異能の子4
「まずは自己紹介ね、私はレイ・セイムよ。レイって呼んでね。
後で一緒に動いてる仲間も紹介するわ。」
「俺の名前は達也!で、そっちが相太だ」
達也は僕の方を指差し、自己紹介をさっさと済ませる。
何か話したいことがあるみたいだ。
「それにしても俺の全部透けて見えたのはなんだったんだろう」
達也が疑問をはく。
「おそらくあなたの異能は視力に依存したもの、
異能は主に五感に依存するの」
「五感に依存?」
達也が聞き返すと、レイは異能について話始めた。
「異能の発現は主に五感のどれかが優れていることが多いわ。超覚醒した感覚ってところかな。
慣れないうちは異能の子という言葉を聞いただけで発現してしまうみたい」
それで達也はあの時発現してたのか。
「僕は何も発現しなかったんだけど、転移した子供特有の身体能力の高さしか
ないのかな?」
僕の質問にレイは少し間を開けて話し始めた。
「持っていない子ももちろんいるわ。でも、もしかしたらあなたも
持っている可能性はあるの。」
「可能性?」
「ええ。それは第六感と呼ばれる五感とは別に何かを感じとる機能なんだけど…」
「そんな凄そうなのは僕にはなさそうだね」
僕がそう言うとレイは椅子に座り、ため息をついた。
「正直第六感の能力はすごい力になるの、もしかしたら持ってるかもと
思って期待したけど…
まあいいわ。身体能力の高さだけでも十分なものよね」
なぜか呆れられている気がするのは気のせいだろうか。
それでもみんなを救いたい気持ちは変わらないから何も言わないでおこう。
そういえば2年前からこの計画が始まったって言ってたけど
あの事件は3ヶ月前のはずじゃ…
その質問をレイにしたら、一つの世界から転移させてるわけじゃないと
言われた…
それだけの話か……