまた日常なのだ。



 お家でまったりしていると、コンコンとドアを叩く音。

 二人でアレ?と頭を傾げ、ドアの所へイソイソと向かう。


「待ち合わせ13時だよね、お兄ちゃん。」


「そうだな。誰だろう?」


 ドア穴のコッソリ開けて、中を覗いて見ると………


 ガチャリ……


「………13時待ち合わせじゃなかったか?」


 そうやっぱりカイ兄ちゃんとメイヤーちゃんでした。

 メイヤーちゃんはニッコリ笑って、パクパクと『おはよう』と口を動かす。


「イヤそのつもりだったよ。だ・け・ど・な……… 」


 なぜかお兄ちゃんにガン飛ばすカイ兄ちゃん。


「お前ら!朝からうるさいんだよ!!何朝から騒いでる訳?!こっちはメイヤーが作った朝めし食べてるのに!!」


「メイヤーちゃん、すごい!朝食作ったんだ。」


「ウン♪ちゃんと私作れたよ。」


 ニコニコ笑顔で話す、メイヤーちゃん。


「そんなに笑い声響いたのか?」


「ああ、めちゃくちゃ響いた!近所迷惑だ!!」


「そりゃ悪かった。」


「謝るなら、理由を教えて貰おうか!」


 私達がほのぼの喋っている横で、とても殺伐とした会話が繰り広げられている。


「えっとメイヤーちゃん、ごめんね。うるさかったよね?」


「ううん、別に、とっても楽しそうだな~と思っただけよ。カイ兄ちゃんは段々不機嫌になったけどね。」


 なんでだろう?とキョトンとしている、メイヤーちゃん。

 たぶん相当うるさかったのかなと思う、私。

 お兄ちゃん達は離れた場所に移動して話しているので、メイヤーちゃんを台所へ招いた。


「今ちょうどホットミルク飲んでたの。メイヤーちゃんも寒かったでしょ、飲まない?」


「嬉しい。私ホットミルク大好きよ。こんな寒い日には幸せだね。」


 小鍋に牛乳を入れて、ストーブに乗せる。

 これぐらいならマリスにも一人で出来る。


「それでさっきは何で騒いでたの?」


「ああそれはね……」




 ****************




「ファンスキー………?」


「これがキックボード?」


 今カイ兄ちゃんとメイヤーちゃんに騒いでいた原因を見せています。

 お兄ちゃんもカイ兄ちゃんに説明していたのか、スキー板をジロジロと眺めている。

 メイヤーちゃんも、私のキックボードのグリップの部分を持って見ていた。

 まあ物だけ見せても、訳わからないよね。

 四人で斜面へ移動して、カイ兄ちゃんとメイヤーちゃんに披露する。


「それじゃ…… 滑るぞ。」


「うん、お兄ちゃん。」


「………GO!!」


 お兄ちゃんの掛け声と同時に滑り出す。

 ビュービューに吹く冷たい風を受けながら、ドンドンスピードも上がっていく。

 ゴーグルのおかげで雪道の状態はとってもよく見えて、いい道を選びシュッシュとターンを決めて移動する。

 隣ではお兄ちゃんが後ろ向きで滑り、カイ兄ちゃん達に手を振っていた。

 そしてシューッと私の横に並び雪山を指で示すと、そこに向かってスピードを上げる。


 ”お兄ちゃんがやんちゃなの♪”


 いつもは優等生な落ち着いた様子のお兄ちゃん。

 だけど滑り出すと、真逆の行動に走り出す。

 今もコブを使ってジャンプしたり、片足滑りしてグネグネと滑ったりして……


 ”ほらね。……後ろ向きのまま雪山登ってジャンプした。”


 そのまま何事もない様に着地して、スーイスイと滑って行く。


 ”それじゃマリスも行きます。”


 雪山に向かってスピードを上げる。

 グングンとあげながら、風の魔力も上げていく。

 そして……… そのままジャーンプ♪

 お兄ちゃんに比べれると、たいした事ありませんが何か?

 上手く着地して、お兄ちゃんの待っている場所まで向かった。


「ちゃんと着地出来て、よかったぞ、マリス。」


 頭をポンポンされご満悦なマリス。


「お兄ちゃんもカッコよかったの♪」


 私がそう言うと、お兄ちゃんは擽ったそうに笑った。


 さて問題はここからメイヤーちゃん達の所まで戻る行程。

 今はまだ普及してないから、専用道はない。

 ボチボチ始めるとは聞いているが、それまではウンショウンショと戻ります。

 降りるのはとっても楽で楽しいけれど、戻るのはなかなか大変だ。


「降りる時みたいに一瞬で戻りたい。」


「まあね。でも途中からコレを使って戻れるから、半分の歩きで済んでるよ、マリス。」


「全部使って戻りたいの。」


「それじゃ普及させなきゃね。まずはカイ達からだ。」


 お兄ちゃんはニヤリと笑った。



 結論から言えば、見事にハマった。


「スゲーよコレ。マジで楽しい―じゃねーか♪」


「そうだろう、楽しいだろう♪」


「お前が爆笑する気持ちわかる。爽快だな♪」


「そうだろう。堪らないだろう♪」


「おお!!たまんねぇーな♪」


「「ワハハハハハ!!!」」


 と笑い合うお兄ちゃん達。その横で………


「マリスちゃん、これとっても楽しいね。」


「でしょ。面白いの♪」


「うん、でも出来たらココに、カゴ見たいなのが欲しいな?」


 メイヤーちゃんは折り曲げ機能なくてもいいから、前の方に荷物入れが欲しいと言う。

 なるほど…… そういう考え方もある訳だ。


「わがまま言ってごめんね。」


「ううん、確かにあると便利だもの。あった方がいい人達結構いると思う。」


 ウン…… お父さん達に話してみよう。

 その後もファンスキーとキックボードで遊ぶ。

 時間もドンドン過ぎていて、気づけば屋台の始まる時間になっていた。


「行く前に少し身体を暖めて行こう。」


「そうだな。ゆっくりめな時間でいいか?」


 私とメイヤーちゃんも、ちょっと身体を休めたい。

 二人でうんうん頷き、ストーブの前を陣取った。

 ストーブの上にはミルクの入った鍋。

 お兄ちゃんが、戻ってすぐに準備したモノ。


「メイヤーちゃん、自分のお父さんとお母さん達の屋台何処か知ってる?私聞きそびれちゃった。」


「私のお父さんとお母さんは、くじ引き屋さんらしいよ。それからサーカスと遊園地があるんだよ。」


 メイヤーちゃん処はくじ引きか、ウンそれもありだな♪


「私的にはお菓子屋さんならよかったな。残念………」


 人それぞれ価値があるもんね。ウン……


「カイ、お前はどうだよ。」


「俺んちは整理券の販売だッてさ。だからサーカスの券4枚確保した。」


「そっか。サンキュー♪」


「もしお前らの親父達が肉屋だったら、大盛要求するぜ。」


「もちろんだ。」


 男は何処まで行っても肉なんだな。そんなに肉が好きか。


「今日ね、朝食作ったらね。カイ兄ちゃんが切ったハムがぶ厚かった。おかげで焼くのとっても大変だったよ。」


 指を使って厚さを教えてくれる、メイヤーちゃん。

 どうやらメイヤーちゃんの分も同じくらいぶ厚かった。


「とても全部は食べれなかった。」


 と呟いて、残り半分はカイ兄ちゃんにやったそうだ。


「うちはお兄ちゃんとホットドッグを作ったんだけどね。」


 あの時マリスが一つのホットドッグを食べていた時、お兄ちゃんは5つのホットドッグを完食していた。


「お兄ちゃん達食べ盛りなんだね。」


「そうなんだろうね。戦闘系は特にそうだって、お父さん言ってた。」


「そう言えば、うちのお父さんも言ってたかも。」


 二人でそう言えば……… と話ながら、ヤレヤレと思った。


「戦闘系の人のお嫁さん、大変だね。一日中ご飯を作っているイメージがする。」


「そうだね。今以上に大人になって食べるならそうだろうね。」


 二人はうんうんと頷き合う。ホントお嫁は大変だ。

 すごく同情的になり、未来のお嫁さんに頑張れと声援を送る、マリスとメイヤーちゃん。

 そんな二人の様に気づいたお兄ちゃん達は尋ねる。


 もちろん聞かなきゃよかった案件なのは、言うまでもない。

 その後ジュリアスとカイが、料理の勉強をしている姿を目撃される様になる。







読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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