異能の子3
「異能っていったいなんなの?」
僕の問いに女性は冷静に話し始めた。
「2年前からね、別の世界の子供をこっちの世界に転移させる計画が始まったの。
この世界では少子化っていって子供の数が少なくてね。
最初に四人の子供たちが転移されてきたわ、その時に不可解なことが起きてね」
僕と達也が黙ってうなずくと、女性は話を続ける。
「その子供たちは驚異的な身体能力を持っていたの、君たちもそうだよね?」
「すごい速さで走れたり、あの時も高く飛べた。」
「そうなの、転移されてきた子供たちは大人の倍以上の身体能力を持っていた。
そして子供たちの中には異能と呼ばれる力を持つ子もいたわ。
あなたみたいにね」
そう言って女性は達也の方を見る。
「そこから月日が立って最初は数人の転移しかできなかったのが
理由はわからないけど、今では700人くらいはできるようになっていたの」
「それがなんで奴隷になるの?」
僕が聞き返すと冷静だった女性の表情はだんだんと怒りの表情へと変わった。
「あまり詳しくは公表されてないのだけど、
子供が大人以上の力と異能を持っているのは危険と判断され
恐怖で支配し、その身体能力を使って作業効率をあげる計画へと変わったの、
恐怖での洗脳とは怖い物で、、、」
「そんなの俺たちには関係ないじゃないか!」
さっきまで怯えていた達也が怒りの表情を浮かべ女性に怒鳴った。
「そう関係ないし、こんなことは許されない。だから私はこれを止めるために
動いているの」
「何をすれば止められるんだ!?」
達也がまだ怒りの感情を残して女性に問いかける。
「国を変えるには国王を改心させる他ないわ」
そして女性は立ち上がった。
「あなたたちは別の場所に転移され洗脳を受けていない子供たち、少し話してわかったわ!
国を変えるにはあなたたちの力が必要!
力になってくれる!?」
「当たり前だ!なあ相太!」
達也が立ち上がり僕に手を伸ばす。
もう達也は震えもなくなっているみたいだ。
いつもこういうのは達也が先に決めて僕が乗るんだよな…
疑問はまだ残っているけど、僕は達也の手をとった。
「やろう!!!」