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独り飲み中の聖女サマ、異世界に召喚される〜だが断る。

作者: るんた


 とある世界の魔導大国


 王都の中央に聳え立つ『祈りの塔』。一際高い塔の先端には小さな蒼い魔水晶が填められている。


 薄暗い塔の内部には12名の上級魔導士が魔方陣を囲んで立ち並び、少し離れた壇上にはこの国の王族と要職に就く貴族が座し、静かにその時を待っている。



 これから『召喚の儀』が始まる。



 この国には異世界人を召喚する秘術がある。夜空にひときわ輝く蒼き星が祈りの塔の魔水晶に重なる時、その数十年に一度の僅かな間に塔の床に描かれた魔方陣に大量の魔力を流すことで、異世界から「勇者」や「聖女」と呼ばれる膨大な魔力を持つ者を召くことができる。


 召喚される者は大概、黒かそれに近い髪色を持ち、性格は大人しく理性的。元の世界には魔導は無いはずが必ず膨大な魔力を持ち、鍛錬すればその魔力を余すことなく使いこなせるようになる。

 歴代の勇者や聖女達は、これまでもこの国の厄災を払い、民を癒やし、地に恵みを与え、結界などの護りを施してきた。

 王族や高位貴族と婚姻を結ぶことも多い。


 勇者や聖女には自らの意思でその任を担って貰うのが理想的ではあるが、確実にその身を国の益とせねばならない。その為召喚の儀の直後に、心臓に楔を打つ『主従契約』を施すことにしている。魔力量が多い相手には難しい術ではあるが、異世界からの召喚直後は混乱している上、魔力を使い慣れておらず、多少時間を掛ければ問題なく施せる。また、こちらに依存する気持ちが湧くと術に掛かり易くなるため、召喚後は殊更丁寧に扱うようにしている。



 ……今回も御し易い者が現れると良いのだが。



 遥か頭上に見える魔水晶が薄っすらと蒼く光りだしたのを機に、魔導士たちが掌を魔方陣に翳し滔々と呪文を唱え始める。


 魔方陣が青く輝き出し、その紋様が光となってゆっくりと浮き上がる。呪文の詠唱が重なるにつれ、紋様も幾重にもなり、光の柱となって上へ上へと伸びていく。その上方は解けるように形を変え、魔水晶に吸い込まれ、塔の先端から彼方夜空の蒼き星に向かい一直線に放たれる。


 魔方陣を囲む魔導士達の顔には薄っすらと汗が浮かび、中には苦悶を浮かべる者もいるが、呪文の詠唱は続く。光の柱の密度がさらに増し一際強く光を放つと、渦を巻きながら魔法陣の中央に集まり、人型を形どった。


 皆が目を凝らして見つめる中、やがて輝きが収まり、魔方陣の上には一人の人物が現れた。


 やや地味だが柔らかそうな衣装に、顎に掛かる程度の真っ直ぐな黒髪。この世界では髪の短い女性は極めて少ないが、体つきは女性のようだ。異世界人は見た目で年齢を図りづらいと記録にはあるが、少なくとも成人しているように見える。



『聖女』だ。



 聖女は事態が飲み込めていないのであろう、座って片手を中途半端に持ち上げた姿勢でほとんど身動ぎしないでいる。髪に隠れているためその顔は見えない。


 壇上で控えていた宰相が聖女をもてなすため静かに動き出す。王の隣で退屈そうにしていた第一王子も聖女を見るや口角を上げ立ち上がった。その隣の王女は興味を失ったかのように背凭れに背を預けた。


 ふたりは警戒を持たれないよう、優美な微笑みをたたえゆっくりと近づいていった。



 聖女は宰相達に気づくとゆるりと顔をあげた。少しは取り乱すかと思ったが、声を発することもなく、細い指で顔に掛った髪を整えながら柔らかな笑顔を向けてきた。


 その瞳は理知的な輝きを湛えていた。




 ◇ ◇ ◇




 最近もっぱら独り飲み。


 ワンルームマンションの私の部屋。社会人になって5年目。一人暮らしを始めてもうすぐ9年になる。


 部屋の真ん中にある四角いローテーブルは、学生の時にとりあえずで買った安物のコタツテーブルだ。あの頃は社会人になったら新しく好きな家具を買い揃えようと思っていた。大人になったら部屋をいい感じに調えられるんだと。大学生の私に教えたい。そんなに自分は変わらないと。


 それでも細やかな大人の嗜みとして、グラスはお気に入りのものを選んでは毎夜楽しんでいる。今日使っているのは、日本酒のためのグラス。口が少し狭くなっていて、香りを楽しみながらゆっくり飲むためのもの。とっておきの大吟醸を注いでくるくると回しながら照明にグラスを翳す。綺麗。少し嬉しくなって一口飲んだ。


「はぁ〜〜っ旨ぁ〜〜〜〜」


 誰も聞いてないんだからと最高に気の抜けた声を出す。



 27歳会社員女性。


 そこそこ有名な大学の経済学部を卒業して今の会社に入社した。新人の頃は、仕事を覚えるのが早いし気も利くし、将来有望、しかも可愛い!って言われたし、3つ年上の先輩ともお付き合いしたりして、新社会人生活は大変なこともあったけど、それなりに充実していた。


 けれど一年半たった頃、恋人に取引先の新人の子に乗り換えられた。腹が立ったけど仕事も面白くなってきたし、しばらくいいかって思ってた。なのにある日、同僚たちが「あの人と結婚する人ってどんな人なんだろうね〜」って陰で話すのを聞いた。


 どんな人?普通の人がいいですけど。


「あれだけ正論ばっか言ってスキのない女と暮らすのは、スゲ~デキる男なんじゃない?スゲ~年上とか」


「それか逆に年下の主夫志望の子じゃない?」


「ははっ。ヒモか。ありそ〜だわ〜」


 何が楽しいのかわからないが同僚達の笑い声が聞こえてくる。反論する気にもなれずにその場を離れた。




 仕事上キツイ物言いをすることもある自覚はあった。だって仕事なんだから成果を出さないと意味無いじゃない。社会で必要とされる人間になりたかった。『できない』なんて言ったら『仕方ないねぇ女のコだし』なんて溜め息吐かれるのも嫌だった。……最近されないけど。


 元々の顔立ちが幼いから、少しでも信用してもらえるように落ち着いて見える化粧を覚えた。


 社会人になって慣れないことや我慢が増えて、同期や先輩と愚痴を言い合うことあった。けど気を許してうっかり言い過ぎると怖がられる。『働く女コワ〜』って何よ!みんな働いてるわ!


『今日の親睦会は君達のガス抜きだから。気を使わずに忌憚ない意見を言ってよ〜』って言ってたくせに次の日から態度の変わった課長!あんたの何のためにあるかわかんないプライドを傷つけられたくないんだったら、無礼講とか言うんじゃないわよ!良い上司ぶりたいんなら表面くらい取繕いなさいよ!


 ……確かにアルコールが入ると少しだけ、少〜しだけ口が滑らかになっちゃう私もいけないんだろうけど。


 学生の頃からの友達は多少毒を吐いて醜態を晒しても許してくれるけど、それぞれ仕事や家庭や新しい生活とか……、とにかく思いついた時に集まれるような感じではなくなった。リモートも何となく今は面倒くさい。



 結果、独り飲みが増えた。


 今日も独りで飲んでる。


「はぁあぁぁ〜〜〜〜〜〜っ」


 変な溜め息が出てくる。



 最近配属された係長。事あるごとに『これハラスメントじゃないよね?』って確認してくるのが地味に苛々する。あの一見人の良さそうなニヤニヤ顔。鬱陶しい。


 空になったグラスにお酒を注ぎ足そうと瓶に手を掛けた時、和紙でできたラベルの感触に我に返った。


 はっ、いけない。せっかくの美味しいお酒。楽しく飲まないと勿体ない。気を取り直し、お気に入りのグラスを掲げ、外では見せられない腑抜けた顔で笑ってみた。



 刹那、部屋の中が眩しい光に照らされた。


「えっ……何!?」


 車でも飛び込んで来るんじゃないかと窓の方を振り向くが、外は暗い。


「……何でっ!!」


 外からの光じゃない。光ってるのは、私だ。


 体を見下ろすと手も服も青白く発光していて、徐々に輪郭が曖昧になっていく。掌にあるグラスだけははっきりと見えるが、解けていく指先では支えきれず、ラグの上に落ちて転がった。


 ああ……まだ飲みきってないのに……掃除しないと…………。


 視界が光に遮られ堪らずに目をつむると、次の瞬間には冷たい感触のする床の上にいた。


「…………」


 グラスを持っていたはずの左手はそのまま、右手の指先でそっと床に触れる。綺麗に磨かれた石。視線だけを動かして周りを伺うと自分を囲むように、さっきの光と同じ色の幾何学的な模様が描かれている。物語で見る魔方陣みたい。


 状況が把握できずに固まっていると、控えめな足音が聞こえたのでそちらに目を向ける。男性がふたり、こちらに近付いて来るのが見えた。



 あ、『エライ人』だ。



 条件反射のように姿勢を正し、泥酔してるのを隠したまま、仕事仕様の笑みを作った。






「聖女様。この度は我が国の為に、いえ、私どもの生けるこの世界の為に御降臨賜り誠に有難う御座います」


 この国の宰相と名乗る銀髪のイケオジが慇懃に語り掛けてきた。映画で見る西洋の貴族のような服装。魔方陣の外側にはこれまた映画で見るような魔法使いっぽい黒いローブを着た人達。暗くてよく見えないけれど壁際にも何人か居るようだ。


 酔ってるのに頭を使ってるからか少し気分が悪い。けど仕事仕様の笑みは崩さない。



 宰相サマの後からキラキラした金髪イケメンが踊るように歩み出て、目の前に跪いた。きっと酒臭いからあまり近くに来ないでほしい。


「美しく慈悲深い聖女様にお目に掛かれたこと神に感謝いたします」


 金髪イケメンはこの国の王子サマらしい。この手を取れとばかりに差し出された掌をじっと見た後、少しだけ困った笑みで宰相サマに視線を向けた。なぜか宰相サマは満足そうな笑みを浮かべた。


「此度は突然のことで聖女様もお困りのことと存じます。何なりと私どもをお頼りください」


 宰相サマが右手を胸に当て笑みを深める。空気がなんとなく纏わりついてくる。



 気持ち悪い。



「…………それではひとつ。何故貴方方は私を『聖女』と呼ぶのでしょうか?」


「それは!貴女様が膨大な魔力を秘めた『特別な方』だからでございます!」


 少し芝居がかった仕草で宰相サマが話し出す。


「聖女様の世界では魔術は絵空事とされていることは存じております。しかし!この世界では魔術が使え、しかもその力は強大なものとなるのです!」


 ババーン


 気がつけば王子サマも加わってポージングしていた。効果音でも付きそうな勢いだ。よくわからない。相槌を打つこともなくじっと見つめる。


「もちろん聖女様の生活に不自由など無き様お約束致しますので、どうかご安心ください」


 王子サマがふたたび跪いてくる。


「貴女の心の憂いが少しでも晴れるよう……」


 差し出された掌に浮かんだ小さな光がふわりと形を変え、薔薇のような光の花になった。

 魔法だ。目を見開くと王子サマは綺麗な笑顔を作った。


「よろしければ私に貴女の側にいることを許してくれないだろうか。魔術の指南もできるし、何より貴方の心の支えとなりたい」


 光の花が王子サマの手から離れ、ゆっくり回転しながら目の前まで飛んでくる。そっと右の指先で触れると光の粒子となって消えた。


 目の前で光が消えたから、辺りが一層暗く感じた。




「なぜ……私だったのでしょう?」


「この場は神の時代と言われる古来から我が国に伝わる『祈りの塔』であります。塔が空彼方の蒼き星と重なりあう稀の日に真摯な祈りを捧げることで、我が国の窮地を救ってくださる『特別な方』をお招きすることができるのです」


 答えになってないし。


「我が国としましては、聖女様の特別な力を存分に奮って頂けるよう、助力を惜しみません。また聖女様の世界にまつわる知恵も是非ともご教授賜りたく存じます。そのためにも、我が国の次代を担う若者たちを、共にあることをどうかお許しください」


 宰相サマが言い終えると、王子サマが掌の上に30センチくらいの丸い光を浮かべた。そのまま招き入れるように手を動かすと、光は王子サマの手から離れて奥の方に飛んでいき、暗がりに立つ数名の男性達を照らし出した。


 男性達は恭しく礼をする。


 インテリ眼鏡、騎士風細マッチョ、魔導士風ストレートロング、小柄なふわふわ男子。少し離れてゴリマッチョ騎士。十代後半から二十代前半くらいで全員見惚れてしまうくらい見目麗しい。笑顔も輝いてる。


 仕事仕様の笑みを固めて暫く眺めた後、視線を元に戻した。キラキライケメンとイケオジが笑顔で見下ろしている。




 目を伏せ、気付かれないように溜め息を吐いた後、ゆっくりと視線を上げた。


「状況を整理しますと……」


 思ったより落ち着いた声が出た。



「私はこちらの国に異世界召喚された。帰ることはできないが、ここでの生活は十分に保証される。私は膨大な魔力を秘めている可能性が高く、聖女としてその力を使ってこの国に貢献して欲しい。同時に異世界の情報も伝えて欲しい。その活動を主に王子殿下とそちらにいらっしゃるご友人達が助けてくださる、と言うことでよろしいでしょうか?」


 害意の感じさせない笑顔を深める。


「その通りでございます!此度の聖女様はたいへん聡明にあらせられますな!」


 宰相サマが機嫌良さ気に笑い声をあげた。


「なるほど……。そうですか…………」


 ずっとグラスを持った形のままだった左手の力を抜いた。あのグラスはもうこの手にすることはできないんだ。ぐにゃりと視界が歪む。両手を床につけ項垂れた姿勢でぎゅっと目をつむる。




 フ ザ ケ ル ナ




 バチリと静電気のような音がした。


「なっ!主従契約の術がきかない!!」


 黒ローブのひとりが焦った声を出す。はぁ!?さっきからなんか纏わりついてきてて鬱陶しかったのよ!主従契約とかなによ!そもそも名前が死ぬほど



 気持ち悪いわ!!!



 バチバチと音を立て、白い光が体の周りに弾ける。周りが何だかワアワア言ってるけど全く耳に入らない。



 一方的に異世界から拉致するような奴らは胡散臭いとは思ってたけど、やっぱり信用ならない!

 

 敬うように優しく接してきた宰相のあの目は、こっちに不利な条件を通そうと企んでるクライアントと同じだ。信じ過ぎたら負けだ。


 そしてキラキラ王子!『美しく慈悲深い聖女様』って何よ。こっちは一言も発してないわ!自分の望みをいきなり押し付けるんじゃない!


 色んなタイプのイケメンを用意して、どうぞお好みがございましたら〜って、


 アホか!


 それまでの生活をすべて取り上げられて、差し出されたものが、別に自分を好いていないイケメンなんて、天秤が釣り合わなすぎるっての!バカにするな!それとも聖女サマは歴代好色だったのか!?



 視線を上げ、遥か頭上の暗闇に目を凝らす。地球によく似た青色の光が見えた。



 ア レ だ。



 あれが私を連れてきたこの馬鹿げた装置の核だ。



 コワシテシマエバイイ。



 周りで弾けていた白い光が集まり、行き先を決めたかのように放射状に放たれる。バチバチと壁を壊しながら這い上り、頭上の青色に向かっていく。


 光が一点でぶつかると爆音が鳴響き、塔が崩れ出す。バラバラと先端の方から壁が剥がれて落ちてくる。



 …………あれ?大きくない?



「やばいかも」


 落ちてくる瓦礫の大きさを実感して我に返った。どんなにキレた風でもどこか冷静さを捨てきれない。このままだと死人が出るかも。この世界の人は魔法が使えるらしいけど、どの程度かわからないし。


「待って待って!」


 両手を上げて『止まれ』と力を込めた。ズズンと地面が揺れ瓦礫が空中で静止する。そのままの姿勢で周りを見ると、逃げ惑っていた人達が動きを止め、驚愕の表情をこちらに向けていた。こっち見んなよ〜。


 少し考えてから、人を傷つけないようにと願いを込める。瓦礫が淡い光に包まれ、落下を再開し、あっという間に辺りは荒れ果てた廃墟のようになった。


 私からは瓦礫に阻まれて姿は見えないけど、元気に騒いでる声は聞こえる。うん、きっと皆さん大丈夫。


 カチャンと硬い音がした。足元に小さな青い水晶玉が転がってる。これが異世界人拉致装置の核ね。拾い上げてパーカーのポケットに入れた。


「どうしよう?」


 この場に留まるのはどう考えても悪手だ。きっと次はもっと強引な手段で来るだろうし、壊したもの弁償しろ〜なんて言われたら突っ撥ねきれない気がする……。私、気が弱いので。


「逃げよう」


 どうせ元の世界に帰れないんだ。だったら少なくとも自由でいたい。


 鍛練が必要って言ってたけど、きっと魔法も使える。イメージが大事。深く考えない。まだ酔ってるからますます行ける気がする。


「行ける」


 地面を蹴って両手を広げた。そのまま上昇する。



 気持ちがいい。アイキャンフラ〜イってやる映画あったな~。



 足下が騒がしいと思って見下ろすと、瓦礫の間から何やらこっちを見て騒いでる人達がいた。塔の中に結構人がいたんだな〜。ご無事のようで何よりです。目視で確認したからちょっと気が楽になった。確認って大事よね~。


 周囲を見回すとノイシュバンシュタイン城みたいなお城と整った石造りの街並みが見えた。魔法なのか、あちこちにランタンのような灯りがふわふわと浮いている。ゆっくり散策したいところだけど、今はとにかく離れよう。


 未知のものしかない地平線に目を向ける。



 このままでもいけるけど羽とか生やしたいな。



 優雅に気分よく飛べそうな翼をイメージする。背中に白く輝く美しい翼が二重に現れた。ん?二重?トンボみたいにスイスイ飛べそう?あ、酔ってるからか〜。


「ふふふ」



 自由に生きよう。ちょっとだけ頑張ろう。そして、せっかくだから楽しもう。



 ちらりともう一度足下にいる王国のエライ人達を見る。この世界に馴染んだ後、もし本当に困ってるようならちょっとだけ助けてあげよう。




 聖女は美しい翼を広げ、踊るように楽しげに夜空を羽ばたいていった。




 ◇ ◇




 それから程なくして、『聖女様は自由を愛している。もし出会えたなら、邪な心がない者には少しだけ良いことがあるかもしれないよ』と世界中で囁かれるようになったとか。









 最後までお読みいただきありがとうございました。



〈追記〉


 魔導大国は、とりたてて窮地に陥ってることはなく、召喚できるタイミングだったので、優れた魔導士の血を王家や高位貴族に入れるために、召喚の儀を行っただけでした。



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